【夕顔16-3】古文単語「よろこび」
源氏物語イラスト訳のあいです
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はホボホボ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
読みでイメージの決定する古語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
引き入れて、下りたまふ。惟光が兄の阿闍梨、婿の三河守、娘など、渡り集ひたるほどに、かくおはしましたる喜びを、またなきことにかしこまる。
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今回出てきた古文単語
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■【引き入れ】…ラ行下二段動詞「引き入る」の連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【下り】…ラ行上二段動詞「下(お)る」の連用形
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【惟光(これみつ)】…光源氏の従者、乳兄弟
■【が】…連体修飾格の格助詞
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【阿闍梨(あじゃり)】…徳の高い僧
■【婿(むこ)】…大弐乳母の娘の夫
■【三河守(みかわのかみ)】…愛知県東部三河の国守
■【など】…例示の副助詞
■【渡り集(つど)ふ】…来て集まる
■【たる】…存続の助動詞「たり」の連体形
■【ほど】…ところ
■【に】…場所の格助詞
■【かく】…このように
■【おはしまし】…サ行四段動詞「おはします」の連用形
※【おはします】…いらっしゃる(「来」の尊敬:作者⇒光源氏)
■【たる】…完了の助動詞「たり」の連体形
■【喜び(よろこび)】…お礼
■【を】…心情の対象の格助詞
■【またなき】…ク活用形容詞「またなし」の連体形
※【またなし】…この上ない
■【に】…状況の格助詞
■【かしこまる】…恐縮する
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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☆ 今回の古文単語 「よろこび」 ☆
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現代でも、
「喜び」という言葉はよく使いますね。
(・∀・)
イメージ的には、ほぼ同じ意味
では古語辞典で確認しておきましょう♪
o(〃^▽^〃)o
【名詞】
①喜ぶこと
②喜び事。祝い事。慶事
③お礼。任官や昇進のお礼
④お祝いの祝辞
*『学研全訳古語辞典(Webilio古語辞典)』より
では、今回の入試問題☆
引き入れて、下りたまふ。惟光が兄の阿闍梨、婿の三河守、娘など、渡り集ひたるほどに、かくおはしましたる喜びを、またなきことにかしこまる。
問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。
1.こんな所まで来てくださったことへのお礼
2.こんな自分を気にかけてくださった申し訳なさ
3.こんな非礼を許してくださったことへの喜び
4.こんな悲しみに暮れさせたことへのお詫び
5.こんな立派に育ってくれたことへの祝辞
いつもどおり。
まずは、「喜び」という古語の意味で、
1/3/5にしぼります。
o(^-^)o
それから、文脈判断でーす
1.こんな所まで来てくださったことへのお礼
2.こんな自分を気にかけてくださった申し訳なさ(×)
3.こんな非礼を許してくださった(△)ことへの喜び
4.こんな悲しみに暮れさせたことへのお詫び(×)
5.こんな立派に育ってくれた(△)ことへの祝辞
解答…1
引き入れて、下りたまふ。惟光が兄の阿闍梨、婿の三河守、娘など、渡り集ひたるほどに、かくおはしましたる喜びを、またなきことにかしこまる。
● 過去記事リンク
■またなし
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