4.離れについて
概ね、弓道の離れは以下の3つのパターンに分けられます。
①手を「開いて」離す。
②手の力を「緩めて」離す。
③取り懸けを「解いて」離れる。
もっとも多く見られるのは、①です。
残身で手が開くのですぐ解ります。私も長い間、この離し方しかできていなかった。
②はたまに見かけます。
アーチェリーに近い離し方なので、的中が出る場合もありますが、離れで押し手の手首が上がったり、肘が緩んだり、頭や手を弦ではらったりすることが多いようです。
全身に力を入れている状態で、指先だけ力を抜くということはなかなか難しく、どこかに同じように力が抜ける部分が出て、悪影響が出ます。
残身への繋がりも無くなります。
①②は無理矢理離す動作を行うため、勝手がブレずに離すことが難しくなります。しかも、「離す」であって「離れ」ではありません。
離れは、カケの構造や取り懸け方を上手く利用して取り懸けを解く、③でなければならないのです。
会から残身が繋がっている離れは、会での力を途切れさせることのない③でなければ実現できないし、③でなければ、ブレのない安定した的中を出すこともできません。
離れを、難しく考えることはありません。魔法でも神技でも無いのです。
反射的な運動と誤解している人もいるようですが(そういった人が早気になりやすいのだと思いますが)、「離す」は人が行う一次的な動作で、「離れる」は人が行う作用の先に、二次的に起こる現象なだけなのです。
つまり、取り懸けを解けるよう力を作用させるのが、人が行う一次的な動作で、その作用の先に、二次的に取り懸けが解けて「離れ」になる。ただそれだけなのです。
難しい技でもなんでもなく、指パッチンができる人なら、考え方を理解するだけでできることです。
こんなことは、めったに教えてもらえることではないと思います。後で細かく説明していきたいと思います。
2.的中のための取り懸けについて(三つガケの場合)で説明したことを出来ていることが大前提になりますので、まずは「的中のための取り懸けの方法」を身につけてください。
自転車に一度乗れるようになれば、いつまでも乗れるように、「③取り懸けを「解いて」離れる」が身につけば、的中が出せなくなることは無くなってきます。
次回は、手を開いて(緩めて)離すことの弊害について を予定しています。
的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしております。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。