どうも、ハイレゾ音楽制作サークルBeagle KickのサウンドPをやっております橋爪です。
フュージョンやニューエイジを中心に生演奏特盛りでM3や配信サイトで頒布中です。

ときどきフリーで音声関係の音響エンジニアをやってます。
WEBラジオや公開録音・トークライブなどで活動させてもらっています。


現在までのアニメ系ハイレゾ感想記事はこちら……

のうりん挿入歌「コードレス☆照れ☆PHONE
ガルパンED Enter Enter MISSION!と1PLDK
「すぱそにっ♥(はぁと)」
「そにアニ オリジナルサウンドトラック」
「ハローグッバイ」歌:榊原ゆい
『「星刻の竜騎士」OP「聖剣なんていらない」/(榊原ゆい)』
『Anison Strings~弦楽四重奏で聴くランティスの歴史』
『僕らは今のなかで』『きっと青春が聞こえる』ラブライブ!
『「英雄伝説 閃の軌跡」サウンドトラック・オリジナルマスター』 前編後編
『閃光の行方 「英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ」オープニングテーマ』
『軌跡 jdk アクースティックス』前編後編
『Beyond the Sky (日本語版)』


発売から数日経ってもランキング上位をキープし続ける作品はなかなかありません。
特にアニメやゲーム系は瞬間風速的な売れ方をするソフトが多く、長いスパンで売れ続けるソフトは少ないのが現状です。

これはファンがとても熱心である、好きな人しか買わない、などの事情があるとは思いますが、いずれにせよアニソン独特な現象といえるでしょう。

今回題材とするファルコムのゲームは、発売から一年以上経ってもじわりじわりと売れていく傾向にあるようです。
とあるインタビュー記事を読んだら、軌跡シリーズは旧作が毎月数千本単位で売れていくとか……


そんな作品力に溢れたファルコムのゲーム、閃の軌跡Ⅱ。
私も発売日に購入しそれから一月半以上、秋アニメもほぼ見ずにクリアに熱中していました。
おかげで積み本、積みアニメが大量にあって今も頭を悩ます毎日です(←知るか

サントラの中身は、Ⅱから加えられた新曲でまとめられています。(Ⅰの曲は未収録)
全体的にイベント曲やダンジョン曲が多く、バトル曲などはより緊迫感のあるラインナップになっていますね。
Ⅰのモチーフをアレンジしたものもあり、ゲーム中に何度もニンマリしておりました。

では、アルバム情報です!


アルバム名:「英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ 」サウンドトラック・オリジナルマスター
Falcom Sound Team jdk[作曲]



販売:e-onkyo / mora
フォーマット:48kHz/24bit FLAC/WAV



厳選した楽曲の感想は、「である調」でいきます。

まだファルコムの音楽は好きなのにハイレゾにはためらいを感じている方、
ぜひ下記を参考に気になった楽曲を購入してみてください。


まず全体を一聴して、音場の広がりや奥行きが拡大していることが分かる。
CDは未試聴であるが、スピーカーの上下左右に大きく広がるこの感覚はハイレゾならではの空間表現だろう。
各楽器ごとの奥行きが精密に設計されており、打ち込みメインのゲーム音楽だからこそ作り込みに熱を感じる

マスタリング前、かつオリジナルフォーマットであることから音の純度が尋常では無い。
特に響きがとてもキレイで、情感に訴える楽曲などは演出意図が明解に伝わってくるのだ。
音像のディテールもくっきりと立体的に捉えられる。
高域は自然で、低域は引き締まってクリアだ。中域は余計な誇張が無い。

24bitの恩恵とマスタリング前の音源ならではの躍動感も特筆ものだ。
音圧こそゲーム音楽のため高めになっているが、その中で躍動感を味わえるようにミキシングの段階で工夫がなされている。
CD版になると押し込められてしまうオリジナルのダイナミクスを存分に味わえるのだ
音の立ち上がりと立ち下がりが丁寧になり余韻が繊細に聞こえてくる。

マスタリングをしていないサウンドトラックのため聴感上の音量にはバラツキがある。
少し面倒だが、楽曲によって音量を変更して欲しい
開発現場の音は純度100%なのだ。

「明日への休息」ではギターの弦を指が滑る音が聞き取れた。
これはゲームでは気付かなかった音だ。
CD版では埋もれてしまうか聴きづらい状態になっているかもしれない。

「白銀の巨船」はストリングスがベッタリせず緻密さを表現できている。
「カレイジャス発進!」にいたっては、オーケストラのステージ配置をモデルに定位や奥行き表現を作り込んでいることが分かった。
「Heteromorphy」のパーカッションの緊迫感と迫力は打ち込みとは思えないほどだ。

「Awakening」や「Blue Destination」は包囲される感覚に驚いた。
前方だけでなく、自分の真横にスピーカーがあるのかと錯覚するほどグルッと音に取り囲まれる。
同時に音の津波というか押し寄せるエネルギーにも圧倒された。

ネイティブ96kHz/24bit の「Bring up Trust!」は、低域の重心の低さにまず驚く。
閃光の行方もそうだったが、非常に低い帯域までカットされずにクリアに収録されている。
バイオリンの音色もとてもリアルで、倍音の響きがとてもナチュラルだ。
ドラムのアタックやスピード感も優れており気持ちがいい。

「乾坤一擲」は音数が多く密度の高い楽曲なのであるが、
前後感・定位などをフルに駆使してゴチャゴチャしないよう緻密なミックスが施されている。
おかげで分離感に優れ、音のディテールを十分に味わえる。
細かい音までよく認識できるのだ。

佐坂めぐみさんの歌唱力の高さに圧倒される「I'll remember you」
ハイレゾは微妙なニュアンスの違いや情感表現が漏らさずリアルに伝わる。
ある意味でシンガー泣かせではあると思うが、佐坂さんの尋常ならざる表現力でもってすれば「音が良くて良かった!」とむしろ喜ばしい感動に変わる
空間の透明度や分離も良く、左右に定位するギターの生々しさには思わずグッとくる。
あまりに楽曲の完成度が高いので生のストリングスだったらもっと良かったのに、と高望みをしてしまった。



以上です。

いかがでしたか?

これは私の主観的な感想ですので、全ての人に「このように感じられるはずだ」というモノではありません。
じっくりと聞き込み、確かに感じたことのみを記事にしています。
日々精進中の身ですので、一つの参考意見として捉えてもらえたらと思います。


ともあれ、ハイレゾ音楽の面白さが伝われば嬉しいです。

ハイレゾ再生は、対応ポータブルプレイヤーからはじまり、
ネットワーク対応のミニコンポ、専用ポータブルプレイヤー、対応AVアンプなどドンドン広がっています。
スマホにいくつか機材をくっつけることでそのクオリティーを手軽に楽しめるようにもなりました。対応スマホも続々発表されています。

パソコンにUSB-DACを付けてヘッドフォンやスピーカーで聴くというスタンダードな方法から、やはりオーディオはオーディオとして独立させたいという願いにも答えることができます。

ぜひ、音高音質音源の再生にチャレンジしてみてくださいね!
音楽生活がもっと豊かに楽しくなることでしょう。