夫婦だからこそ、言えないこともあるよね。
なんて言っていたら、えらい目にあうかもしれない。
婚活カウンセラーが選ぶ、結婚がわかる１００冊シリーズ。
３０冊目
紙婚式 山本文緒
電子書籍
表題作「紙婚式」を含む、結婚（夫婦）をテーマにした短編集です。
いろんな夫婦が出てきて、最初に読んだときは自分とはまったく違う夫婦ばかりだと思っていましたが･･････
１つ目の「土下座」の妻に似ているところがあるかもと、ぎくりとしました。
【あらすじ】
ずっと好きだった理想の女性と結婚したものの、ちょっとした出来事がきっかけで、夫と妻の関係がギクシャクし始める。
表面上は問題がないように見えるけれど、妻は夫に小さな嫌がらせをして、それを隠そうともしない。
夫は妻に問いただすこともせず、次第にふたりとも疲れていく。
そしてあるとき夫は知る。初対面のときから妻が優しくしてくれたのは、その切り札をいざというときに使いたいからなのだ、と。
この冷戦に勝つのはどちらか？
「土下座」の妻のように、夫の定期券をテレフォンカードにすり替えて、その定期券を切り刻んで夫が発見するようにゴミ箱に捨てるといった陰湿な嫌がらせはしませんが･･････。
自分から言ったら、悪者になった気分になるから、気持ちを察してよ！！
自分がどうしたいのか、なにが本音なのか、わたし自身ですらわからないけど、それも含めてどうにかしてほしい！！
そう思ったことが、わたしにもありました。
でも結局、自分でも本心がよくわからないので、夫にわかってもらえるはずがなく、険悪なムードになりました。
「自分で自分の機嫌をとる」という表現があります。
自分がどんなことをすれば、相手がどんなふうに行動してくれれば、自分の機嫌が良くなるのかわかっていてはじめてできることです。
わたしはこうしたい。あなたにはこうしてほしい。
そう具体的に言えれば、夫婦の関係は良くなるはずなのです。
「紙婚式」に収録されている短編には
夫婦間のコミュニケーションは大事。
それはわかってる。
でも、夫婦だからこそ言えないこともある。
って、話さずにいたら恐ろしいことになるよ。
という共通のメッセージがあります。
ある物語ではコミュニケーションをとらないまま結婚生活が進んでいき、ある物語では今まで本音を話さなかったけれど勇気を出したことで関係が変わっていきます。
婚活や恋愛で、「好きな人に思っていることが言えない」という人は多いです。
優しくて、自分よりも相手の気持ちを思いやる人だからこその悩みです。
だけど、「どうせ相手に伝えないから」と自分の本心を見ないようにしていると、本当はどうしたいのかがわからなくなってしまいます。
この短編集は良い話ばかりではなくて、結婚が怖くなるような話もあるけれど、所詮は他人の話です。
「こんなとき、自分だったらどうするだろう？」
「この人は、どうしてこんな行動をとるんだろう？」
そんなふうに誰かの結婚生活を通して考えることで、自分の本音に気づけるかもしれません。
婚活カウンセラーが選ぶ、結婚がわかる１００冊
１．この人と結婚するかも
２．スパルタ婚活塾
３．消滅世界
４．私たちがプロポーズされないのには１０１の理由があってだな
５．夏休み
６．怒り
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