【帚木93-②】「あはれ」「情け」の解釈☆
おはようございますあいです。
このイラスト解釈は、毎朝7時に更新しています。
初めての方は【これまでのあらすじ】から読んでネ♪
↓今日の源氏物語はコレ↓
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「…事が中に、なのめなるまじき人の後見の方は、もののあはれ知り過ぐし、はかなきついでの情けあり、…」
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【源氏物語~これまでのあらすじ】
桐壺帝の御子である光源氏は、臣下に降格してからも継母である藤壺宮を忘れられないでいました。ある五月雨の降る夏の夜、宮中の宿直所で、光源氏は頭中将(源氏の義兄)と、女性論の話になり、そこに友人の左馬頭、藤式部丞が加わって、さらに話は盛り上がります。「品定め」とは、身分を定めるという意味。頭中将は、女性の身分を3つに分け、その品定めをします。左馬頭は具体的な女性の話をします。
今日は、「あはれ」「情け」の解釈です☆
行ってみよ~♪
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この2つの単語は、単語集のなかでも重要古語と位置づけられていますよねっ☆
【あはれ】
①ああ
②しみじみとした情趣がある
③すばらしい、感心だ
④愛しい、かわいい
⑤気の毒だ、いたわしい
etc…
【情け(なさけ)】
①人情、思いやり、情け
②男女間の愛情、恋心
③物の情趣、風情
④物の情趣を解する心、風流心
etc…
語源は違いますが、どちらの語も、
「しみじみとした情趣」が基本の意味です。
φ(.. )
ここで注意してほしいのは、
古語の意味は、現代語よりも幅広い。
ということ(o^-')b
「あはれ」については、プラス・マイナス両方の意味になるということが、多くの参考書に出ていますので、受験生は、
「情け」についてはどぉでしょう(;゚;∀;゚;)
「情け」=風流
↑
と、覚えていませんか?
(`・0´・ ;)
たしかに、
「情け」が「風流」の意味で出てくることは多く、
現代の「情け(人情)」と区別するために、
こう覚えてしまうのも、一理あります。
しかし、
「情け」を「風流」とイコールでとらえてしまうと、どうでしょう;
「なのめなるまじき人の後見の方は、もののあはれ知り過ぐし、はかなきついでの情けあり…」の解釈として最も適当なものを選べ。
1.この上なく高貴な後見人の方は、こちらの経済事情も分かりすぎていて、ちょっとした機会があるたびに、贈り物など心遣いをしてくれること。
2.並々でない身分の娘を世話する人は、心の深い触れ合いを知っているので、そこはかとない物の情趣を解する心があるということ。
3.手抜きの出来ない夫の世話は、むやみに情趣にこだわりすぎて、日常のちょっとしたことにも、洒落た和歌を詠んでばかりいるということ。
「情け=風流」に引っ張られて、2を選んでしまいませんか?
(;゚;∀;゚;)
何度も書きますが、古文読解は、1つのポイントのみをヒントにしないこと。
今回の解答ポイントは、
●「なのめなるまじき人の後見」とは、誰の何をさすのか?
→並々でない人の面倒見。つまり、夫の世話のこと
●「もののあはれ」のここでの意味は?
→物事の情趣。ここでは男女間における情趣のこと
●「はかなきついでの情け」とは?
→ちょっとした機会の情趣を解する心。
具体的には歌を詠んだり、様々な心遣いをしたりすること。
この3つです☆
しかし。
選択肢の中に「和歌を詠む」など、具体的な古典の情趣を解する心が入っていても、
多くの受験生はそれと気づかず、ここで消去法を使ってしまいます;
(→o←)ゞ
「センター試験と違って、一般入試は、
消去法などに頼りすぎてはダメですよ!」
と言われるのは、そこなんですね^^;
正解は……3
(o^-')b
あいでした
※夕方5時ごろに、【本日の重要古語】を更新しますね♪