U-19日本代表がAFCユース選手権の準々決勝で
敗退し、7大会(時間にすると12年間)続いた世界大会
出場を止めてしまったそうで。
クラブレベルではオフシーズンとはいえ欧州のトップクラブとも
互角以上にわたりあえるチームもあり、選手の質が以前より
低くなったとは到底思えません。確かに日本代表を
率いるだけの能力のある監督だったのか?という監督選定の問題
クラブからの召集拒否、上の世代への抜擢など以前に比べて
全員が集まってのトレーニングが充分にできなかったことに象徴される
代表へのサポート体制の問題など
いろいろ考慮すべき問題はあるかもしれません。
その中で僕が決定的に拙いと思うのはユースから
トップチームに昇格した選手たちが個々のクラブで十分な
出場時間をもらえていないことです。
(北京五輪の反町監督もそれを指摘しましたが・・)
その問題については
「自分たちでレギュラーポジションを奪え!!」
という精神論で片付けられがちですが、
そもそも中田英寿や黄金世代などが活躍したJリーグ草創期と
今では選手のプレー環境が大きく異なるように思います。
例えばJリーグ草創期は今に比べてプレーレベルが高くなく、
若い選手でも実力でレギュラーポジションを奪えるチャンスが
今よりもあったと思います。しかし、今は当然プレーレベルが
当時より上がってますし、何より選手の層も厚くなっているため、
ユース上がりの選手がすぐにJリーグのトップチームで
レギュラーポジションをつかむのが難しくなっているように思います。
レギュラーポジションがとれなくてもサテライトリーグで
試合の調整ができるだろうと考えられますが、僕も少し調べてみて
驚きました。なんとサテライトリーグは1チームにつき年間8試合しか
してません。
さらに致命的なのはJリーグの国内移籍の規定では若い選手ほど、
移籍金のハードルが高くなる制度↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%BB%E7%B1%8D%E9%87%91#.E7.A7.BB.E7.B1.8D.E4.BF.82.E6.95.B0.E8.A1.A8
があり、出場機会のもらえるクラブへ移るチャンスを奪っています。
Jリーグ草創期にはクラブ経営を優先させるためこの制度がつくられ
一定の効果はあったと思いますが、今はむしろ選手の強化にとって
悪影響が強くなっていると思います。
(実際にJリーグの選手協会の重要議題にもなっています)↓
http://www.j-leaguers.net/about/iseki.html
これでは試合勘を鈍らせ、ユース世代では才能あふれるプレーを
していたのにトップチームにあがった瞬間にコンディションを崩していく
選手が増えるのは当然です。
CLやリーガそして国王杯など毎週2試合をこなすバルサの登録選手でさえ
現在24名なのにJリーグの某クラブでは40名もの登録選手がいます。
そのような状況では選手を飼い殺しにするのは当然です。
当然出場機会のない選手は移籍したいが、移籍のハードルが
ネックになって移籍が簡単にできない。
日本は今そんな状況になっていると思います。
いますぐできるかどうかの問題はさておいて、僕からの意見は二つです。
ひとつは上記のJリーグ限定の国内移籍規定の撤廃。
国際ルールにあわせて選手移籍の自由化を行うこと。
出場機会の全くない選手は他チームへ容易に移籍できるようにする。
もうひとつは調整試合の意味合いの強いサテライトリーグを廃止し、
その代わりとしてトップチームのBチームをJFLに参加させる。
もしJリーグへの準加盟資格がクリアされ、昇格圏内の順位であれば
J2にチームを昇格させてもよい。目的としては将来有望な選手に
真剣勝負でプレーできる環境を確保することです。
スペインではprimera divicion(一部)にいるクラブのほとんどは
Bチームを持っていて、昇降格を争うリーグで戦っています。
例えばバルサBは三部リーグで今や低迷していて、降格圏に
近づいてますしエスパニョールBは四部リーグで僕らのクラブの
L'Hospitaletと優勝争いを行っています。
当然、Bチームといえどもプレーレベルの低い下のリーグに落ちては
チームを持つ意味がなくなるので必死です。グアルディオラのように
Bチームで結果を出してトップチームの監督になるというように
トップチームの監督養成の要素もあります。
(もちろん結果ありきですが)
黄金世代以降、緩やかに日本サッカーの成績が下降線を辿っていて、
その下降線がより急な傾きを見せているので
今日は少し日本サッカーのことを考えてしまいました。