舌癌は癌全体のわずか3%。
父の闘病中に、何度も何度も「舌癌」というワードで舌癌患者ご本人やそのご家族の方の手記やブログを検索しましたがほとんど出て来ませんでした。
当時はたとえネガティヴな内容だったとしても、なんでもいいから情報が欲しかったのです。

少しでも「誰かの世界を参考に出来ると有難い」と思う方がいるなら書くべきだと思いました。

とはいえ病気の話はどうしても暗い話になります。
興味のない方や、癌の話で辛い気持ちになってしまう方はご覧にならないでください。

よろしくお願い致します。



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父は舌癌でした を最初からお読みになりたい方はこちらからどうぞ。

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2011.8.16
夕方「なんか暑くて熱が出そう」と父から言われ、アイスノンや冷えピタを用意しました。

解熱鎮痛剤を飲み、「少し寝る」と言われ2時間後に様子を見にそっと部屋に入るとエアコンが消えていて部屋がものすごく暑くなっていました。

父に声を掛けると「寒い…」と、タオルケットを首から足先まで掛けてガタガタと震えていました。

部屋の温度は29度、寒いはずがない。

冷たいどころか熱くなってしまった冷えピタとアイスノンを回収し、父に毛布を掛けました。

体温を測ると39.7度。

こんなに熱いのに顔は真っ青。

汗びっしょりで絞れるほどだったので、着替えとタオルを用意してから脱がせて蒸しタオルで体を拭いてパジャマを着せて…

父はずっと目をつぶったまま「寒い…寒い…」と震えていました。

父がトイレへ行った隙に、急いで汗で濡れた敷きパッドを交換したけれど敷布団まで濡れていました。

まだまだ汗をかくだろうと思い、敷きパッドの下にバスタオルを2枚重ねました。


夕飯はいらないと言われたので、アクエリアスを部屋に持って行くと「冷たい物なんか飲めない」と言われたので、レンジで温めてマグボトルに入れました。

まだ寒い寒いと言うので、掛け布団も出して掛けました。


夜中にも2度着替えさせて敷きパッドを交換し、朝を迎えるとすっかり熱が下がっていました。






2011.8.17
天気が良かったので洗濯機を何度も回し、敷きパッドやバスタオルを洗って干しました。

敷き布団も干して、毛布はコインランドリーで洗って乾燥しました。

とりあえず、熱が下がって良かった。


父は「なんだったんだろう、、久しぶりに怖かった」と言いながら、リビングのソファベッドで犬とゴロゴロ過ごしていました。

朝はスムージーを飲み、昼はキノコ餡かけ蕎麦を作ると少し食べてくれました。


そして夕方になり、父が眉間にしわを寄せて言いました。

「寒い、また昨日と同じ感じ」

慌てて布団を用意して、厚手のパジャマを着せました。

解熱鎮痛剤を飲んで寝ると、また昨日と全く同じで高熱が出てガタガタ震えます。


汗びっしょりで3回着替えさせて敷きパッドを替えて、温めたアクエリアスを飲ませ…朝になるとまた平熱に戻りました。



この毎日が続き、さらに父がどんどん痩せていきました。

朝が来るたびに「全速力でマラソンしてるみたいだ」と辛そうに言いました。

10日が過ぎて「寒くなるのはコレのせいかも知れない…」と解熱鎮痛剤を飲むのをやめると、40.5度を超えてしまったので慌てて坐薬を入れました。

半月経っても同じなので、何度も病院へ行こうと言いましたが「大丈夫」と。


「次の診察までは家で過ごしたい」


父はきっと、自分がもう長くないことに気が付いていたのかもしれません。

そして次に入院したら、もう家へは帰って来られないことも。






続きます。