「困った」

そう言われたら
「困ったんだね」と
返してあげましょう。

相手の成長を
期待するなら。



「困った」と言うと
相手が考えて
あれこれ提案してくれる。

自分の状況を
相手が勝手に分析して
相手が勝手に対策を
考えてくれる。

「困った」と言えば
その「考える」を
自分が負担しなくて済む状況。

もし
「考える」という筋肉があるなら、
相手任せにしていると
その筋肉を使いません。

使わないので楽ですが、
鍛えられないため、
いざ使おうとしても
うまく使えません。

相手に負担させた方が
優れたアイデアが出てくるので
自然と相手への依存度が高まります。

こんな状況では
一人でできることが
限られていってしまいます。



そうして依存度が
高まっていくと
相手が「考える」を
せざるを得ないような状況を
作り出したりします。

その代表的なものが
暴力です。



私のことを考えろ。
私の今の状況を
より良くする提案をしろ。

しないなら、暴力するぞ。

そう脅せば
暴力されたくない相手は
従うでしょう。

しかし
相手より自分を優先しているため
共同体感覚は高まらず
感じるしあわせは増えません。

増えないどころか
相手との心理的な距離は
離れていくため
孤立感が高まります。

すると
自分を孤立させないように
暴力を使って
相手が離れられない状況に
しようとします。

そうして
相手より自分を優先し続けると
感じるしあわせは減ります。

なので
暴力がある状況では
物理的な距離を置くなど
まず暴力対策をする必要があります。

感じるしあわせを増やすのは
その後ですね。



「困った」と言う人は
何かやりたいことがある人です。

そのやりたいことを
実現する過程で
何かの困難を感じたから
そこで止まってしまったのでしょう。

その困難を
自分で克服しようとする人は
「困った」と言って終わりません。

今の自分に何ができるかを
考えて、行動に移します。



・何か良い方法がないか調べる
・何か良い方法がないか人に訊く
・手伝って、と助けを求める
など、行動を起こすでしょう。

「困った」と言うだけの人は
自分で「考える」の筋肉が
育っていないために
相手に依存的になっている人です。

その人の成長を期待するなら
その「考える」の筋肉を
使う機会を増やすことです。

相手に代わって
自分がやった方が
早くてすぐ済むようなことでも
それを相手の
「考える」の筋肉を使う機会に
提供し続けます。

「考える」を自分でする、を
続けて筋肉を使っていけば、
その筋肉は鍛えられていきます。

強度も増すでしょうし、
使い方も上達していくでしょう。

やがては「困った」と言うだけで
終わることは減っていきます。

自分で考えるようになる、
イコール、主体性が育ったわけです。



「困った」と言う人に
その「困ったこと」を
代わりにやってあげると
貢献感を感じられます。

その貢献感を感じたいために
自分にできそうなことを見ると
飛びつきたくなるときも
あります。

しかし、
それは相手の「考える」を
鍛える機会を奪うことに
なってしまうかもしれません。

飛びつく前に
「考える」の機会では?と
一旦とまって確認したいですね。

こうした確認は
自分より相手優先してるので
共同体感覚は高まりやすくなります。



「困った」と言う人には
「困ったんだね」と返しましょう。

そうすれば相手は
自分で考えます。

そんな相手が話す話を
聞いているうちに
相手は次に何をしてみたいか、
自然と出てきます。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。



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