人口ボーナスとは、15歳以上64歳以下の生産年齢人口の増加率が人口の増加率よりも高くなることで、経済成長が後押しされることです。

 


人口ボーナスは多産多死から少産少死に社会が切り替わるときに現れ、人口構成に占める子供の割合が減り、生産年齢人口が多くなります。高齢者が少なく労働力が豊富なため、社会保障負担が嵩まず経済発展が促進されます。

 

人口ボーナスの期間を人口ボーナス期と言います。日本の人口ボーナス期は1990年代に終わりました。そして、一度人口ボーナスが終わると二度と来ないと言われています。

 

世界最大の人口を抱える中国ですが、1970年代以降は出生率が低下し始め、一人っ子政策により出生率が更に下がりました。

 

そして、2030年頃に人口のピークを迎えて、その後は人口が減少していくと推定されています。


中国世代別人口と高齢化率

資料出所:「World Population ProspectsThe 20112 Revision)」国連

 

2015年以降は、生産年齢人口が減少していき高齢化が急激に進展していきます。

 

中国の人口ボーナスは2015年頃、つまり今年頃には終わりになると言われています。下の世代別人口比率のグラフを見ると、実際に2015年には生産年齢人口の割合が2010年よりも低下しています。


中国世代別人口比率推移

資料出所:「World Population ProspectsThe 20112 Revision)」国連

 

中国の人口ボーナス期は終焉を迎えていますが、だからといって経済成長しなくなるというわけではなりません。

 

生産年齢人口が減少しても、労働生産性を高めることでカバーすることが可能です。それができなければ国全体の生産能力が下がり、経済成長ができず高齢化の進展による社会保障費の増加に対応できなくなってしまいます。

 

中国はこれまで安い労働力と外国からの投資によって、労働集約型製造業が大量生産して経済発展してきました。人件費は既に東南アジアなどよりも高くなっており、外国からの投資も伸びていません。

 

生産性向上には、生産効率を向上させることと、付加価値の向上と革新ビジネスの創出が必要と言われています。特に、付加価値向上と革新ビジネス創出では、独自性や独創性を発揮してブランド力を強化することが求められます。

 

中国はGDPで世界第二位になっていますが、いまだに独自性や独創性のある製品やサービスを生み出せていませんし、ブランド力のある企業も皆無です。

 

中国は、このように非常に難しい課題を抱えていますが、他にも難題が山積しています。未来の中国はどうなるのでしょうか。



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