人生とは、何歳までが親のもので、いつから自分のものになるのだろう?
婚活カウンセラーが選ぶ、結婚がわかる100冊シリーズ。
23冊目
ファーストラヴ 島本 理生
第159回直木賞受賞作
あらすじ
女子アナ志望の美人大学生が、アナウンサー試験の後に父親を刺殺するというセンセーショナルな事件が起こった。
容疑者である環菜は、「動機はそちらで見つけてください」と警察に話す。
臨床心理士の視点から環菜の本を書くため、主人公の由紀は環菜に会う。
環菜の弁護を引き受けたのは、由紀の夫の弟であり、大学時代の同級生の迦葉(かしょう)。
由紀と迦葉は環菜が何か隠していると感じ・・・・・・。
「由紀と迦葉にはなにかある」と、由紀の小学生の息子でも感じるほどの空気がふたりの間にあります。
元カレ、元カノといった単純なものでもなさそうで、本筋とは別のふたりの過去が気になって仕方ありませんでした。
「自分」がわからなくて戸惑う環菜と由紀の対話により、事件の真相が明らかになっていきます。
それと同時に、由紀の過去に起こった出来事、迦葉の生い立ち、そしてふたりの過去もわかっていきます。
過去と現在を織り交ぜながら進んでいく物語は、リアリティーがあると思いました。
誰だって「今」を生きているけれど、それは過去から続いているものだから。
育った環境や親の教育が特殊なものではなくても、子どもが親から受ける影響は大きいものです。
その影響は結婚や婚活にもあらわれ、結婚を望んでいても不安を感じている婚活中の男女はたくさんいます。
両親の仲が悪かったから、自分には幸せな家庭は築けないんじゃないか。
親を反面教師にしたいけど、結局は自分も同じになりそう。
自分には家庭を持つのが向いていないと思う。
ちゃんと子育てができる気がしない。
こういった悩みを持つのは、人生を親のせいにしているからではありません。
自分の人生の課題として取り組んでいるから悩むのです。
環菜や由紀、迦葉も、家族が原因で心の闇を抱えることになったけれど、自分の足で立とうとしています。
その姿はたくましく、読んでいてとても勇気づけられました。
それから、現在(35歳)の由紀と大学時代の雰囲気がまったく違ったことにおどろきました。
わたしがそんな風に想像しているだけかもしれませんが、迦葉の兄・我聞と結婚したことで、由紀は安心できたのだと思います。
落ち着いていて、理性的だけど冷たい感じがしないというのが現在の由紀の印象です。
それに比べて、迦葉と由紀のやりとりは不安定で、お互いにピリピリしています。
たとえ相手を傷つけても、それで自分も傷つくことになっても、こちらを見てほしい。忘れないでほしい。
それが恋愛と結婚の違いなのかな。
過去との付き合い方、そして過去を背負ったまま現在を生きるためにはどうすればいいのか。それがわかる物語でした。
おうち時間のおともに☆
婚活カウンセラーが選ぶ、結婚がわかる100冊
1.この人と結婚するかも
2.スパルタ婚活塾
3.消滅世界
4.私たちがプロポーズされないのには101の理由があってだな
5.夏休み
6.怒り
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感度高め女子のライフスタイルメディア「ウラスピナビ」で恋愛心理コラムを270本以上書いています!(隔週月曜更新)
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