22.残身まで開く力αはどれだけ大きくできるのか?
7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~で、会での力の釣り合いを式で表すと以下のようにとなると説明しました。
弓力=弓から骨格に加わる力+骨格を支える筋力+α(両腕を残身まで開く力)
このαをできるだけ大きくすることによって、鋭い大離れを生むことができるとも説明しました。しかし、このαの大きさは物理的な力の大きさだけではないのです。
えっ!物理的な力の大きさだけではない?何を言ってるのかさっぱりわからない、と思うことでしょう。今回は、このことを検証してみたいと思います。
<仮説13>
残身まで開く力αはどれだけ大きくできるのか?
<検証>
引き分けから会にはいった直後は勝手の腕は折りたたむ方向に力をかけてきているのでαはほぼ0に近いわけですから、力の釣り合いは以下のようになっています。
弓力=弓から骨格に加わる力+骨格を支える筋力(+α≒0)
伸び合いの説明では、会の状態を短距離走のスタートにたとえました。
短距離走のスタートでは、弓力のような負荷はかかっていないので、走り出そうとする力はまだ0です。(前傾するくらいの力はかけているかもしれませんが)しかし、スタートの合図で素早く走り出すことができます。
つまり、会でのαも、物理的には0以上であれば良いわけです。
しかし、残身へ向かう準備が出来ていなければ鋭い大離れは出せません。その準備とは、離れた後の残身への目標(ゴール)をイメージすることであって、その目標は、残身での勝手の位置であったり、目に見えている的の反対側にイメージした的であったり、無限の彼方と表現する方もいます。つまり、イメージする目標のあり方がαの大きさにもなるということなのです。
人の動作は脳がコントロールしているので、次に行う動作のプログラムを脳にインプットしておかなければなりません。それが、離れた後に目指す目標をイメージしていくということになります。
そういった意味では、会は無限の引き分けであるという表現も、物理的に間違っていないのかもしれません。
空き缶をゴミ箱に投げ入れる時のことを想像してみてください。空き缶の位置、重さ、ゴミ箱までの距離を目測し、空き缶がゴミ箱に入いるイメージをして、投げる速さ、高さ、力の強さを判断して投げ入れる。例えは悪いかもしれませんが、そう言った人の動作をコントロールするイメージなのです。
<まとめ>
残身まで開く力αは、物理的には0以上であれば良い。
しかし、絶対に不可欠なことは、会のスタートラインから残身へ向かう目標のイメージを作ることであって、会で物理的に力を入れるということだけではないということ。人それぞれの大きさがあって、無限の彼方まで大きくすることも可能だということです。
次回は、集中力、モチベーションを下げない練習方法はないのか?を予定します。的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。