【夕顔65-3】古文単語「しわざ」
源氏物語イラスト訳の重要古語です
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はほぼほぼ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
現代と多少意味のズレる古文単語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
まづ急ぎ参れり。舟路のしわざとて、すこし黒みやつれたる旅姿、いとふつつかに心づきなし。
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今回出てきた古文単語
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■【まづ】…まっさきに
■【急ぎ】…ガ行四段動詞「急ぐ」の連用形
■【参れ】…ラ行四段動詞「参る」の已然形
※【参る】…「行く」の謙譲(作者⇒光源氏)
■【り】…完了の助動詞「り」の終止形
■【舟路(ふなぢ)】…船旅
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【しわざ】…所業
■【とて】…ということで
※【と】…引用の格助詞
※【て】…単純接続の接続助詞
■【黒み】…マ行四段動詞「黒む」の連用形
※【黒む】…黒ずむ。黒くなる
■【やつれ】…ラ行下二段動詞「やつる」の連用形
※【やつる】…やつれる
■【たる】…完了の助動詞「たり」の連体形
■【旅姿(たびすがた)】…旅の姿
■【いと】…とても
■【ふつつかに】…ナリ活用形容動詞「ふつつかなり」連用形
※【ふつつかなり】…不格好だ
■【心づきなし】…気にくわない
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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今回の古文単語 「しわざ」 ☆
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【しわざ(仕業・為業)】
【名詞】
…働き。行為。所業
*学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より
「しわざ」は、
現代の国語辞典を引いても、
上とたいして違わない意味が出ております。
ですが、
現在では、どちらかというと…
多くは人にとがめられるような行為について
用いますよね。
でも、古文では、
通常の「行為」にも用いるし、
今回のように、
「物・現象をとがめる」場合にも用いるんです。
では、今回の文脈を、実践問題で見ていきましょう♪
まづ急ぎ参れり。舟路のしわざとて、すこし黒みやつれたる旅姿、いとふつつかに心づきなし。
問)傍線部の説明として最も適当なものを選べ。
1.船路に出た海賊のせいで、伊予介は少しやつれ気味な上に傷ついている。
2.妻の空蝉に気に入られるために、伊予介は少し日焼けして黒くなっている。
3.船旅を終えた直後に急いで参上したせいで、伊予介は疲れたように見える。
4.船旅の過酷さのせいで、伊予助は少し日焼けして見栄えが悪くなっている。
5.自分の妻や娘を寝取られたせいで、伊予介は少し気分が落ち込んでいる。
選択肢にその理由が書かれているので、
傍線部の「黒みやつれたる」の部分だけでなく、
直前の文脈に着目します。
「舟路のしわざとて」
(=船旅の所為ということで)
この部分が背景にあることに着目!
選択肢をよく吟味してみましょう♪
(o^-')b
正解……4
まづ急ぎ参れり。舟路のしわざとて、すこし黒みやつれたる旅姿、いとふつつかに心づきなし。
● 過去記事リンク
■とて
■いと
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