ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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※ないものねだりこそ開発の原点だ※ 
※すべてのマイクロホンは発展途上の音響デバイスだ※
※「常識」は思考停止へのブレーキです※
※百の議論より一つの事実※







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Memsマイクの最高峰 IM73A135V01使用ProbeⅡinf Lz 及びZOOM F3向けL-73Amems 、Probe-T inf などご相談ください。
秋月電子のパナソニック純正「WM-61A」の使用のFetⅡ、LzⅡbなどご相談ください。
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管理人Shinは知財保護において個人による「特許」のようなものを好まず、「全公開」を旨とします。(巻末詳細)

 

 

 

 

 

 

新年おめでとうございます

 

みなさまにとって佳き年となりますよう

お祈りしております。

 

 

ブログ開設17年目

「未知」を「既知」にして、発想の転換と心の持ち方次第で手づくりマイクは世界の名機と並ぶことができる。それを事実をもってお伝えすることはこのサイトの一つの柱です。

手探りの結果ではありますがこれからも一層精進してまいります。

 

 

 

 TODAY'S
 
基本姿勢

 
美しい音は美しいかたちを求めます。
そして「美しいマイクロホンは美しい音に同調する」という事実を経験上身に着けてきました。「オカルト」とは言い難いマイクロホンや楽器の鉄則であり物理的には説明不可能かもしれません。
 
であっても「姿かたちはマイクの命」これは事実です。
そして音と音楽に対する「考え方」こそが結果のすべてを決めます。
 
 
 
 
 

 

(2026年の目標)

 

 
1. MEMS型単一指向性マイクの追求
 
これまで実験・試作してきた方式は①複合指向性方式、②圧力傾度(勾配)方式、③仮想圧力傾度方式です。これらのグレードアップと技術的整理、そして発想の転換が必要な時期、という認識です。
 
これには「ビームフォーミング」という安易なデジタル方式に走らず、あくまでも「アナログ」領域の完成度こそがマイクロホンとしての本質的な価値を決めると考えます。
 
豊かな音楽表現を考えていくと、リボンマイクの「figure eight」とのコラボは欠かせない条件ではないか、と考えています。
「音楽と発音表現とに寄り添った」MEMS型単一指向性の決定打となることを信じて。
 
 
 
 
 
2. リボンマイクの現在・過去・未来
年末、7年ぶりにその最高位といえるRCA77DXのリボン張替におこない、続けてRCA 77DやAIWAを含むレストアを一気に4~5本行なう機会がありました。
 
安心感のある豊かな音とそこから生まれるエスプリサウンドこそがリボンマイクの本懐、他方式ではマネのできない音世界がそこにあることを再体験しながら考えています。
 
 
試聴 RCA 77DXリボン張替後音声 をお聴きいただけます。
 
 
私はここ5~6年、MEMSマイクの一般マイク実用化を中心にシフトした為、それ以外のマイク方式に対する消極姿勢、そしてリボン張替に対する恐怖感という私の年齢的な障壁をみずから作っていたと反省しています、まだやれる。
 
厚さ1.5μ(1/555mm)箔の手作業による成形・実装・調整の高難易度を恐れていたが問題なくすべて完成しました。
しかしそれは、MEMS同様にすべて裸眼作業なので不思議だが、むしろ以前より遥かに短時間で張替・調整も完了した。
 
天性なのか、神が助けてくれているのか、今の自分になぜそれができるのか、それが分からない。「できる」と思えばできて、「ダメだ」と思えば駄目になる、そんな単純な理屈なのかもしれない。
 
現在さらに世界最薄「COLES 4038」を超える0.58μ(580ナノm)、これは1/1722mm(金箔レベル)となりますが試作を実現しました。
 
 
❤ リボンマイクを扱う秘訣があります。
恐怖・恐怖感はあらゆる可能性を「没」にしてしまう刃(やいば)。
それは多くの場合、自分に対する甘えであり精神的リミッターです。
リボンマイクを直すとき、リボンを張るとき、最も必要なのは、このリミッターを外す「勇気」でしょう。
「できる」と思えばでき、「ダメだ」と思えば駄目になるのはその時の心模様にあり、至極当然です。
 
好ましくない結果なら再挑戦すればいいのです、それは「失敗」ではなく「成功」への過程ですから。

 
 
 
 
3.音楽道具としてのマイク   
MEMSマイク、超小型ECMカプセル共にSN比が向上したものが普及している。しかしスペックとしての「SNR 80dB」だけなら実態を確かめるまではただのカタログ、そこから先が大切。マイクロホンは唯一音楽と直接向き合う道具だからです。
 
「MEMSマイクの一般マイク実用化」に取り組み始めた2015年、
「無味乾燥なマイク」は「陥りやすい自作マイクの敵」を掟と決め、ずっとそれを守り続けております。その最重要なのは「音穴」の方向です。
 
 
そして楽器作りをおこなう向き合い方こそがマイク作りの一義的な姿勢だと認識しています。
 
 
 

・「未知」は一歩足をふみだせばその数倍「既知」に近づきます。

 

・「天国・楽園」の入り口は地獄の裏庭にしかありません。

 

 

 

 

 

 

 

(資料)マイクロホン専門の貴重なサイト

 

S.0. Coutant様、ulioidle at gmail様、上行工房 様、には心からお礼申し上げます。

 

いずれも資料的価値の高い珍しい貴重なサイトです
 

 

 

1.「microphones」 S.0. Coutant氏の運営するサイト

世界のオールドマイクを中心とした「マイクロホンバイブル」的貴重なサイト

 

 

 

 

2.「microporium」 ulioidle at gmailさんの運営するサイト

オールドコンデンサマイク中心に世界120本以上の有名マイクの回路図オリジナル資料が豊富・貴重です。

 

 

 

3.「アイワ博物館」上行工房 様の運営するサイト

マイクのコーナーはほぼすべてのAIWA製歴史的マイクの詳細が公開されています。

 

 

 

 

 

皆さま、ご一緒にマイクロホンを学びましょう

今年もよろしくお願いいたします

 

ShinさんのPA工作室      管理人 Shin

 

 

 

 

 

本記事の無断ネット盗用は犯罪です。

無断盗用の無法者YOUTUBE  の(H県K市H氏)による当サイトの利用は永久厳禁です。

 

 

虹 おしらせ

MEMSマイク使用、話題のProbeⅡ Probe-T  L-730mems など、読者のみなさまからのご注文により優秀機種の手づくり製作・領布を承っておりますのでお問い合わせください

またFetⅡなど純正WM-61Aのファンタム式パナ改マイクも継続中です。

 

モノ作り日本もっと気出せ 

 

ShinさんのPA工作室

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【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

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Shinさん独特のこだわりと非常識をもって音響の世界を刺激してまいります。

 

ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします

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   ことしをふりかえって (2025年)

 

 

今年もこの季節を迎えました。

 

 

 

記事:1516 からファンタム動作による単独マイクとして始動した「MEMSマイク実用化プロジェクト」は10年が過ぎ、特に新進MEMSマイクによる2019年以降の本稼働そして2021年の「ProbeⅡ」の発表によってMEMSマイクが自作マイクのカプセルとして確立されつつあります。

 

 

 

 

今年の主目標はMEMS型単一指向性マイクの完成度UPでした

 

ここは一般コンデンサ型の技術範囲から大きくズレ、MEMSマイクでは考え方を大きく変えなくてはならない、ということを学びました。それは、音響系の物理的な大きさと質量の違いが決定的であります。

 

 

Sound SkritのSK0600やTDK InvensenseのICS-40800双指向性MEMSマイクや、ICS-40730の双指向性化改造などを経て学んだのは「低域の出にくい fの高いもの」は単一指向性化しても話声以外に使い道はなく、近接効果前提の「接話マイク」でどうにか、というところです。

しかしfo の低いものならなんとかなるものだとたどり着いている。

 

 

一方、2つの無指向性MEMSマイクによる「仮想圧力傾度」型の扱いやすさ、実装のしやすさでこの方式はMEMSマイク単一指向性化では「オフマイク適正」との親和性が高いことが判明。

 

これによりきれいなカーディオイドパターンが実現した(赤線)。

ワイドカーディオイドハイパーカーディオイドも好ましいポーラパターンとなりました。(青線・黒線)

 

同時に、これらのポーラパターンはMEMSマイクでは安易に実現するわけではなく、MEMS背後のわずかな空気マス(質量)の調整により成り立ちます。振動系も質量も極小なため、この基本的な指向性調整範囲は他形式のコンデンサマイクとは全く異なる範囲にあり、「きわめて狭くクリチカル」な領域にしかありません。

 

それはMEMSマイク型単一指向性マイクいずれの方式にも共通するむずかしい点であります。

 

集中した1年でした、納得できる音には”まだまだ”というのが正直なところですが、改善法としてのイコライザー使用はもはやマイクロホンの本筋を外したアウトロー、お約束として「電源はファンタム」、持ち出し電流には制限があり、他のマイクとかけ離れた大電流は許されない、さりとて外部電源の使用は本末転倒である。

 

また、基板の大きさ制限も厳しい条件の中での実現が必須である。

そしてどんなコンデンサマイクとでも差し替え可能なこと、これだけは「コンデンサマイクロホン」としての絶対条件です。

 

 

指向性判断はポーラパターンがすべてであり、裏側を向けて感度がやや落ちる程度では「単一指向性」とは呼びません。

 

 

 

 

 

MEMS単一指向性以外のトピック

 

1.コンデンサマイクの光ノイズ

 

すなわち単に光をあてても出ず、脈流光」=フリッカ光で発生するのが特徴です。白色 500luxを超えた脈動光で発生しやすい。

 

金属面(蒸着含む)、ダイアフラム表面上で起こる「ハルバックス効果」(Hertz-Hallwachs Effect)は脈動光に対し避けることのできない物理現象です。マイクロホンのダイアフラムにも容赦なく襲い掛かってくる。対策はそれを発生させない知恵とワザのみです。

 

C-38BにPWM調光光をあてた実ノイズ波形

 

 

 

 

光ノイズテストに使用した各マイク

おおむね、口径の大きいものほど発生しやすい

 

 

2507:(緊急レポート)コンデンサマイクが光でノイズを発生する

(非電磁問題)

 

2508:(緊急レポート続編)コンデンサマイクが光でノイズを発生する(2nd)

 

一般コンデンサマイクでもフリッカ光でノイズを発生する。

誘導ノイズと完全に同一信号になる為、勘違いされやすく、今でも「アースループ」・・・云々などと、また外来電波の飛び込みなど「電磁問題」=(EMCトラブル)と混同、勘違いされて未解決な現場が必ずある。(ホリゾントを「白」に変えると出やすいなどは「光ノイズ」です)

 

 

 

2.ICS-40730の熱問題

 

2517-A :緊急レポート 最近のICS-40730 熱的な様子が変だ

 

2517-B :「ICS-40730」 Digikey分との比較と結論

(ICS-40730で特有のロットに発生したと思われる「熱特性異常」について調査しました。

 

MEMSマイク3巨頭の雄であるはずのICS-40730で2025年、MOUSER、Digikeyでの販売ロットで起こった不適正品の続出に驚いたが、この先のロットでは改善するのか、という心配がある。

 

ICS-40730光ノイズへの圧倒的な弱さと共にこの影響はきわめて大きく、手はんだにおいて100%OKだったものが今では100℃1分間のプレヒートで全滅するに至っています。

 

 

 

他の研究成果

1.2503著作権フリー「指向性チャート・テンプレート」の公開提供

 

2.2506:MEMSマイク・クラフトの重大誤解「正面」が決して正面ではない

(MEMSマイク・クラフトの基本かつ重大な誤解を解いています)

 

3.2507:(緊急レポート)コンデンサマイクが光でノイズを発生する(非電磁波問題)

  2508:(緊急レポート続編)コンデンサマイクが光でノイズを発生する 2nd

(MEMSだけでなく一般コンデンサマイクでもフリッカ光でノイズを発生する。

「誘導ノイズ」として勘違いされている例もあるのではないだろうか)

 

4.2509 :S/N 80dB「Primo EM272」をマイクロドットコネクタで生かす

(DPAやAKGほかで安定度と信頼性の高い「2線式マイクロコネクタ」の決定版紹介)

 

5.2510 :SN比80dBの世界  EM273/173, 2線式で「ソースフォロワ」

(「ソースフォロワ」を2線式で実現)

 

6.2511 :ZOOM F3、FR-AV2兼用MEMSステレオマイク「L-73A mems」

(L-730のIM73A135V01版)

 

7.2512:プレミアムMEMS無指向性マイク「Probe-T inf」の自作

◉ ノイズのない三点吊りマイクの決定版)

IM73A135V01のこのスタイルはICS-40730で発生する「光ノイズ」から解放されクラシック録音用途のリファレンスとなりつつある。

 

8.2514 :Probe形状マイクの先端メッシュおよびプロテクター

(MEMSマイクにおけるウィンドメッシュのノウハウとプロテクター)

 

9.2515:「明珍火箸」(みょうちんひばし)によるマイクロホン試験

(SONYに学んだ評価法。測定器では再現できない独特の混変調ひずみを古来の日本の甲冑技術でシミュレーション。この高調波列が整理された音は他では得られず、コンデンサマイクにとって劇薬的にひずみやすい音源となるが、決してひずませないことが求められる)

 

 

10.2516:"オフマイク適正" MEMS単一指向性マイク「 Probe-T u1」の試作

(これによりMEMSマイク単一指向性化のもっとも先進的な結果を得た)


11.2517-A :緊急レポート 最近のICS-40730 熱的な様子が変だ!

   2517-B :「ICS-40730」 Digikey分との比較と結論

(ICS-40730で特有のロットに発生したと思われる「熱特性異常」について調査しました。

 

12.2518 :緊急告知 ハムフェア2025にてMEMSマイク3種類 線出し出品
(ICS-40730、IM73A135V01、SPM0687LR5H-1の3巨頭に線出しした物)
MEMS最大の難所である線出し品を持参、2日間で16組32本が売り切れ、MEMSマイクの潜在需要の確実さ、物凄さを体感した。
人気No1はIM73A135V01、No2はSPM0687LR5H-1、ICS-40730の不人気さは意外です。
 
13.2519 :SMD ED8 マイクロトランス実用化物語
(超小型・激安・超高音質・超高アイソレーションのSMD ED8トランスの秘密を語る)
 
14.2520 :なぜ「ファンタム・フィードイン抵抗」を47kΩにしているのか
(ファンタムフィード抵抗選択には物理的理由とコンデンサマイクの燃費問題がある)
 
15.2523 :マイク自作は次元を変えろ、「ハッ」とさせる裏ワザ集
(マイクロホン・クラフトは「裏ワザ」の集合体といって差し支えありません)
 
16.2524 :3つの高品位MEMSマイクを使いこなす
(2019年、自作マイクに「MEMSマイク」が初めて採用され、2021年以降「ProbeⅡ」の大ブレークを機に3種類のMEMSマイクが自作マイクの世界で本稼働開始した)
 
17.2525 :フリー・バウンダリーマイク「BLM UFO mems 」の試作
(小型バウンダリーマイクをMEMS化して「プレッシャーゾーン」の理論面から攻めてみた)
 
18.2526 :あれから7年、久しぶりの「RCA 77DX 」リボン張替レストア
(突然、7年ぶりにRCA77DXのリボン張替レストアを行う機会がやってきて無事終えた)
 
この直後から77Dを含む3本のレストアの機会があり、本気を出せばまだこの希少技術を手掛けられる自信につながりました。(感謝)
 
 
 
 
それではみなさま 佳き新年をお迎えください
 

 

 

 

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この記事末にビンテージマイクに関する海外資料があります。

 

 TODAY'S
 
あれから7年 久しぶりの「RCA 77DX 」リボン張替レストア

 

先月、あるテストでRCA 77DXを使用する機会があった。

 

 

 

2015~2018年ごろリボンマイクの研究に集中して取り組める機会に恵まれ、リボン張替えを夢中になって習得した。中でも、RCA 77D(X)のリボン張替えと内部ラビリンスによる「77サウンド」を引き出すノウハウの習得は大きかった。

その後、自分の扱うマイクの方向性もすっかり変わって出番がなくなっていた。

 

 

先週、ある重要なテストに向けて音確認はおこなったものの、実テストでは見事に音が出なかった、このため関係者にはご迷惑をおかけすることになりました。

 

もともと残念な部分を許容しなければならない個体だったため、今回ばかりは即日、根本的レストアにとりかかかった。それはこの77DXを入手した時点からこのマイクの底カップ(ケーブル接続部)が固着していて開けることができないため、ただでさえ硬いベルデンケーブルをブッシングスプリングの中に隠して接続するしかなかったのです。

 

 

このため時々切れては直す、の連続だったのがこの部分でした。

 

 

 

 

 

 

 

今回は、この部分を開けてケーブルを正式に接続することを必須としてふたたびリボンマイクRCA 77D(X)レストアの世界へ戻ってきました。

そして「グレイトアメリカ」、輝かしい1940~50年代の、オルソン博士の傑作、RCAの本気度とまた向き合えることになった。

 

 

 

無事底カップ開けに成功した。

 

 

 

 

この底カップ開けはCRCでもダメ、スクレーパーでは危なくて無理、各種カードやノートPCオープナーを使ってわずかなスキマを確保、リボンの張り替えを前提にして、ドライバーとハンマーでスキマを叩きズラし、左腕のヒジの痛さをこらえて力づくで外すことに成功。しっかりとケーブル交換ができた、この個体からすれば70年ぶりの開眼だろう。

 

ハンマー叩きによるGショックはキツく、リボンは当然伸びきって、コルゲーションはほぼ消えてダルンダルンになっていたが、それでも音はわずかに出た、これまた貴重な経験でした。

 

「リボンマイクは丁寧に扱わないといけないヨ」という一般感覚からは大きくかけ離れた行動だったが、背に腹は代えられない。

 

 

 

 

 

 

  RCA 77DX リボン張り替えふたたび

レストアにはかなり手慣れていたが7年のブランク後、今の私にできるのか・・・

 

この最大難関は「純正リボン」がないことです。

77D(X)のリボンは1.3㎜幅、長さ50mm程度、しかしその厚みは1.8ミクロンつまり(555分の1mm)という普通なら手に負えない「超極薄アルミ箔」です。

米 LEBOW COMPANYの1.8ミクロン厚アルミ箔、Made in Japanとなっている)

 

 

これを正確に切り出すのが第一の関門、これにヒダヒダ(コルゲーション)をつけるのが第二の関門。

 

第三の関門、マイクロホンのモーター部(マイクユニット構造体)への実装・調整はさらに熟練を要す。

 

 

 

 

 

 

手製コルゲーション形成治具

 

この手製のコルゲーション成形治具はずいぶん世話になってきました。ヨレヨレのアルミ箔(1.8ミクロン厚)も信じられない程、このようにまっすぐになる。(写真でもハッキリわかると思います)

 

(改良は要するが音は安定している)

 

 

ふしぎなのはこの0.05インチ(約1.36mm)幅は最終的に自分の目測感覚に頼っていますが寸分の誤差もない、0.07mm狂えば確実に磁極に当たってしまいます。なぜそんなことが出来るのか自分にもわかりません。

 

リボンは1.36㎜幅、磁極との幅は0.14mmです。したがって磁極とリボンとのスキマ(余裕)は両極ともわずか0.07mm、しかもリボンはこの磁極に一切触れてはならない、というキツイお題・・・

 

それ以前にリボン材の切り出しがある、この超薄箔に「何をもって1.36mm幅」を決定させるのか、印をつけても「印」には幅があり金属スケールをあてても相手は正月の酒に浮いている金箔よりちょっと厚いだけの、触っても何の感覚もない1.8ミクロン(1/555mm)厚のアルミ箔。

 

切り出したものは、ピンセットで挟むと「フワフワ」と舞う、静電気でも、身体を除電してもすぐに材料からフワ~、と反発を受けてしまう難しさもある。

 

結局、心穏やかにさせた状態で、このアルミ箔は目測で「スーー」っと一気に切断する。コルゲーションをつけたものは除電に心がけ磁極にあてると、ピッタリと収まる。それが不思議と失敗することがなく自分でもわけがわからない事実なのです。

 

精神集中だけでこれまでやってきたので、「どうやって?」の説明はできません、自分にもわからないのですから・・・

どんな方法かで正確に測って切ったとしても0.1mmの誤差などあたりまえ、本当に正確にやるには自分の感でやるしかありません。

 

さりとて純正リボンなど手に入るはずもなし、職人ワザと言われようと、無謀といわれようと、はたまた神がかりだとしてもやるしかないのです。

 

 

 

 

 

かつてはこんな純正リボンがあったわけで、米国内のあるルートではリボン1本600ドルというのを見かけましたが、そこまでの価値は自分には考えられません。

 

 

 

 

 

 

 

リボンの交換

「RCA 77DX」というビンテージ楽器に命を吹き込む外科手術です

 

 

リボンをはずすと磁極には微鉄粉がビッシリと貼りついていました。

 

磁極にはかなり鉄粉が付着していましたので、清掃(かなりコツがいります)

 

 

リボンが鉄粉にあたると、そこを支点とする振動が発生するため低域が出なくなり、スイープ音源ではある周波数でビリツキを起こします。

 

 

 

 

リボン材はわずかな風でも舞う、呼吸を止めて「気」を集中する、静電気の影響も強いため作業前に部屋の湿度をある程度上げておく

 

 

今回、実作業を優先して写真を撮る余裕がなかった為、過去写真をとりまぜて同一行程を説明しています。(年月入りは今回の写真)

 

 

磁気回路にそっと置く。重量がなく、静電気の影響を受け熟練を要します、爪楊枝の先を平たくしたモノがすこぶる役に立ちます。

 

 

 

 

 

 

(リボンテンション調整中))

ここからは最後までヘッドホンモニターしながら調整します。

ネジは本締め仮締めの半々

 

(この真鍮小ネジを必要最小限お分けできますのでご連絡ください)

 

(ピンセット)

磁気地獄のここではステンレス製は使えずマグネットに吸い付かない真鍮製ピンセットを使います竹製も使ったが自由度の点で作業が不器用になってしまう。圧倒的に真鍮製が良い。

 

 

(ネジ・ドライバー)

マイナスねじは小さなドライバーでも左右の回転だけで圧倒的に強く固定できる点がプラスねじと異なります。

その強さで「接触抵抗」は軽く0.1オームは変わる、トランスの一次巻線インピーダンスが0.4Ωですから普通なら無視できるような「接触抵抗」もモロに感度と音質に直結します。

リボンを強く締めていくと感度が上がり、音の鮮度が上がるのはそういう理由です。

 

かならずしも古いからマイナスねじ、ということではありません。

 

モーター部(リボンマイクユニット)TOP2つのネジはリボン位置の左右微調整用、正面2個のネジはリボン押え金具の締め付け用。

 

リボンマイクには「ネジロック」絶対禁止、これは誤解しやすいですが、ネジロックは絶縁物、金属表面に回り込んで高確率で音は停止します。

 

 

 

 

(調整)

 

 

 

 

 以下はヘッドホンモニターしながらおこなう

 

① リボンの浮き沈みがあると磁極から浮いた部分から入るのは「「逆相成分」、違和感ある逆相まじり音になる。

 

② 奥に沈めるとフレミングの右手の法則通り、切る磁束(鎖交磁束数)が増えるため感度が高くなる、コルゲーションを痛めずにこれを調整できるのは先を平たくした爪楊枝、そしてテンション調整との両方でおこないます。

 

沈める位置は、磁極中心近くまで深く沈めると、リボン前にレゾネーション空間ができてしまう。

 

このあといったん緩めてから音を聴きながらテンション調整、位置調整を念入りにおこなう。

(緩める→位置調整→仮締め→テンション調整)の繰り返し。

 

「リボンの磁極当たり」を避けるため、音声領域のスウィープ音源で異常のないことを確認する。

もしそれが僅かならリボンの左右位置調整で避けられる。

 

 

これらで、良い結果を得られない場合は「ふりだし」へ

 

 

 

 

(コルゲーション調整棒)

爪楊枝の径は2mm、先端幅は1.3mm、先端がテーパーになっているため磁極面から1.2mm程度でSTOPしてくれるので、コルゲーションを崩すことなくリボン深さの調整ができる。

 

 

この調整は必ず「ヘッドホン」により「マイボイス・リアルタイムモニター」で徹底して追い込んでいきます。

 

 

(その際大切なのは)

指向性は「B」(両指向性)を完成させ、つぎに「L3」を完成させます。77D(X)では単一指向性ポジションはけっして「U」ではなく「L3」または「L2」です。さいごにB→O→U→L3→L2→L1→Bと一周して音声を確かめます。

 

(L3~Bがラビリンスの効果によるあの「77Sound」の引き出しポイントです、Uはラビリンス動作が中途半端で不安定)。

この調整は難易度が高く、ラビリンスを持たない他のリボンマイクとの大きな違いです。

 

開始からここまで2日間、リボン調整に3時間でした。それ以上かけてもスイートスポットが得られない場合は「ふりだし」へ、再度リボン交換からやりなおしです。

 

 

 

 

 

 

リボン張替音声(試聴できます)(11月30日に更におこなったダメ押し再調整音声と入れ予定)

指向性ポジションはリボンマイクの基準「B」=両指向性です。

 

   音源: 77DX77DXリボン張り替え(2025.11.25)

 

(SoundCroud  の性質上、「くりかえし」または当該トラック再生後はSTOPしてください、無関係な音声がつぎつぎ再生されてしまいます)

 

 

部屋の時計のコチコチ音や私のおなかがグーと鳴る音まで拾っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

完成

◉ かくして念願だったケーブルの内部接続が無事完了した。

(ビンテージのレストアはできる限りオリジナル部品で、ネジや外装パーツは紛失させない)

ケーブルは9年前のレストアで、RCAカラーのBELDEN 8402を使っている。

 

(リボン押さえ金具部の真鍮小ネジは必要最小限お分けできますのでご連絡ください)

 

外形があちこち痛んでいても、多少ネジが変わってもこの雄姿は77D(X)ならではのものです。

 

 


 

 

所々崩れていたり、緑青があっても現役を張る意思を感じ取れると思います。「RCAマーク」はダテじゃない気迫を感じさせます。

 

 

 

美しい音は美しいカタチを求めます

 

 

 

 

 

レストアを終えて

あれから年齢も重ねXX歳の私、今回は自信がなかったが、モーター部からリボンを取り去った瞬間から意識がガラッ変わった。

「前よりもいいコンデションにする!」と決め、結果はその通りになった。

 

まだまだリボンマイク、特に77D(X)が手に負える対象であることはありがたく、宇宙の神々と自分の健康に感謝するしかありません。

 

「だめかもしれない」は失敗への合言葉

 

 

 

 

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9年前、私のもとに来てくれた時のこのマイクロホン。

長らく誰にも愛されることなく倉庫で眠っていたのか・・・

2016年6月10日 到着したダンボールの上で。

 

このとき「助けて」という叫びが聞こえてくるようなのですぐ、レストアして長年使っていました。

 

 

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今回は久しぶりに RCA 77DXのリボン張り替えを含めたレストアを再度おこなった2日間の記録記事としました。

 

 

 

 


貴重👑二つの海外名サイトを紹介します

 

この2つのマイクロホン資料は世界でもまれにみるWeb上「マイクロホン名著」というべきサイトです。

 

 

1.MICROPHONES」:世界のマイク資料集(写真美しくサンプル音源あり)

Contentsタブから各社・各機種が見えます

 

 

 

2.「microporium」:世界のマイク回路図集(ほしい回路図がここにある)

 

 

 

 

以上

 

 

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