34.かけほどきを身につけよう
部活の中止や弓道場の臨時休館で稽古が出来ない。こんな時には、イメージトレーニングをやってみましょう。
まずは、自分の射を撮ったビデオを見て修正すべき部分を指摘して、治った自分を想像していくことは、モチベーションも上がって有効だと思います。
そして、この機会にぜひ、手を開く「離す」から取り懸けを解いて「離れる」かけほどきを身につけて、自分の射のレベルアップに踏みだしてみてはどうでしょうか。
そこで今回は、かけほどきのイメージトレーニングの方法を紹介したいと思います。
かけほどきについては以下のページを参考にしてください。
さらに、かけほどきは、32.的中率を上げるためにやれることで説明するかどうかを最後まで迷った、2番目に相関の高い因子であることを、強調しておきたいと思います。
<仮説25>
かけほどきを身につけるには、イメージトレーニングが大切です。
<検証>
先ずは、3Dプリンターで作製したカケホド規を使った離れのシミュレーションの様子を紹介します。
これがカケホド規です。
肩でひねりを受け止め、弦部分で親指を押すようにして、取り懸けを解くという感覚を生み出せます。素手でやるとこんな感じです。
カケを着けてもできます。
ゴム弓との併用でもできます。
手を開いていないので、カケホド規は飛び出ません。
(万が一のためにWiiリモコンのストラップを付けています)
このように、離れという現象のシミュレーションができることが解ります。
ちなみに、ゴム弓での練習では、どうしても手を開いて離す練習になってしまいます。
カケホド規が無くても、11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くかで紹介したように、ペンや矢、弓の素引きでもシミュレーションすることができます。
この時、ペンや矢、弓を左手で支えて、右肘で張りをかけながらひねりをかけて、取り懸けを解くことで、32.的中率を上げるためにやれることで紹介した「肘で矢軸線方向に張る精度を高めて、会のままの離れを導く」感覚を実感することができるでしょう。まさに一石二鳥です。
ペンや矢を使ってやってみます。
ペンや矢が手元にない場合は、自分の左手の人差し指でもOKです。
弓の素引きでやってみます。
このようなシミュレーションを継続して感覚を身につけ、的前に立って再現していくことで、取り懸けを解く離れができるようになる瞬間が訪れます。補助輪を外して自転車に乗れるようになるときのような、あの感じです。
さらに、補足しておきます。(ここは重要です!)
弦ひねりの方向は親指中心として離れのブレを最小とすることが大切です。人差し指で弦を押し、弦を介して親指を前に押し出す方向になることです。
ちなみに、弦ひねりを効かせない場合には、3つの指を開く方向に働く力が無いので、弦は引っ掛かるだけです。手を開かないと離せないのは、当然なことなのです。
離れで引っ掛かるという感覚は、離す瞬間に、このような状態になっているからだと思われます。
<まとめ>
かけほどきはシミュレーションを行うことで身につきます。
さらに、右肘で張りをかけながらひねりをかけて、取り懸けを解くことで、32.的中率を上げるためにやれることで紹介した「肘で矢軸線方向に張る精度を高めて、会のままの離れを導く」感覚も身につけることができます。
このページを読んで実行した方は、従来なら5年ほどはかかる鍛練をワープすることになるでしょう。弓道場の臨時休館期間が終わったら、さあ実践です。
次回は、35.(続)夏の暑さから弓を守るにはを予定します。
的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。
もくじ
37.的中を維持するには、お風呂でエクササイズという手がある