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2017年03月28日

パッセンジャー  2017年

テーマ:最近の映画・TV

「備忘録」なので、ネタバレすいません・・・・・

 

監督   モルテン・ティルドゥム

 

キャスト
オーロラ・レーン     ジェニファー・ローレンス
ジム・プレストン     クリス・プラット
アーサー         マイケル・シーン
ガス・マンキューゾ   ローレンス・フィッシュバーン
ノリス船長        アンディ・ガルシア


予告編

 

 

航行中の巨大宇宙船。小隕石をバリヤーで破壊しながら進むが、巨大隕石に遭遇して船体に被弾する。

多数の人が人工冬眠ポッドに入っている中で、一人だけ目覚める男、ジム・プレストン。目覚めをサポートする女性のホログラム映像。
船内を巡るが、他に人が居ない。様子がおかしいと案内表示に、出航してからの年数を聞くと30年だという。本来の航行期間は120年。この船はアヴァロン号。ホームステッド社が「ホームステッドⅡコロニー」と名付けた惑星への入植のため航行している。乗客は5000名、乗務員258名。

 

だがジムは90年も早く目覚めてしまった。何かの手違いだろうと、再び冬眠モードに入ろうとするが出来ない。船内をくまなく探しても彼以外に目覚めた者はいない。計画では到着の4ケ月前から覚醒して入植準備。

食事エリアに行くが、飲み物を選ぼうにも乗客のランクによって飲めるものが決まり、ジムは最も下のランクのレギュラーコーヒー。
異常事態であると地球に連絡を取ろうとしても、この事態そのものが想定外で、通信に数千ドルを要求される。構わずメッセージを送るジムだが、そのメッセージが届くのが十数年後だと伝えられ絶句。

 

バーに入ると唯一人の形の動く者。カウンターに居たのはバーテンのアーサーだった。
ようやく人に会えたと喜ぶジム。だがウィスキーを注文すると極めてスムーズな動きで移動。下半身がレールに繋がれたアンドロイドだった。落胆を隠せないジム。
だが接客のために作られたアーサーの的確な受け答えで、それなりに癒される。

乗務員室を開けようとするが、専用IDがないと入れない。あらゆる工具を使ってこじ開けようとするも無理。アーサーの「ここの生活を楽しみなさい」という言葉で、各種レクリエーション施設を試すが、全く楽しくない。
娯楽の一環としての宇宙遊泳もやれるのを知ってトライしてみるが、広大な宇宙の中に降り立って絶望感を味わっただけだった。宇宙服を着ずにエアロックを開けようとしたが、その決心も出来ずに頭を抱え込む。

 

延々と続く孤独。そんな折りに、人工冬眠をしている中の美しい女性を見つけ興味を持つジム。
乗客名簿によればオーロラ・レーン。小説家だという。彼女のプロフィールをつぶさに読み、食事の時には必ず彼女のポッド脇に座った。
そして冬眠ポッドの説明書を徹底的に読み、冬眠解除の方法を知る。
その気持ちをアーサーに打ち明けると、倫理判断まではしないため「良いアイデアですね」と返す。

 

その後もジムは悩み続け、一時はアーサーに彼女を起こす事はしないと宣言。だが結局孤独には耐えられず、装置に手を加える。
ポッドが開き、オーロラが覚醒を始めると、その場から身を隠すジム。
後は彼女が自分を見つけるのを待てばいい。ジムはアーサーに、この話は彼女に言うな、秘密は守れるか、と尋ねると「秘密は守ります」とアーサー。

 

 

目覚めたオーロラはジムを見つける。一人で一年間暮らしたと聞いて驚くオーロラ。だがこの事態に納得出来ず、ジムのやった事を同じ様に繰り返す。そして絶望。
だが、ジムが一人でも暮らして来たのを見て、気力を取り戻すオーロラ。

食事の時、上級クラスのオーロラは貧弱なジムのトレイを見て驚く。ジムは会社側が客集めのためにセットした「搭乗優待券」の乗客であり、惑星に着いてからも生涯渡航費用の不足分を支払わなくてはならない。自分のIDで食事を分け与えるオーロラ。

 

ジムになぜ入植を決めたのかを聞くと、元々モノ作りが好きで、そのためにエンジニアになった、新天地で自分の建てた家に住むのが夢だと話した。
オーロラは、同じく作家だった父親の影響で作家になった。彼女が十代の時に亡くなり、何事も経験、という教えを残した父親。新たな入植地で一年暮らした後、地球に戻り、それを伝えるのが夢だと言った。

その後急速に打ち解ける二人。ジムに次第に惹かれて行くオーロラ。そしてついに結ばれる。思いがけない出会いだったが、むしろこの状況に感謝し、この先も助け合って行こうと誓う。

 

その日はオーロラの誕生日。ジムはこの日のため、婚約指輪を作っていた。アーサーの前で談笑する二人。オーロラがアーサーに「二人の間に秘密はないの」と言い、それに頷くジム。「そうでしたか」とアーサー。
ジムが指輪を取りに中座した時アーサーは、ジムが貴女を起こすべきか悩んでいた、と言う。そこで初めて自分がジムに強制的に目覚めさせられた事を知るオーロラ。
戻って来たジムに怒りをぶつけるオーロラ。
全てを悟ったジムはアーサーに目を向けるが「秘密がない」と解釈したアンドロイドを責めても仕方がない。

 

ジムは会う度に許しを乞うが、オーロラの憎しみは増して行く。寝ているジムのベッドに上がり込み、顔面を殴打、腹を蹴り、最後は鉄棒で止めを刺そうとするが、全くの無抵抗で打たれる覚悟のジムを見て我に返る。

 

その後も船内に小トラブルが続く。ジムが目覚めてから二年ほど経った時にエレベータが止まる等の異常が発生。そんな時、知らない男の声を聞いて駆けつけるジムとオーロラ。黒人の大きな男が居た。服装は乗務員。名前はガスと言った。
彼は航行のクルーではないが、自身のIDで船内の全エリアに入る事が出来る。

 

船の状態を調べるガス。二年前の隕石衝突でシステム障害を起こしている事が判明。三人のポッドもそれが原因で開いたのだろうと言うガス。オーロラがジムを睨む。

だがその後も異常が拡大傾向にあり、操縦エリアでガスが調査を行った結果、船の動力源である核融合炉の制御部が隕石で破損している事が判明した。
これを直さないと船自体が爆発してしまう。だがこの重大な時にガスが倒れてしまう。

医療ポッドで検査の結果、ガスの体は末期の多臓器不全の状態であり、余命の判断も出来ない。冬眠ポッドの故障が原因だと推定するガス。
結局ガスは亡くなるが、お互いを大切に、と言い残した。

 

核融合炉の修復を決意するジムは、オーロラにも協力を求め、彼女もそれを受ける。
核融合炉のエリアでは重要な部品が破損し、警報が鳴り響いている。予備の部品交換で修理が出来たかに見えたが、エネルギーを放出するための扉が故障して開かず、このままでは爆発してしまう。

手動で外から扉を開けるため、宇宙服を着て船外に出るジム。既にジムを許していたオーロラは「必ず帰って来て」と叫ぶ。

 


核融合炉の扉まで辿り着いたジムだが、その手動の扉用レバーは、手を離すと戻ってしまい、最後までそこに留まっていなくてはならない。
排出のレバーを下げろと指示するジムだが、それをすればジムが死ぬ。躊躇するオーロラに警告メッセージは爆発が近い事を知らせる。
ジムの叫びで意を決してレバーを下げるオーロラ。過大圧力が炎となってジムを焦がす。そしてジムは宇宙空間に放出された。

 

船は爆発を免れた。また、死んだと思われたジムが生きていた。喜ぶオーロラだが、命綱が切れて、もう戻る事が出来ない。別れを告げて気を失うジム。
オーロラは船外活動エリアに走り、モニターでジムの居場所を特定すると宇宙服を着て船から出た。だがもう少しという所で命綱の限界。そこにジムの切れた命綱が。それをたぐってジムを引き寄せる。

動かないジムを医療ポッドに入れ、診断させると「死亡」のメッセージ。ガスのIDで、全ての蘇生プログラムを同時に走らせるオーロラ。その結果、息を吹き返すジム。

 

回復したジム。医療ポッドのオプション機能で一人分だけ冬眠させる事が出来る事をオーロラに伝え、彼女に入るように言った。ほほ笑むローロラ。

 

惑星への到着を前に、次々と覚醒を始める乗客とクルーたち。
船長を筆頭に中央ホールへ行くと、そこはジャングルの様に木々が生い茂っていた。ジムが作った光合成のシステムで発生したもの。
オーロラの残した手紙で二人のドラマを知った船長たち。


感想
「目覚めたのには理由がある」なんて言葉にほだされて・・・・
元々SFが好きな方。だからこんな予告編観ると、つい行ってしまう。

 

だけど開始早々から船体への隕石衝突で、理由も何もバレバレではないかー。
ジムが一人だけ覚醒して孤独な状況に陥るのは予告編通りだがら、まあさほどの新鮮味はない。だがオーロラを自分で起こしてしまうとは。一気にボルテージが下がり、逆にオーロラの方へ感情移入(狙いはこれか)。

二人の険悪な関係に割って入った乗務員。「モーフィアスぅ~~っ!」と思わず叫ぶ(心で)。まあ、好きな役者だからいいのだが、どこでも入れるIDをゲットするためだけに設定されたキャラみたいで、ちょっと切ない。

 

「重力ロス」が意味不明。基本船内の重力は、回転による遠心力により与えているのは、この船の形態からも明らか。それが制御のトラブルで重力が失われるという表現が、どうも納得し辛い。ただ、オーロラがプールに居て、重力のなくなった巨大な水塊の中でもがくシーンにはちょっと萌えたが・・・・

 

一番ナットク出来ないのは、核融合炉のくだり。まず動力部に、あんなでかい窓いらんだろう(映画だから見せないとアカンのはワカるけど)。
それから核融合炉からのガス放出受けたら、放射能汚染で即死んでしまう。当然船に連れ帰るのも不可能。架空の話と言いながらも、この辺りは気になる。

 

あと笑ったのはアンディ・ガルシア。超大物ではあるが、まともなセリフもなく最終部でちょっと出ただけ。却ってかわいそうだったか。

いつも思うのは、せっかく設定はいいのだから、もう少しシナリオを練って、確からしさとか意外性とかを上手に演出してもらいたいものだ。


最後に、宇宙船の構造が気になったので、予告編からピックアップ。
最外周に細長い居住区が螺旋状に3個あり、それが各二箇所の通路で繋がれている。先にも言った様に、旋回する事で重力を発生させている(のだろう)。

 

 

 

 

 

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2017年03月26日

火の鳥 羽衣編 単行本 ⑧

テーマ:本・国内

羽衣編 初出:「COM」1971年10月号

 

芝居仕立ての進行。
遠州三保の浜。裸の女が松の木に薄衣をかける。
通り掛かった男がその衣を取って、売るために持ち去ろうとする。
女の声で、返して下さい、と懇願。男は姿を見せろというが、こんな姿では出られない。
男は別の着物を持って来る。初めて見る女の肌にうろたえる。
その隙に羽衣を取り返そうとする女だが、それを止める男。
空から来たという女に、勝手に天女だと思い込み、年貢を召し上げられるグチを話す。
そして、三年一緒に暮らしてくれたら衣を返すと言った。

 

男は、女を「おとき」と名付けて一緒に暮らし始めた。娘も生まれ、幸せな日々を送る男。娘が大きくなったら、いい男と結ばせると言うと、おときは結婚させない、と否定。
そろそろ三年の期限が近づいていた。ずっとここに居て欲しいと願う男。
おときの話では、彼女の国でも大きな戦があり山野も枯れ果てている。

そんな所に兵が来て、平将門反乱の鎮圧をするための兵として出仕せよとの命令。
無理やり連れて行かれるところに、おときが例の衣を差し出し、これと引き換えに亭主を見逃してくれと頼む。驚く男。

 

男:ズクは見逃してもらえたが、おときを心配する。
おときは千五百年の未来から来たという。未来のものを過去に持って来れば歴史が変わり、恐ろしい事になる。
ズクは、羽衣を取り返すために行ってしまった。

 

一年経ってもズクは戻って来なかった。
娘をあやしながら話すおとき。
千五百年の未来で大きな戦争があり、孤児だった彼女は収容所に入れられていた。その時に火のように燃えるふしぎな鳥を見た。鳥は好きな時代へ送ってあげると言われた。
ただし、昔の時代の歴史を決して変えてはいけないと約束した。
羽衣が人手に渡り、この娘も大きくなれば、未来人の産んだ子孫が出来てしまう事になる。
おときは娘を殺そうとするが、どうしても出来ない。
娘を連れ、かあさまの国に帰りましょう、と言って消えて行くおとき。

 

矢傷を受けながらも、羽衣を取り返して来たズク。
だがおときと娘は既にいない。
松の木のふもとに羽衣を埋めるズク。そして息絶える。

単行本 第8巻 第一刷 1983年

 


感想
芝居仕立てであり、一頁に横長のコマを四つ配し、各コマの右手に松の木、左手に家、というレイアウトのまま全てのコマを維持。その中で物語を進めて行く。
手塚にとっても実験的な試みだったのだろう。
話のベースは「羽衣伝説」。おときは1500年の未来から来た。手助けをしたのは火の鳥。
待っても帰らぬ亭主に、結局母娘は「かあさまの国に帰りましょう」と言って、どこに行ったのか?

 

初出の時は、生まれた子供が放射能による奇形で、それを嘆いて殺すという話だったようだが、単行本化される時に、全面的に手直しした様だ。
後半の暗転、スポットライト等、芝居の効果を楽しむような表現。

 

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2017年03月15日

新聞小説 「国宝」 (2) 吉田 修一

テーマ:本・国内

作:吉田 修一 画:東 芋     (1)はこちら

 

第二章 喜久雄の錆刀 1~25 (1/27~2/21)

 

 

春江の家に転がり込んでいる喜久雄。今年からカラーテレビになった紅白歌合戦を白黒テレビで観ている。母親がスナック「紫」をやっているところの二階。
タバコがなくなり、階下の店に降りて「ピース」に火を点ける喜久雄。火の用心の声がするが、何かおかしい。
バットで身構えて入り口のドアを開けると、そこには鑑別所に居る筈の徳次。大晦日が一番逃げやすいと聞いて実行した。なんで?と言う喜久雄に、親分の一周忌やろ、と返す。

 

宮地組の残党が、立花組の新年会に殴り込みをかけてから、もう一年が経とうとしていた。
凄惨な抗争事件は全国ニュースとなった。死者一名、負傷者五十名。事件後、宮地の大親分が、自分は潔白だと子分を切捨てたため、結局宮地組は解散となった。
権五郎を失った立花組も混乱。跡を継ぐべき若頭の真田征一は逮捕され、抜きんでた者のない中での派閥争い。これをまとめたのが愛甲会若頭の辻村将生。
権五郎の遺児である喜久雄の将来を慮って、ちゃんと学問をさせねば、と進言。気が付けば辻村が墓の建立、納骨まで仕切り、この体たらくが、以後立花組が愛甲会の下部組織に成り下がる要因となった。

 

徳次が鑑別所送りになったのは、権五郎の納骨が終わってすぐの頃。喜久雄、徳次らが取り巻きを連れて映画を観に行った際、彼らの特等席に座っていたのが梅岡中の悪童ども。
その中の一人が「ニッキの譲治」。建材屋の息子で、不良の中では名が知られていた。客が逃げ出す中、土下座しろという徳次の顔面を突然殴りつける譲治。
徳次を踏みつけにしながら譲治は、自分の親父が撃ち殺されて、敵討ちも出来ん腑抜け息子、と喜久雄を笑った。
対抗する喜久雄だが、先方も立花組の息子と知りながら因縁をつける連中であり形勢は不利。
取っ組み合いになり、騒ぎが大きくなる中、消火器が噴射される。近くの交番から駆け付ける巡査。そうなるとニッキの譲治を先頭に、我先にと逃げ出した。
坊ちゃん、逃げろ!と喜久雄の背中を押す徳次。そこに現れる警官。徳次は警官にしがみついて喜久雄を逃がした。その結果、徳次だけが逃げ遅れ、鑑別所入りとなったのだ。

 

年越しそばを温めてあげると言う春江。結局徳次は二階へ。
徳次は、親分の仇討ちが待ち切れずに鑑別所を抜け出して来た。だが肝心の喜久雄には全くその気がない。

権五郎が亡くなったことで、喜久雄は天涯孤独の身となった。マツは権五郎の後妻であり、実母の千代子は、喜久雄が二歳の頃に他界。結核でなくなったという。
時代は丁度、権五郎が愛甲会の熊井と共に暴れ回っていた頃であり、暮らしは楽ではなかった。長屋の隅に寝かされ、そこに近づいたら血を吐くようになる、と脅されていた記憶が喜久雄にはあった。
その頃から権五郎はマツを家に引き込んでいた。打ち捨てられるように千代子が亡くなった時、誰よりも気丈に葬儀を仕切ったマツ。

 

 

彫師の辰に背中を任せている喜久雄。翼を広げたミミズク。そろそろ終わりにしてもよか?という喜久雄の泣き言を聞いて嘆く辰。春江は、もう次で完成だという。
そこで作業を止めた辰。右脚がなかった。サイパンでの戦いで爆弾にやられた。
脚を失ったせいでとび職には戻れず彫師の道へ。
喜久雄の背中にたっぷりとワセリンを塗り、食品用のラップで保護。

 

思案橋界隈の描写。歌謡界の動き。青江三奈の「長崎ブルース」、内山田洋とクールファイブの「長崎は今日も雨だった」。
客引きのため路地に立つ春江に、肉まんを買って来て与える喜久雄。近くの年増の女たちも手を出し、いっとき喜久雄にお世辞を言った。そこでも言われる一周忌の侘しさ。
法要を仕切った愛甲の辻村が選んだのは、三流の寺と三流の坊主。だが辻村に意見出来る立花の者は誰もいない。

そんな時に背中をどつかれ、肉まんを落とす喜久雄。凄んで振り返ると、その大男が喜久雄の頭を殴りつけた。喜久雄が通う中学の体育教師、尾崎。日頃からヤクザを毛嫌いしており、悪さをすれば容赦なく喜久雄を痛めつける。
今度は春江の髪をつかみ、中学のくせにこのバカに騙されて、大切な体で何をしているか、と叱る。

抵抗するも、踏みつけにされる喜久雄。立花組を継いだら真っ先に玉を取ってやるといきがるが、尾崎は「どこにその立花組が残っとる?」と再び喜久雄を叩きのめす。
立花組の組員のほとんどが愛甲会に出入りし、本家は寂しい限り。鰻重を頼んでもツケ払いが出来ない始末、とマツが嘆くような状態では、尾崎の言うこともあながち嘘とは言えない。

 

翌朝、珍しく学ランを来て出掛ける支度をする喜久雄。古参の組員に茶化されるが無視し、ふと思い立って権五郎の位牌に手を合わせる。
外に出たとたん、徳次にぶつかり、電柱の裏に引き込まれる。徳次はまだ鑑別所から逃げ延びていた。春江から、喜久雄が久しぶりに学校へ行くと聞いて待ち伏せていた。
大阪へ行こうと思う、と話す徳次。だがそれは逃亡生活の厳しさから出たもの。
昼まで学校に行ったら俺も一緒に大阪へ行く、と告げる喜久雄に驚く徳次。
十二時に長崎駅で、と言い残して喜久雄は学校へと駆けて行く。

 

だが喜久雄は煙草屋の赤電話で110番し、鑑別所から逃げ出した早川徳次が、本日十二時に長崎駅で待っていると告げる。

そしてそのまま学校へ。バッグには事務所から盗んで来たドスが。
一階の便所に駆け込んでドスを腹に差し込み、朝礼に臨んだ。今朝の朝礼では、児童図書館の建設に寄付をしている慈善家、宮地の大親分改め「センチュリー建設」会長の宮地恒三が演説をする事になっていた。

 

 

前から五列目で機会を窺う喜久雄。それを体育教師の尾崎がじっと見ている。
いよいよ宮地の大親分が壇上に上がってマイクの前に立とうとした時、ドスを握りしめた喜久雄が一気に駆けだした。だが同級生の肩に当たって一秒遅れ。それでも突き進み壇上に上がって大親分に迫る。横から尾崎が叫びながら突進。無心でドスを突き出す喜久雄。
手応えはあったが、肩に強い衝撃を受け、次の瞬間ふわりと自分の体が浮いた。


感想
喜久雄の父、権五郎が死んでからの顛末。没落する立花組。敵討ちを期待されている喜久雄だが、その動きを全く見せない。

 

田舎歌舞伎で女形をやるほどの優男。何の因果でヤクザの家なんかに生まれたのか。喜久雄を庇って鑑別所にまで入った徳次の忠心は報われない。
だがやるときはやる、と宮地の大親分にドスで向かって行く喜久雄。
さあ、どうなる?

 

まだプロローグだが、この小気味よさ。毎朝、新聞を開けるのが楽しみ。

 

 

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2017年03月13日

SING  2017年 

テーマ:最近の映画・TV

2月初めに行きつけの映画館で試写会応募のハガキを出しておいたら何と当選。そんなに観たい!!というほどではなかったが「タダなら」と観に行った。
本当なら字幕版に限るのだが、行ってみたらやっぱりと言うべきかの「吹替え版」・・・・・

いつもならネタバレ満開だが、ここは公開前という事に敬意を表して抑えめに。

 

 

予告編

歌唱シーン寄せ集め

 

監督 ガース・ジェニングス

 

キャスト
マシュー・マコノヒー      バスター・ムーン    内村光良
リース・ウィザースプーン   ロジータ        坂本真綾
セス・マクファーレン      マイク         山寺宏一
スカーレット・ヨハンソン    アッシュ        長澤まさみ
ジョン・C・ライリー       エディ            宮野真守
タロン・エガートン       ジョニー      大橋卓弥(スキマスイッチ)
トリー・ケリー          ミーナ          MISIA
ニック・クロール        グンター     斎藤司(トレンディエンジェル)
ジェニファー・ソーンダース  ナナ・ヌードルマン   大地真央
ガース・ジェニングス   ミス・クローリー     田中真弓


落ちぶれた劇場を経営するバスター(コアラ)が、起死回生のために音楽のオーディションを開催するというドタバタもの。小さいお子さん連れとか、内容を楽しみたい向きには吹替えでもいいけど、オトナが鑑賞するならゼッタイに字幕版にしましょう。
新旧取り交ぜてポップスのヒット曲満載。吹替え版でもある程度原曲が聴けたけど、メインとなる曲の吹替えはカンベンして欲しい。唯一聞くに耐えたのは、最後に近いところでミーナ役のMISIAが唄った「Don’t You Worry ‘Bout A Thing」。これは良かった。

 


ネット検索で、一応出て来た曲の元ネタをチェック。事前に聴いておくのもいいかも(数秒しかやらないものもあります)。

ワタシ的には「Venus」、「Bamboleo」、「Under Pressure」辺りがツボでした。にんじゃりばんばんまで出て来てびっくり。

 
Gimme some Lovin」Spencer Davis Group
The Way I feel Inside」The Zombies
Let’s Face The Music And Dance」Fred Astaire & Ginger Rogers
Venus」Shocking Blue
Bamboleo」Gipsy Kings
Hallelujah」Jeff Buckley
Call Me Maybe」Carly Rae Jepsen
Butterfly」Crazy Town
Under Pressure」Queen
Shake It Off」Taylor Swift
My Way」Frank Sinatra
Bad Romance」LADY GAGA
Firework」Katy Perry
Anaconda」Nicki Minaj
Don’t You Worry ‘Bout A Thing」Stevie Wonder (Tori Kelly)  
Golden Slumbers/Carry The Weight/The End」Paul McCartney
Ride Like The Wind」Christopher Cross
にんじゃりばんばん」きゃりーぱみゅぱみゅ
Faith ft Ariana Grande」  Stevie Wonder


字幕版も観ないとフラストレーションが溜まるかな?(これが狙いだったか・・・・・)

 

 

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2017年03月09日

ラ・ラ・ランド  2017年

テーマ:最近の映画・TV

監督・脚本 デミアン・チャゼル

 

キャスト
ライアン・ゴズリング         セブ(セバスチャン・ワイルダー)
エマ・ストーン             ミア・ドーラン
ジョン・レジェンド           キース
ローズマリー・デウィット       セバスチャンの姉
フィン・ウィットロック          グレッグ
ジェシカ・ローゼンバーグ       アレクシス
ソノヤ・ミズノ                   ケイトリン
キャリー・ヘルナンデス         トレイシー
J・K・シモンズ               ビル  レストランの経営者
トム・エヴェレット・スコット   デヴィッド
ミーガン・フェイ                ミアの母親

 

予告編

 

 

プロローグ・冬
高速道路の大渋滞。オープニングナンバーと共に車から出て踊る若者たち。
同じ渋滞の中でセリフを覚えようとするミアだが、後続のオープンカーに乗ったセブにクラクションでせかされる。

 

ミアは、ハリウッドのワーナー・ブラザーズ撮影所内のカフェで働きながら女優を目指しているが、オーディションに落ち続ける毎日。
一方セブはジャズピアニスト。正統派ジャズを好み、ジャズの名門クラブ「Van Beek」がサンバとタパスの店になってしまった事を憂いている。最近も店を出す話で騙された様だ(姉との話)。

 

ある日ミアはルームメイトのアレクシス、ケイトリン、トレイシーらに誘われて映画関係者の主催するクリスマス・パーティに出席する。
特にいい事もないどころか、車がレッカーに持ち去られ、歩いて帰る途中、偶然聞こえて来たピアノに惹かれてレストランに入る。そこで雇われのピアノ弾きをやっていたセブだが、レストラン経営者のビルから「フリー(ジャズ)」はダメだと言われながら、それを守らずクビを宣言された。
ちょうどそこに向かって行き、素敵な演奏だと褒めたミアだが、クビ直後のセブはそれどころではなく、ミアを押しのけて店を出た。

 


ミアは相変わらずオーディションを受けては落ち、の生活。あるパーティに参加したミアは、そこに出演しているバンドメンバーの中にセブを見つける(曲目はa-haのTake on me)。ミアがリクエストしたのはI Ran(So Far Away)。その選曲にカチンと来たセブは演奏の合間、ミアに話しかけるが、意外に話の合う二人。
パーティ会場から去るセブに「私のキーも取って」。プリウスのキーがずらりと並んでいるが、ミアのには緑のリボン。

車を捜しながら公園にさしかかる二人。息の合ったタップダンス。たそがれ時の夕焼けの美しさ。

 

数日後、セブは撮影所に入り込んで、ミアのカフェを訪れる。スタジオ内を案内するミア。二人はお互いの話をして、次第に親しみを持つ。
ミアが「ジャズは嫌い」と言ったため、セブは彼女をジャズクラブに連れて行った。ミアが脚本も書いていると言う割に「理由なき反抗」を観ていない事を知って、セブがリバイバル上映に連れて行くと約束。

 

その約束当日、ボーイフレンドとの会食だった事を思い出し、止む無くそちらを優先。だがセブの事も気になり、途中で抜け出して映画館に向かった。
一人で映画を観ていたセブは、喜んで迎え入れる。途中からお互いを意識して指を絡ませ、そしてキス。だがその時アクシデントで映画が中断。
ミアの提案で、その映画のロケ地にもなったグリフィス天文台を訪れる。そこのプラネタリウムの中で楽しくワルツを踊る二人。そして始まった交際。
セブは自分のジャズの店を持ちたいと言う夢を語り、チャーリー・パーカーにちなんで「チキン&スティック」という名の店にすると言うが、そんな名前では流行らないと、ミアは「seb's」という名前をロゴまで考えて提案。

 


セブの助言でミアは脚本を書き出した。二人は同棲を始める。
旧友のキースと再会するセブ。かつてバンドを一緒にやっていた。現在キーボードが居ないキースは、週1000ドルになると誘ったが、セブは断った。
日を改めてキースを訪ねるセブ。バンドのメンバーと演奏をするが、求めているジャズと方向性が違い、そこを去った。

 

だがミアとの生活の中、彼女が実家に電話でセブの話をするのを聞いて、生活安定のためにキースのバンドに入る事を決めた。
そのバンドのコンサートに招待されて喜ぶミアだったが、ノリのいい音楽に反し、セブが全く楽しそうにしていない事に気付いてしまう。
バンドは成功し、セブは急に忙しくなる。

 


キースのバンドはツアーで全国を飛び回る生活。ミアは一人芝居の準備をしていた。
ある日ミアがアパートに帰ると、セブがサプライズで食事の準備をしていた。だが明日の朝にはまたツアーに出なくてはならない。
一緒に居たいからと、セブはミアに、ツアーへの同行を頼むが、公演が二週間後に迫っており、ミアは断った。そして逆に、今の音楽をいつまで続けるつもりかと聞く。アルバムを出せば、またこの先二年はツアーが続く。セブ自身に止める気はなかった。
ミアは、セブが自分の信念を曲げている事を知っており、ジャズの店を開く夢はどうなったのかと問い詰める。黙って部屋を出て行くセブ。

 

ミアの一人芝居公演当日、雑誌の撮影でどうしても抜けられないセブ。
公演の観客は数名で、やり切ったものの、その後観客の酷評を聞いて自信喪失するミア。終演後駆け付けたセブに対し、夢は終わったと言って故郷のボウルダー・シティに帰る事を告げた。

 

数日後セブの許へ、ミアを探しているという電話。キャスティング担当者からであり、ミアの公演を観て興味を持ち、オーディションに参加するようにというもの。
セブは以前、彼女の実家が図書館の前だと聞いていたのを覚えていた。その前でクラクションを鳴らすセブ。
また落とされると決めつけているミアを励ますセブは、翌朝迎えに来た。
オーディションでは、自由に話す事を求められ、ミアは叔母とのエピソードを素直に話す。

オーディションが終わり、かつてのグリフィス天文台に行き、そこのベンチに座った二人。また落とされると思っているミアに、受かればパリでの仕事が待っている、この好機をつかんで突き進むんだ、と励ます。


エピローグ 5年後の冬
大女優になったミア。娘も居るが、パートナーはセブではなかった。

 

ある日、夫妻で高速を使って走っていると、あの日と同様の渋滞に巻き込まれた。高速を降りて食事にしようと提案するミア。
店を探していると、ジャズが聞こえて来た。夫に見に行ってもらい、良さそうだという事で通りから中に入ると、そこには「Seb's」のネオンサインが。ハッとするミア。
店内は賑わっており、小編成のジャズバンドもいい演奏をしている。
曲が終わり、各演奏者の紹介をするオーナー。セブだった。そして客席を見た時、ミアの姿に気付く。
来店を謝す一言、そしてゆっくりピアノの前に座り、静かにかつての曲を弾き始める。

ミアが初めてセブのピアノを聞いた場面からの巻き戻し。ミアを抱きしめキスをするセブ。そこから先は、セブとミアのもう一つの物語。二人共に成功し、子供も生まれる。輝く日々。
だが、曲の終わりと共に現実に引き戻される。もう少し聴こうかという夫に、帰ると言って店を出るミア。ドアの前で振り返るミアと視線を合わせたセブは、軽く頷いた。


感想
ミュージカルは好きだが、ミュージカル映画のわざとらしさはちょっと苦手だった(あの「レ・ミゼラブル」とか)。
だが皆さんの評価を読み、また先日第一作の「セッション」も観て、俄然その気になって鑑賞。なかなか上質な、いい時間を過ごさせてもらった。

 

正直言ってオープニングの、高速道路で皆が踊り出すシーン。これがこの先延々と続くのか、と思ってゲンナリしたのは確か。
だがそれからすぐ普通の会話に戻り、ホッと一息。
物語のシーンと歌のシーンで、ある程度棲み分け出来ており、ミュージカル映画「初級」の者にも違和感がなかった。

 

物語として、それほど深いわけではない。カフェで働きながらもそんなに悲壮さのないミア。一応車も持っているし(プリウスの年式がそこそこの古さなのはイイ演出だが)。
一方のセブも、旧き良き時代のジャズに心酔しているとは言っても、生活のために折り合いをつける知恵もある。

そんな二人が出会い、偶然が重なることで互いを意識して行く過程がすごくオシャレで、本当に観ていて気持ちのいい時間が流れているなー、と素直に感じられた。耳馴染みのジャズも心地いいし。

 

それにしても、ここでも出て来るチャーリー・パーカー。よほど好きなんだね。ストイックなピアニストなら、ビル・エヴァンスとかセロニアス・モンクとかでもいいだろうに(まあいいか)。

 

何と言っても、この映画の一番の見せ場は、最後にセブが僅かに頷くところ。
ミアをパリに送り出してから、彼女の活躍は知っていただろうし、現在でも店のすぐ隣にミアの写真がデカデカと貼ってある。ミアが必死で駆け上がったのを、一切邪魔せず見守ったセブの想いが、あの最後の頷きに込められている。

この映画観て、プラネタリウムに行きたくなった(あの場面も良かった)。

 

サウンドトラック

#1. Another Day Of Sun
#2. Someone In The Crowd
#3. Mia & Sebastian's Theme
#4. A Lovely Night
#5. Summer Montage / Madeline
#6. City of Stars
#7. Planetarium
#8. Herman's Habit
#9. City Of Stars DUET
#10. Start A Fire
#11. Engagement Party
#12. Audition (The Fools Who Dream)
#13. Epilogue
#14. The End
#15. City Of Stars (humming)
#16. Mia And Sebastian's Theme (Celesta)

 

 

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