【夕顔15-2】よく出る敬語の見分け問題☆
源氏物語イラスト訳のあいです
――――――――
今回の源氏物語
――――――――
「鍵を置きまどはしはべりて、いと不便なるわざなりや。もののあやめ見たまへ分くべき人もはべらぬわたりなれど、らうがはしき大路に立ちおはしまして」とかしこまり申す。
訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔15のイラスト訳はこちら
では今日も、一気に行ってみましょぉ~♪
ヽ(○・▽・○)ノ゙
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母は、光源氏の乳母でもありました。この乳母が病に臥して尼になったため、源氏は五条まで見舞いに出かけます。その時、ふと源氏は、わびしいたたずまいの隣家の白い花に目を向けました。
―――――――――――――――
出ました~☆ 敬語問題☆ ですよ~
―――――――――――――――
『源氏物語」イラスト訳で、
特に学んでほしいのは、
今回のような会話文中の敬語問題
まずは、問題から見てみましょ♪
「鍵を置きまどはしAはべりて、いと不便なるわざなりや。もののあやめ見Bたまへ分くべき人もCはべらぬわたりなれど、らうがはしき大路に立ちDおはしまして」とかしこまりE申す。
問)傍線部A~Eの敬語の説明として適当でないものを2つ選べ。
1.Aは、丁寧の補助動詞で、惟光から光源氏への敬意を表している。
2.Bは、尊敬の補助動詞で、惟光から光源氏への敬意を表している。
3.Cは、「あり」の丁寧語で、惟光から光源氏への敬意を表している。
4.Dは、「あり」の尊敬語で、惟光から光源氏への敬意を表している。
5.Eは、謙譲の補助動詞で、惟光から光源氏への敬意を表している。
ほんっと…ヘドが出ますよね~;;
(°Д°;≡°Д°;)
【動詞:ラ行変格活用】
①おそばに控える。お仕えする(「あり」の謙譲)
②あります。ございます(「あり」の丁寧)
②~です。ます。ございます(丁寧の補助動詞)
給ふ 【たまふ】
【動詞:ハ行四段活用】
①お与えになる。下さる(「与ふ」の尊敬)
②お~になる。~なさる(尊敬の補助動詞)
給ふ 【たまふ】
【動詞:ハ行下二段活用】
①いただく。頂戴する(「受く」の謙譲)
②お~させていただく(謙譲の補助動詞)
御座します 【おはします】
【動詞:ハ行四段活用】
①いらっしゃる(「あり」「行く」「来」の尊敬)
②~ていらっしゃる(尊敬の補助動詞)
申す 【まうす】
【動詞:サ行四段活用】
①申し上げる(「言ふ」の謙譲)
②~し申し上げる(謙譲の補助動詞)
*学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より
…って基本の敬語ですっ
せめてこれだけは頭に入れて置いてね~!
ヽ(;´ω`)ノ
ここで注意点は……
「たまふ」が四段か下二段かです!
。(;°皿°)
もののあやめ見Bたまへ分くべき人もCはべらぬわたりなれど…
2.Bは、尊敬の補助動詞で、惟光から光源氏への敬意を表している。
もちろん会話文中なので、
惟光⇒光源氏
という敬意方向は合ってます!
しかし、「たまへ」は、
直後の「分く」という用言に続くので、
連用形のはず。。。
ならば……
下二段活用⇒謙譲語になるはず!
( ゚0゚ )!
もののあやめ見Bたまへ分くべき人もCはべらぬわたりなれど…
2.Bは、尊敬(×)の補助動詞で、惟光から光源氏への敬意を表している。
「たまふ」は、
この活用による敬語の種類の見分けと、
「たまへり」の場合がよく問われますよ♪
( ̄ー☆
ーーーーーーーーーーーーーーー
「…らうがはしき大路に立ちDおはしまして」とかしこまりE申す。
5.Eは、謙譲の補助動詞で、惟光から光源氏への敬意を表している。
Dの「おはしまして」で、
惟光の会話文が終わっています。
…ということは、
【誰から】の敬意かについては、
Eは地の文に戻っているので、
惟光ではなく、作者からの敬意となるはずですね!
U。・x・)ノ !
「…らうがはしき大路に立ちDおはしまして」とかしこまりE申す。
5.Eは、謙譲の補助動詞で、惟光から(×)光源氏への敬意を表している。
解答…2・5