ほのぼの問題作!
でも、結婚を恐れないで!
婚活カウンセラーが選ぶ、結婚がわかる100冊シリーズ
36冊目
「オリーブの実るころ」 中島京子
ワケありな結婚をテーマにした6つの短編小説集です。
そのなかの「ガリップ」を紹介しますが、「取扱注意」です。
≪あらすじ≫
職場の男性といい雰囲気になった主人公は、その男性の家に遊びに行く。
すると、そこには野生の白鳥がいた。
ケガをしていた白鳥を保護したのをきっかけに、家族として一緒に住んでいるという。
ふたりは結婚し、白鳥の「ガリップ」との共同生活が始まるのだが……。
知ってしまった。わたしの恐ろしい本音
「ガリップ」はほのぼのとした調子で描かれていて、怖い話ではありません。
わたしはとにかくガリップが気に入らなくてイライラしました。
ふたりの初デートをガリップが見ていたとか、主人公に嫉妬心をむき出しにしているところとか、ほんとに無理。
ふたりが住んでいる場所はすんごい田舎で、野生の白鳥を飼っていてもバレず、渡り鳥であるはずの白鳥が居ついている状態です。
主人公はガリップとうまく付き合おうと試行錯誤しながら生活を送りますが、「ある事件」が起こります。
もしも、自分が主人公の立場だったらと想像しました。
匿名で行政機関に連絡し、ガリップを保護してもらいます。
「寂しいけれど仕方ないね」と夫と言いながら、その秘密を墓場まで持っていくでしょう。
……って、ここまで考えてぞっとしました。
自分の考えに。
これが野生の白鳥ではなく、夫が自分と出会う前から飼っていた犬や猫だったら?
これが人間だったら?
なぜ、夫に黙っておくんだろう?
夫は自分と出会う前から一緒にいる「家族」を捨てるようなことはしないだろう。と思うから。
結婚するってことは、その人そのものを愛する、受け入れるということ。
その人は家族とともに生きてきたわけだし、あとからやってきたわたしはその人を家族ごと受け入れなければならない。
そう自分が思っていることがわかって、またぞぞぞっとしました。
怖い本音の受け入れ方とは?
結婚生活っていろいろな出来事があり、そのたびに考えも変わるし、夫婦としての歴史も長くなっていくから、最初のころとは考え方や関係性が変わっていくものだと思います。
だから、「わたしとガリップ、どちらかを選んで!」と迫るのは極端な発想で、そもそも、どちらかを選択をする必要はないのかもしれません。
「夫は変わらない」と決めつけているから、黙って行動しようとしているわけですが、
夫にとって大事なのが「家族」であって、配偶者が大事じゃないなら、なんで結婚したのかって話で。
ふたりで話し合って、ガリップをどうするかよりも、まずは気持ちを話して、知ってもらうのがいいのかな、と。
それによって、自分の気持ちも変わるかもしれないし。
結婚生活で思ったこと、感じたことは、そのときにすべて相手に伝えなきゃいけないわけではなくて
今、わたしはこう思っているんだな。
と、自分の気持ちを知って、「そんな考えはダメだよ」と即座に否定せず、「ふんふん、そう思っているんだね」といったん受け入れるのがいいかなって思います。
受け入れることが「大事」というか、無意識的に思っていたことをちゃんと目をこらして見てみよう、という感じです。
自分の気持ちって、自分でもわかっていないことがあります。
ちゃんと見ないままでいると、なんかモヤモヤしたり、体調崩したりしますよね。わたしはそうです。
それが「良い子の考え」であれ、「『ひどい』って言われそうな考え」であれ、「わかってよかった」と思うことにしています。
そんな自分の本音にぞっとしながら、主人公の「答え」が知りたくて、読み進めました。
「ふぅん……。そんな感じなのかもしれないな」というのが感想です。
結婚の数だけ正解がある(感想)
それぞれの物語は、登場人物の年齢も性別も、結婚に至ったいきさつも、
「結婚とはこうも違うものか」と思わされます。
SNSで流れてくる誰かの生活と自分を比べるのがバカバカしくな
人の数だけ結婚がある。
当たり前かもしれないけれど、それを再確認できました。
それぞれの物語をひと言で表すなら
「家猫」……結婚って相性があるよね
「ローゼンブルクで恋をして」……人生最後の恋かと思いきや!
「川端康成が死んだ日」……「人」として生きるには
「ガリップ」……わたしだったら無理!
「オリーブの実るころ」……人に歴史あり
「春成と冴子とファンさん」……型にはまらない家族
です。
「家猫」は、以前紹介した「黒い結婚 白い結婚」にも収録されています。
胸糞のちスッキリって感じの話です。
どんな人を選べば幸せな結婚ができるのか。
婚活女子が知りたい答え、第2位じゃないでしょうか?
(第1位は、どこで出会えるのか?です)
選ぶ相手でずいぶんと人生が変わるので、大事なことです。
この6つの物語の中でも、「この人を選ばなかったら、
だけど……。
これらの物語は、それぞれの
人の数だけ結婚があるから、先のことは心配しても仕方がないよって。
人から見たら不幸せな時期もあるかもしれないけど、
結婚って、人生ってそういうものかもしれないね。
と、教えてくれるような小説でした。
婚活カウンセラーが選ぶ、結婚がわかる100冊
1.この人と結婚するかも
2.スパルタ婚活塾
3.消滅世界
4.私たちがプロポーズされないのには101の理由があってだな
5.夏休み
6.怒り
9.愛する人に。 △
16.かわいい夫 ♡
33.くらやみガールズトーク ※取扱注意
♡=幸せ・喜び
△=ややビター
無印=ダーク
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(ミステリー多め)
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