明治維新についての考察-明治維新とは美化されすぎているのか- | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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一般的な明治維新のイメージ

 私もかなり一般的なイメージを持っていると思うのですが、大まかに述べますと以下の様なものです。

 幕末の維新志士たちの倒幕、尊皇攘夷の運動により江戸は無血開城され、その後に戊辰戦争などの内戦は発生したものの、明治政府は日本に民主制を導入し、開国し、近代国家化を推し進めた。民主主義国家日本誕生の瞬間である。

 だいたいこんな感じでしょう。しかしですね・・・現在原田伊織氏の著作「明治維新という過ち」を読んでおります。きのう買ったばかりなんですけどね(笑)

 まあ、その前に佐藤健志氏の「僕たちは戦後史を知らない」を読了しました。これもきのう買ったばかりなのですが、一気呵成に読んでしまいました。これはまたそのうちレビューを書くとして(他にもレビューを書きたい本がいくつかあるのですが、それは置いておいて・・・)

 

 原田伊織氏の明治維新という過ちという著書は、なかなかに一般的なイメージとは違う指摘を様々なところでしております。

 例えば尊皇攘夷を掲げたはずの長州藩士がなぜ、天皇の御所を銃撃したのだ!あんな奴らは維新志士なんぞではなく、単なるテロリストだこの野郎!といった具合です(ここまで口汚くないですが)

 しかし言われてみればその通り。尊皇を掲げながら、御所を攻撃するなんぞ正気の沙汰ではありませんな。

 

 さらに面白い指摘は当時の孝明天皇も尊皇佐幕派であり、そして江戸幕府や藩主の殆どがそうであった、という主張です。尊皇とは天皇を敬い、佐幕とは幕府を助けるという話になります。

 ついでに一般的には「明治維新が起こってから、日本は開国した」と思われがちですが、じつは明治維新の20年も前に開国していて、それは当然江戸幕府の時代でございますので、司馬史観のように「開国」を重視するならば明治維新という暴力革命、もしくはクーデターは意味がなかったという話になります。

 幕府が開国していたので尊皇攘夷vs開国派というような「単純な図式」ではなく、尊皇佐幕派にも開国派がたくさんいたし、むしろ長州藩はイギリスに戦争をふっかけているわけですから、明治維新で明治政府が開国して日本は開明的な国家になったというストーリーは成り立ちません。

 この点は注意が必要で、明治維新に意義を見出そうとするのならば、開国以外のところに目をつけねばならないでしょう。

江戸幕府で近代化は可能であったか?

 幕末には公武合体論が割りと主流であったそうです。簡単にいえば幕府と朝廷の関係を強化して、幕藩体制の再編や強化を目指すものであったそうです。

 保守主義的な観点から言えば、江戸幕府という300年近く続いた体制の漸進的な改善というわけで、これは支持されるものであろうと思うのです。

 また当時の孝明天皇は大政委任論者でしたし、そもそも朝廷には当時、政治を司るような官僚体制というものはありませんでしたから、穏健かつ自然な主張のようにも思えます。

 

 しかし一概に公武合体論の江戸幕府でも近代化が可能であったかどうか?と言われると、やや疑問の余地があります。

 

 というのも、当時の幕府は弱体化していたであろうというのが1点。そのなかで中央集権的な国家を再編することが可能であったのかどうか?主に長州にテロを許している時点で、相当に軍事的に弱体化していたのは疑いがないでしょう。(とは言っても、戊辰戦争のときに、旧幕府軍のほうが最新式の銃を使っていたようですが)

 

 2点目は果たして徳川幕府が国民皆兵の民主制に移行できたのかどうか?という点です。こればかりはifの話に過ぎますので、どうにも予測はできません。

 そして論じるべきは経路依存性でしょう。徳川幕府は300年近く続いてきたわけですから、おそらく変革するにしても明治政府よりは時間がかかったであろうと思われます。

 しかしその分、日本の古き良き文化、伝統を西洋化せずに済んだかもしれません。また原田伊織氏が指摘するように、大東亜戦争に突入しなかった可能性が高いかもしれない。

(原田伊織氏によると、気狂い長州の陸軍閥が大東亜戦争の大きな原因なんだとか。・・・言われてみれば・・・(笑))

 

 おそらく公武合体がなされ、江戸幕府のもとで緩やかな近代化が出来たのだとしたら、現在の日本の姿は全く違うものになっていたことでしょう。

明治維新と現代日本の罪

 歴史は基本的に良い部分もあれば、その裏には凄惨で悪い部分もつきものです。良い部分だけを拾い集めて”美化”するのは間違いなく、歴史を学ぶ者にとっては「ダメなこと」と言えます。

 ま、大河ドラマなどで面白くする分には、全くかまわないのですけれどもね。

 

 そして我が国日本では明治維新はどうも、完全なる善として語られる風潮が強いように感じますし、またそれは私自身が抱いていたイメージもそれでしたので、深く反省するところです。

 原田伊織氏はこの風潮について「薩長の官軍教育」と断言して論を進めるあたり、一般的な明治維新のイメージをお持ちの方からすると「えぇぇぇぇ?!」と思われるのは間違いない。

 

 私はそれが「官軍教育の成果」ではなく、近代化を疑うことなく受け入れ、そして民主主義を絶対善とする「近代の進歩的概念」から来ていると考えます。まぁ・・・その割に私も明治維新を美化していた節はあるのですけどね、けどね!(汗)

 

 一応弁明しておきますと、明治維新がどのような思想で行われたのか?については、私自身は原田氏の著書を読んで自信がなくなり、精査が必要になっております。

 もしかしたら薩長の権力闘争によるクーデターという側面のほうが強いかもしれない(!)のです。まだ判断できませんけど。

 

 そして冒頭に佐藤健志氏の「僕たちは戦後史を知らない」をなぜ出したのか?佐藤健志氏は著書のなかでこう述べております。

 歴史は様々な出来事によって構成される。しかし、たんなる出来事の羅列を「歴史」とみなすことはできない。人間とは、個人のレベルであれ、国や社会全体のレベルであれ、自分のあり方に一貫した筋を通したがる存在なのだ。

 ゆえに歴史が「歴史」となるには、それらの出来事が、論理的な因果関係、あるいは「必然性の流れ」とも呼ぶべきものによってつながっていなければならない。

 そして歴史とは「都合の良い事柄、情報だけを拾って組み立てるものではない」のです。それをした瞬間にネトウヨ、もしくはサヨクと同レベルに落ちるのは明白なのです(絶対イヤやぁぁぁあ!!!)

 そして都合の良い情報だけを拾い上げた歴史観に、何の教訓が得られるというのでしょうか。

 

 佐藤健志氏が「僕たちは戦後史を知らない」と書いたように、私達はじつは日本の近代化の原点である明治維新すら知らないかもしれないのです。

 過去を知らない国家が、現在を規定できるはずもなく、そして未来に向かえるはずもないのは明白です。

 

 ということで、明日からはしばらく歴史についてあれこれ書こうかと思います。特に近代について。えぇ、じつは私は政治、経済、軍事より歴史のほうが本来は好きなのです(笑)

※好きであることと、博識であることは必ずしも一致しません(汗)

 

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本日の男の料理 鯛のアクアパッツァ

 今日は近代化にちなんでイタリアン(笑)アクアパッツァ美味しいよ~。

材料

  • 鶏胸肉
  • アサリ(ムール貝でもハマグリでもOK)
  • ミニトマト
  • カイワレ
  • にんにく
  • オリーブオイル
  • 白ワイン

調理手順

  1. 鯛は鱗を取っておきます。フライパンにオリーブオイルをしいて熱して、鯛、薄切りのにんにくを投入。鯛は両面に焼き色を付けます。
  2. ミニトマト、アサリ、白ワイン、塩を入れて中火で蓋をして10分程度蒸し焼きにします。
  3. 最後にカイワレを散らして出来上がり!

 トマトは半分にカットして、出汁が出るようにしておいてください。アサリ、トマトの出汁が出て旨いのなんの。

 カイワレの代わりにバジル、イタリアンパセリなどでやるとオシャレですよっと。

 

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