【帚木381-3】「あはれ」(名詞) | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木381-3】「あはれ」(名詞)

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ 

(ノ´▽`)ノ

 

帚木381のイラスト訳はこちら⇒

 

【今回の源氏物語】

いづこより取う出たまふ言の葉あらあはれ知らばかり情け情けしくのたまひ尽くすべかめれなほいとあさましき

 

【今回の古文単語】

■【例の】…いつものように

※【例(れい)】…いつも

※【の】…比喩の格助詞

■【いづこ】…どこ

■【より】…起点の格助詞

■【取う出(とうづ)】…取り出すダ行下二段

■【―たまふ】…尊敬の補助動詞

■【言の葉(ことのは)】…言葉

■【にかあらむ】…~であろうか

※【に】…断定の助動詞「なり」の連用形

※【か】…疑問の係助詞

※【あら】…ラ行変格活用動詞「あり」未然形

※【む】…推量の助動詞「む」の連体形

■【あはれ】…愛情

■【る】…自発の助動詞「る」の終止形

■【ばかり】…程度の副助詞

■【情け情けし】…思いやりが深い

■【のたまひ尽くす】…言葉を尽くしておっしゃる

※【のたまふ】…おっしゃる「言ふ」の尊敬

※【尽(つ)くす】…言葉を尽くす、出し尽くす

■【べかめり】…~に違いないようだ

※【べか】…推量の助動詞「べし」の連体形撥音便の無表記

※【めれ】…推定の助動詞「めり」の已然形

■【ど】…逆接の接続助詞

■【なほ】…そうはいってもやはり

■【いと】…とても

■【あさまし】…情けない

■【に】…順接確定条件の接続助詞

 

↑では、単語文法の説明をしています。

こちらの「重要古語一覧」もご参照ください。


 

今日は、「あはれ」についてです☆

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「あはれ」という言葉は、

古文でしょっちゅう出てくる重要古語です。

 

いちばん重要なのは、

あはれなり」というナリ活用形容動詞ですね。

 

これは、

 

あはれなり】(形容動詞)

①(基本の意味) しみじみと情趣深い

②(プラスイメージ) すばらしい、愛しい、かわいい

③(マイナスイメージ) かわいそうだ、悲しい、辛い

   アップ

文脈でプラスにもマイナスにもなるので、

入試頻出といえる古語です。

ヽ(゚◇゚ )ノ


あはれなり
 

形容動詞「あはれなり」についてはこちら→


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さらに、感動詞として「あはれ」☆

 

「ああ!」とか「まあ!」とかいう感動を表すのはもちろん、

 

「うぇ~」とか「うむむ…」とか、

「ふん」、「うふん」などなど、

さまざまな発語として用いられます。


横山光輝さんの漫画『三国志』では、

敵が意表を突いて攻めてきたら、

「げぇぇ!」って必ず言います^^;


感動詞「あはれ」についてはこちら→


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で、今回出てきた「あはれ」は、

名詞で用いられています。

【あはれ】(名詞

しみじみとした趣。しみじみとわき上がってくる気持ち

寂しさ。悲しさ

③愛情、人情、情け

 *学研全訳古語辞典より

 

もともと形容動詞の語幹なんですが、

 

そのニュアンスを名詞化したのが、これ。


 

しみじみとした情趣

   アップ

源氏物語にもよく出てくる、

胸がキュンと高鳴るようなこのニュアンスは、

名詞になっても健在です。

:*:・( ̄∀ ̄)・:*:


 

例の、いづこより取う出たまふ言の葉にかあらむ、あはれ知らるばかり、情け情けしくのたまひ尽くす…

   アップ

あはれ知らるばかり

 

光源氏の口説き文句は、

単に、言葉巧みなキメゼリフではなく、

 

あはれ」が自然と伝わるような、

愛情あふれる、胸が高鳴るような、

しみじみと心に響く言葉なんですね!


 

例の、いつくより

 


(o^-')b

 

イラスト訳を始めから読みたい人はこちらから→

本日の「源氏物語」~帚木381(原文)

いづこより取う出たまふ言の葉あらあはれ知らばかり情け情けしくのたまひ尽くすべかめれなほいとあさましき

 

 

本日の古語~過去記事リンク

例の
より  より②  より③

たまふ  たまふ②

こと(言・事・異・殊)

に(識別)

む(助動詞)  

あはれ

る(「る」意味の識別)

ばかり

なさけ(情け)

のたまふ

べかめり

撥音便の無表記

めり

ど・ども(接続助詞)

なほ

いと

あさまし

に(助詞)

 

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今日もご訪問ありがとうございました☆

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