門前小僧、習わぬ今日を読む

門前小僧、習わぬ今日を読む

反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
アイコン,ロゴ画面はイラストレーターtakaさんより。
takaさんの詳細情報はブログ画面にて。

 アメリカのコロナ給付金とベーシックインカムの違いは、アメリカの給付金が失業給付と併せて賃金以上の収入を得られるために、働くか失業したままにするかと言う選択を強制されるのに対して、ベーシックインカムは働かないよりは働いた方が可処分所得が増えるという点にある。

 

 ベーシックインカムは働いてても働かなくても所得が得られる。例えば月30万ベーシックインカムでもらえるとしても、子育てとか何か他にやることがある人でもなければ、低賃金だからといって仕事を辞める人が増えるとは限らない。
 例え低賃金でも、働けばその分所得は増えるから。

 

 むしろベーシックインカムもらってる分、労働者側に賃上げへの渇望が少なくなるから、低賃金でも働く人が増える可能性まである。
 仕事が楽で好きなときに働けるとか、そういう条件を付ければ、ベーシックインカム分カネに執着のなくなった人をいくらでも集められる。

 

 当然、責任があったり他の仕事よりも業務負担が大きい役職や仕事をしてる、企業にとって辞められちゃ困る人の給料は上がる可能性がある。
 それも、替えが利く仕事をしてる人の賃金カットすればそのコストは十分出る。
 業務負担を複数人に分散する手もあるし、企業のコストはいずれにせよ削れる。

 

 ベーシックインカムは企業が支払う多数派労働者の賃金を全体的に削減して、浮いた人件費を特定の役職や仕事をしている人に付け替え、余った分は利益に回せるという“合理的”な経営を可能にする、国から企業への補助金的な役割を果たす。
 当然、今以上に賃金格差も広がる。

 

 AI技術というのは基本的に労働の無人化というよりも労務負担の軽減という目的に利用されるし、しばらくはそういう方向性で技術革新も進む。当然それは“替えが利く労働”を増やし、低賃金化、低コスト化に繋がっていく。
 要するに、AIもBIもコストカットという側面で相互に作用して効果を最大化する。

 

 何よりも、役に立たないと企業が判断するような人を、労働市場から締め出す効果もある。
 「金やるからこっち来んな」というわけだ。


 そういう意味では、今現在問題になっている共同体崩壊、孤立社会を一層深刻化し、団結を阻んで実質的な国民主権を弱体化させる可能性は十分にある。

 

 社会保障をカットするベーシックインカムだろうと、社会保障を維持するBIだろうと、本質的にはどちらも同じ企業のコストカット効果や個人の孤立を深める効果があることに変わりは無い。


 保守でベーシックインカム支持とかまずあり得ない発想であり、そういう自称保守はまず似非だと思って間違いない。