私の備忘録(読書・映画・TV)

日々接した情報の保管場所として・・・・


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年末にberobeさんのアニメ・レビューを読んで、追っかけで観たもの。今回ようやく記事アップ。

 

監督 村瀬修功
脚本 村瀬修功
原作 伊藤計劃  小説はこちら

 

キャスト(声の出演)
クラヴィス・シェパード      中村悠一
ウィリアムズ            三上哲
アレックス             梶裕貴
リーランド             石川界人
ルツィア・シュクロウポヴァ   小林沙苗
院内総務             土師孝也
ルーシャス            桐本拓哉
ロックウェル           大塚明夫
ジョン・ポール          櫻井孝宏

 


予告映像

 

あらすじ
2020年、グルジア。暗殺を目的とした米軍の特殊部隊に所属するシェパード、ウィリアムズ、アレックス、リーランドの4名。
標的は二名。独立に干渉する米国に反発し、国内で虐殺を強行している国務大臣を確保するシェパード。付近に流れるベートーベンの「月光」。大臣は、なぜこんな事をしたのか、と自問。

 

そこへ何らかの異常をきたしたアレックスが大臣を射殺。

戦場での対応ルールに基きアレックスを射殺し、現場を爆破して脱出したシェパード。もう一人の男は直前に立ち去っていた。
作戦命令の裏に米大統領。

 

9.11のビル激突テロ以来、内外のテロ脅威に対する恐怖が米国内に広がっていた。5年前に起きたサラエボでの手製核爆弾テロがそれに拍車をかけ、徹底した警備、治安の強化が図られた。
その揺り戻しとも言える、周辺国での内戦、虐殺の拡大が新たな脅威となっていた。

 

TVでアメフト観戦をするシェパードとウィリアムズ。

ファウル判定に「過保護だ」と断ずるシェパード。

 

査問会にかけられるシェパードとウィリアムズ。戦場での対応には問題なく、咎めはなかった。アレックスに対する感情調整が上手く行っていなかった事によるP・T・S・Dが原因との結論。

 

シェパードらに対する新たな任務。前回逃したもう一人の男、ジョン・ポール。インターメディア・グループに属し、国の文化、宣伝をサポートする業務を数国掛け持ちしていた。そこで次々に始まった内戦、虐殺。

 

ジョン・ポールが元凶だと判るまで対応が後手に回った。その上、彼がどんなやり方でそれを実行しているかも判らない。

ジョンが、チェコに住むルツィアという女性語学講師と、数日前に接触した情報があり、その調査を命じられるシェパードとウィリアムズ。

 

語学の生徒としてルツィアに接触するシェパード。

講師と生徒という関係で契約する。
親しくなったところで、ルツィアがシェパードをカフカの墓に誘う。その後若者たちが集まるバーへ誘われるシェパードは、個人認証を要求されない事に驚く。経営者のルーシャスが語るセキュリティ議論。

 

店からの帰りに乗った電車の中で、ルツィアが語るジョンの話。彼と愛し合っている時に、サラエボで妻と娘が核爆発により消滅した。

それ以来姿を消したジョン。

 

尾行者に気付き、ルツィアを連れて電車から降りるシェパード。

追跡者を難なく倒すが、突然体の自由を失い、倒れる。
目覚めた時には縛られていたシェパード。相手はジョン・ポール。

ジョンの語る真相。虐殺には文法がある。残虐行為の予測。

暴力行為の前兆が判るようになったジョン。
ジョンの仕掛けた言葉のマジックで気を失うシェパード。

次に目覚めた時にジョンは居なかった。
逃げようとした先にルーシャスたちが。

彼らの手引きでジョンとルツィアは既に逃げた。
いよいよ始末されようとした時に、シェパードの残した痕跡により救援が駆け付ける。

 

軍の施設で手当てを受けるシェパード。ビールに混ぜたナノマシンの作用で自由が奪われた。体内から排泄されるのに数日かかる。

 

シェパードらに下る新たな指令。

インド奥地で活動するインダス原理主義同盟の幹部8名の逮捕。

航空機からのパラシュート降下による攻撃。

作戦は成功し、煽動に加担していたジョンもそこで拘束。


航空機から発進した三発機のヘリで護送されるメンバー。機内で続くシェパードとジョンの議論。途中襲撃を受けてヘリが墜落。

結局幹部連中は全て死に、ジョンだけが奪還された。

 

航空機からポッドで発進するシェパード。その直後に航空機は爆破される。ジョンたち関係者の、ニセID情報を削除して行った残りの外郭から、アジトが判明した(ヴォクトリア湖)。そこへの潜入。

 

建物内に侵入したシェパードは兵士が「マダム」と言う声を聞く。姿を現したルツィアが部屋に入る。続いてその部屋に入るが彼女はいない。
机の上にあった手帖に目を通すシェパード。

手帖の間から落ちるメモリ。
「虐殺のエディタ、さ」とジョンが銃を持って現れる。

 

再び繰り返される議論。人の脳に組み込まれた虐殺に関する本能は、種の保存のため。

飢饉などで個体数維持が困難になった時、その数を減らす手段。

そこに現れたルツィア。ジョンがこうなったのは自分のせいだと言う。サラエボで妻子を失った事への自責の念が引金。
そうではない、とジョン。愛する者を守るためだと言う。サラエボで妻子を亡くした時決意した。もう、こんな悲しみは十分だ、と。

 

ジョンの願いは平和な世界と、殺し合う世界の分離。死にたい奴らには勝手に殺し合ってもらう。
それを否定し、ジョンをアメリカで裁判にかけてくれと頼むルツィア。
その直後、頭を銃で撃たれて倒れるルツィア。

ウィリアムズの狙撃だった。

 

ジョンを連れてその場を逃れるシェパード。ルツィアの遺体を残して来たことを悔いるジョン。今の社会を維持するために必要な人口調節。

だがその考えは母国では認められない。
君だけに出来ることがある、とシェパードを見つめるジョン。
銃声が響く。

 

友軍の車に回収されるシェパード。頭を撃ち抜かれたジョン。

ウィリアムズは戦死したという。
シェパードは公聴会で事実を公表し、告発される事になった。

 

感想

原作者、伊藤計劃による小説の映画化。本人は2009年に、作家デビューから僅か2年で死去。
原作をほぼ忠実にトレースしており、小説の世界観(空気感)の再現もそれほど違和感はない。

ただberobeさんの指摘通り原作にあった、脳死状態になった母親を前に、延命中止の決断を下す場面は全てカットされており、このドラマには盛り込まない、とあらかじめ判断したのだろう。

 

原作では、殺人マシンとして任務遂行するシェパードが、意外にセンチメンタルな部分を持っており、それ自身が小説の色合いに好ましいバイアスを与えているが、2時間程度の映画にそこまで織り込むのは多分困難。

 

原作では、ジョンの遺志を受け継いだシェパードが、音楽に虐殺の文法を仕込み、それをアメリカ社会に浸透させて行った。アメリカ以外の全ての国を救うために、と明確に書かれているが、映画ではそこまでの表現はされていない。

ただ、公聴会の前後に、メモを貼り付けたボードの前で作業をするシェパードの姿があり、パソコンとエディタも認められる。

虐殺の文法を英語化して浸透させる作業か。

 

最後のナレーションで「愛しい人たちを失う事になるが、それはきっと新しい世界の始まりになる。これが、僕の物語だ」と結んでおり、深読みする事で、アメリカ社会を破滅させる結末を暗示させている。

 

要するに、認証によりガチガチに固める事で、国としてのセキュリティが守られるという幻想を、真っ向から否定するという物語。
まさに現代の社会状況の中で、出るべくして出て来た作品。

 

 

 

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