2024年シーズンのJ1リーグの戦いも

8日の試合で終了。

サンフレッチェ広島

最終節まで優勝の望みを残して迎えた

ガンバ大阪との試合に敗れ

シーズン2位で終了となりました。

 

シーズン何度も首位に立ち

それこそカープと同時優勝もありうると

広島県民は浮かれていたでしょう。

俺はそこまで

熱量のあるサポーターではないですが

こちらも記録用として

普通のファン目線で振り返ってみます。

 

 

新スタジアム元年、負けないサンフレ

 

今年サッカー専用の新スタジアム

「エディオンピースウイング広島」が誕生。

街中スタジアムが売りで

市の中心地にある利便性の良さは、

長年交通手段が悪い立地に

不満を持っていたサポーターたちには

待望の新スタジアムとなった。

 

まず開幕戦が浦和レッズ。

過去に活躍した選手がレッズに移籍して

因縁めいた相手との

新スタジアムで最初の試合は

今年加入した大橋祐紀の2ゴールで始まった。

 

海外移籍のためにサンフレッチェに来たと

最初から明言していた点取り屋に

実はあまり良い印象を持っていなかったけど

それは間違いだと思い知らされた。

絶妙なポジショニングと飛び出し、

巧みなシュートテクニックと得点への嗅覚で

ゴールを量産する大橋の存在は、

今までシュート数が多くても決めきれなくて

得点力不足で泣いたサンフレにとって

大橋は優勝へのラストピース。

これはいけるぞと期待が高まる。

 

新スタジアム効果もあって観客数アップが

選手たちの士気のアップになり、

開幕から11戦負け無しの好スタート。

悪くても引き分けにして負けない広島。

ただこれが後に分が悪くなることに気づく。

 

今年J1に昇格した町田は

ラフプレーやボールの水掛けや

黒田監督の性格など評判はよくなかった。

町田ゼルビアは負けが多いが勝ちも多い、

サンフレは負けが少ないが勝ちも少ない。

勝利の勝ち点の方が大きいので

実は引き分けの多いサッカーより

負けてもその分勝つサッカーの方が上になる。

 

それと前半戦は怪我人が多かった。

外国人のドウグラス、マルコス、

ピエロス、エゼキエウ。

彼らがフルシーズン戦えないのはきついが

その分を新戦力が補った。

アルビレックスから途中加入の新井直人。

5月の京都戦でハットトリックを達成。

 

 

父が元サンフレの中島浩司という

中島洋太朗も今年デビュー。

センスの高さを見せた。

気迫あふれるドリブルの

越道草太も印象に残った。

 

ちょっと気になったのは

サンフレ公式の煽り。

新スタこけら落としとなった

2月のプレマッチで

ガンバ大阪戦で1-2で負け、

J1リーグの対戦の時に

「プレマッチの借りは返す」

みたいな煽りしてたけど

ただのプレマッチやで。

借りもなにもないでしょう。

この時は1-1で引き分けて

結局勝ちきれなかったし。

 

あとこの件に触れておこう。

VTuberグループ「にじさんじ」が

J1チームとコラボする企画がまたあって

サンフレは静凛が名誉サポーターに退き

新しく決まったのが佐伯イッテツ。

広島に佐伯という地名があるのと

紫シナジーで決まったそうだが

序盤こそ何回か同時視聴していたが

後半はほぼサンフレに無関心。

代わりに静凛が同時視聴を継続してくれていた。

あのさ~、

優勝争いしていたのに結果にも触れない。

もっとやる気のある人をサポーターにしてくれ。

静凛はありがとうな。

 

 

主力の移籍、夏場の7連勝

 

6月に川村拓夢がザルツブルグに

移籍することが発表された。

川村は中盤の心臓、

代わりのいない大事な選手。

 

さらに8月に大橋祐紀もイングランドへ移籍。

こちらは予想していたとはいえ

前半だけで11ゴールあげていた

エースストライカーの穴は痛い。

正直この時点で俺は優勝あきらめた。

この2人いなくてどう戦うの?

 

――と思ったらそこから勢いは急上昇。

新戦力のFWトルガイ・アルスランが

ゴールを量産する。

股抜きショットが得意らしいが

加入直後の活躍はすごかった。

「紫の魔法使い」とか言われてた。

 

それ以上にすごいのがDFの中野就斗。

日本代表入りも噂されるほど

サンフレの核となる活躍だった。

「大学時代No.1センターバックを

ウィングにしてみたら」という

小説が書けそうなくらいハマった。

 

背が高いし当たり負けしない。

ドリブルもシュートも上手い。

右サイドから何度も切り込んで

チャンスを作ってくれた。

荒木が負傷した時は本職センターバックに回って

完璧に仕事をしてくれた。

絶対にベストイレブンに選ばれるでしょう。

これだけ目立つと海外が目をつけてそうだから

サンフレのユニを着る時間は

もう少ないかもしれないと心配になる。

 

それと松本泰志の覚醒。

抜群の運動量で中盤を駆け抜けた。

代わりに俺の好きな満田の出番が

少なくなってしまったのがつらいところ。

 

7月から7連勝して首位にも返り咲く。

これは……夢を見れるのか?

 

 

カップ戦の敗退、そして悪夢の3連敗

 

終盤の天王山と言われた

町田との2回目の対決で2-0と完勝。

新加入の外国人パシエンシアと

加藤陸次樹がスーパーだった。

川辺駿のサンフレ復帰も明るい話題。

 

その一方でカップ戦で敗退してしまう。

ルヴァンカップは名古屋グランパスに敗れ、

天皇杯はガンバ大阪に敗れた。

いずれも日本代表に

大迫敬介が取られている間の出来事。

森保監督!大迫を使わないのなら

大事な時期に収集するなよ!と

サンフレサポなら誰もが思ったはず。

三冠のうち二冠があっさり消えて

その分リーグに集中できるが

ACL2の関係で海外にも行かないといけないため

調整が難しそうだった。

サンフレとACLは昔から相性が悪い。

 

サンフレッチェは試合の前や後に密着した

INSIDE動画をYouTubeに投稿しているので

その試合の選手たちの様子や

試合前の円陣など見ることができる。

勝ったあとのスキッベ監督は

「君たちは勝利に値する」とよく言うことや

勝ったら「オフ2日」とか

ピッチで発表するのとか面白かった。

 

苦しみながら勝ったジュビロ戦の後、

「あと5つ全部勝つ」

「自力で優勝する」と

選手たちは口々に言っていた。

いや自分に言い聞かせていたように見えた。

勝つことは簡単ではないから。

 

10月20日。

サンフレッチェの歴史を紡いできた

青山敏弘が今シーズン限りの引退を発表。

これで選手が優勝へ向けて

士気が高まるかと誰もが期待していたが……。

 

その直前の湘南戦に1-2で敗れた。

しかも湘南戦はその前日に神戸が敗れて

神戸サポーターがネガりまくっていたのに

わざわざお付き合いして負けてしまう形。

この時はまだ首位だったがそこから3連敗。

首位陥落です。

 

もうこの頃になると

INSIDE動画は見れなかった。

いや、見たくなかった。

落ち込んでいる選手を見るのもつらいし

コメントで批判して

ストレス発散してるやつらを

見るのも嫌だったから……。

世間は「カープの真似をしなくていいのに」とか

辛辣な意見ばかり。

笑いたいやつは笑え。

選手たちの頑張りがあったから

優勝争いするところまで

来たことは忘れてはいけない。

 

そして最終節も再びガンバ大阪に負けて

2位という結果に終わった。

ヴィッセル神戸は優勝おめでとうございます。

結局2回戦って

1回も勝てなかった相手なので納得感がある。

 

もし順調に連勝していたら

ピースウイングの札幌戦で決まっていたかなぁ、

みんな喜んで泣いている姿が目に浮かんだ。

そんな儚い夢を今でも見てる。

 

 

来シーズンの展望

 

一応ACL2はまだ残ってるが

今シーズンはかなり楽しませてもらった。

 

スキッベ監督は3年の指揮で

3位、3位、2位と結果は素晴らしい。

選手たちからの信頼も厚い。

1つ苦言するなら

終盤ビハインドの場面でFWを入れるのはいいが

それまで機能していたMFを代えたせいで

逆に失点してしまうことが多い印象。

 

スキッベのサッカーは

前線からのハイプレスが特徴。

全員守備&全員攻撃が持ち味だが

これは相当な運動量が必要で、

選手の消耗も激しいしもろさもあって

戦術がハマらない相手だと苦戦する。

今年は神戸とガンバ大阪には

1回も勝てずに終わった。

ハイプレスを研究されていると感じるし

苦手とする相手を作ると厳しい。

 

また集中力が欠ける時間帯、

開始5分くらいで

よく点を取られていたように思う。

だいたいパスミスが原因。

こういうミスを減らしていかないと苦しい。

 

シュート数はいつも相手を上回っていた。

それなのに枠内に飛ばせない。

枠内に飛んでも決まらない。

こっちは枠内シュート6本で1点、

相手は枠内シュート2本で2点で負け、

みたいなことがあったので

シュート精度が必要だと思う。

 

やっぱり「エースストライカー」問題。

今年の始めは大橋の登場で解決されたのに

その抜けた穴は最後まで埋められなかった。

一時期のトルガイは「アルスラン伝説」だったが

加藤陸次樹が「スーパー陸次樹」になってくれ。

陸次樹の男臭さが好きなんや。

 

満田にはもっと発奮してほしい。

こんな素晴らしい選手が

サブで燻っているのはもったいない。

いい意味で松本を引きずり下ろす活躍が見たい。

こんな状態では海外移籍できないぞ。

 

守護神の大迫も海外移籍がささやかれる。

正直、大迫がポカした場面は何度もある。

とくにハイボールの判断を誤って

飛び出しすぎて戻れず失点したり

キックが弱くて相手にボールを

奪われるシーンもあった。

ポカもあるがピンチを救う場面も多かったので

大迫も優勝するためには絶対必要。

ルヴァンと天皇杯の敗退で思い知らされた。

 

来年は明治大学のNo.1FW

中村草太が加入してくる。

新人に過度な期待は禁物だが

今の戦力にマッチすれば

(あくまでも移籍で誰も抜けなければ)

十分に優勝が狙える戦力になると思う。

 

 

引退した青山敏弘選手。

伝説の60mロングシュートは

今も忘れられない。

そうそうころ頃は

変なゴールパフォーマンスしていたなあ笑

 

 

 

11年チームを支えた

MF柏好文も契約満了で退団。

今後の動向は

他チームへの移籍か引退かまだ不透明。

柏と言えば

2リーグ制だった2015年、

ガンバ大阪とのCS1戦目の

アディショナルタイムの決勝点。

 

●公式映像がないためサポーターの動画

 

2人ともありがとう、お疲れ様でした。

 

 

――今年サッカーあまり見てないのに

ずいぶん語りすぎてしまった。

それだけ印象深い試合が多かったのかも。

天皇杯も神戸が優勝しているので

FUJIFILM SUPER CUPも出場が決まり

リベンジの機会が出来たのもいい。

 

なんだかんだあっても

リーグ2位ですよ、2位。

もっと誇りましょう。

あの低迷していた時期から考えたら

本当に強いチームになったなと思う。

はっきり言って

川村と大橋が抜けた時点で終戦だった。

お金が潤沢ではないのに優勝するために

積極的に外国人を補強したフロントにも感謝。

 

これで終わるまでは見ることができなかった

INSIDE動画もやっと見られる。

良かったことも悪かったことも

明日への糧にして

来年こそシャーレを掲げよう。

 

 

驚異の謎と息詰まる冒険が渦巻く歴史ミステリ。

『喉切り隊長』

ジョン・ディクスン・カー

(1955年)アメリカ

 

 

 

あらすじ

1805年8月20日。

フランス軍はブーローニュの海岸線に

15万の歩兵と9万の騎兵が陣営を構え、

イギリス軍との睨み合いが続いていた。

 

ブーローニュの歩哨たちの間では

正体不明の殺人鬼

「喉切り隊長」の噂で持ちきりで、

フランス近衛連隊の擲弾兵

ジュール・デュポン

通りがかったベルシー軽騎兵隊の

ハンス・シュナイダー中尉に

昨夜も歩哨が1人やられたと話して聞かせる。

 

殺人鬼は他の歩哨たちが見ている中で

誰も姿すら見なかったという。

「そんなことはありえない。嘘だ」

「むこうへ行ってな、坊や」

口の利き方の知らないシュナイダー中尉に

いらついたデュポンが悪態をつくと、

シュナイダーは銃でデュポンの左肩を撃って

そのまま本営に馬を走らせて行ってしまった。

 

シュナイダーが本営に着くと

海岸線で兵のどよめきが聞こえた。

イギリスのフリゲート艦メデューサ号が

接近してくるので砲撃を見舞う。

被弾したメデューサ号は1発も撃ち返すことなく

煽るように帰って行った。

 

 

8月22日の夜。パリにある

ジョゼフ・フーシェ警務大臣の自宅に

1人の若いブロンド女性が連れて来られた。

その女は26歳の

マリー・マドレーヌ・ルノルマン

父がフランス人で母はイギリス人、

パリで育ったが1793年にイギリスへ渡り、

1803年にフランスに戻ってきた。

その間にアラン・ヘッバーンという

イギリス人と結婚したが

1年もしないうちに2人は別れている。

とくに喧嘩もしていないが

アランの方から

一方的に別れを切り出されたという。

 

実はアランはイギリスのスパイで

ベルジュラック子爵と称して

フランスに潜入していたが

さきほど逮捕してアランの身柄を拘束した。

フーシェがマドレーヌをここに呼んだのは

彼にある仕事を引き受けるように

あなたからも彼に頼んでほしいという。

それは、

フランス国内を騒がしている

喉切り隊長の調査だった――。

 

作品解説

時は1805年8月。

フランスはナポレオン皇帝のもと、

イギリス侵攻に向けて英仏海峡に軍を敷き

一触即発の睨み合いの最中、

フランスのブーローニュの陣地内で

歩哨が次々と殺される事件が発生する。

犯人は「喉切り隊長」と名乗る書き付けを残し、

誰にも姿を見られず被害者を刺し殺したという。

 

ナポレオン皇帝に喉切り隊長の逮捕を指示された

稀代の策略家フーシェ警務大臣は、

フランスに潜入していたイギリスのスパイ、

アラン・ヘッバーンを捕らえて

彼と妻マドレーヌの命を助ける代わりに

今すぐブーローニュへ向かい

喉切り隊長を捕まえろと命令する。

大人しく従うしかないアランは

行く先に待ち受けるのが罠と知りつつ

その裏で大胆な作戦を仕掛けるのだが……。

 

ジョン・ディクスン・カー後期の

歴史ミステリシリーズで

『ビロードの悪魔』に次ぐ4作目。

「喉切り隊長」事件の潜入捜査でやってきた

イギリス人のスパイ・アランの活躍を描く。

 

アランはフランス人の子爵として

身分を偽っているため

正体がバレてはいけない。

とくに三十彫像苑の前での

前方に士官たち、

後ろからシュナイダーが追って来る

絶体絶命の場面の描写がすごい。

 

物語の重要な役どころで

警務大臣ジョゼフ・フーシェが登場し

皇帝ナポレオンも最後に少しだけ登場する。

フランスの歴史や人物に興味があれば

さらに物語が楽しめるだろう。

 

感想

う~ん微妙。

『喉切り隊長』は

『ビロードの悪魔』の次点くらい

前評判が高かったので読了後は

ちょっと物足りなく感じてしまった。

その最大の原因は「剣戟が無かったから」

つまりチャンバラのこと。

 

アランはフェンシングで

チャンピオンになった腕を持ち、

血気盛んなシュナイダーは

フランス一の剣の名手と紹介されていて

序盤に2人が剣を交えそうになる場面があった。

とくれば普通は終盤で決着をつけるものだが

残念ながらそうはならない。

剣戟場面すらない。

これは肩透かしです。

カー先生らしくない。

 

スパイ的な要素も少ないし

アランが活躍する場面が少ない。

それに喉切り隊長の正体をある人物に

ミスリードしようとしすぎているためか

やけに不自然な行動が目立った。

 

ジョゼフ・フーシェという人物は

ヨーロッパではとても有名人らしいが

俺が歴史に疎いせいで

どういう人物なのかわからなくて

彼の行動や目的を理解するのが難しかった。

歴史への興味がないと厳しい。

 

アランの愛人で

実はフーシェの手下だった

イダ・ド・サン=テルムという

黒髪の美人が登場するが、

アランを罠にハメたくせに

まだ彼を愛しているという

複雑な立ち位置の彼女を

もっと活躍させてほしかった。

 

面白い場面はいくつかあるけど

全体的に難解で退屈かも。

まあ平均作といったところですが

犯人当ては予想を超えてくる。

(これが許されるなら)

ある意味究極のフーダニット本。

 

★★★★★ 犯人の意外性

★★☆☆☆ 犯行トリック

★★★★☆ 物語の面白さ

★★★☆☆ 伏線の巧妙さ

★★☆☆☆ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 -

エッチ度 △

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 7.5点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でわかるネタバレ

<事件概要>

日付:1805年8月20日~24日

場所:フランス/ブーローニュ、ポン・ド・ブリク村「三十彫像苑」/パリ

 

○被害者 ---●犯人 -----動機【死因:凶器】

ロベール・デュシェーヌ ---●ハンス・シュナイダー中尉 ---利他主義、命令【刺殺:サーベル】

第五十七連隊の歩哨 ---●ハンス・シュナイダー中尉 ---利他主義、命令【刺殺:サーベル】

埠頭に立っていた海軍の歩哨 ---●ハンス・シュナイダー中尉 ---利他主義、命令【刺殺:サーベル】

フェリークス・ソロモン ---●ハンス・シュナイダー中尉 ---利他主義、命令【刺殺:サーベル】

エミール・ジョワイエ ---●ハンス・シュナイダー中尉 ---利他主義、命令【刺殺:サーベル】

気球繋留場の歩哨 ---●ハンス・シュナイダー中尉 ---利他主義、命令【刺殺:サーベル】

ハンス・シュナイダー中尉 ---●ジュール・デュポンの弟 ---復讐【銃殺:マスケット銃】

 

※シュナイダー中尉に殺人を命令したのは、フランス皇帝●ナポレオン・ボナパルト

 

<結末>

アランは喉切り隊長の手先がシュナイダーで

彼が歩哨を殺していたことは見抜いていた。

シュナイダーは

ずっとアランたちを尾行してきていたが、

いよいよ決着を付ける時が来た

と思った矢先に、

シュナイダーは冒頭で負傷させた

デュポンの弟に殺される。

 

アランは喉切り隊長を探す気など

最初からなくて、

フランス軍がイギリスではなく南へ

進軍しようとしていることを現地で確認し、

イギリスのメデューサ号に

暗号で通信する目的で

ブーローニュへやって来ていた。

 

しかしメデューサ号は被弾し沈没。

アランの通信が無駄になってしまった。

呆然となるアランの元へ

「勝負は終わったな」とフーシェが現れ、

アランをここに送った本当の目的は

喉切り隊長のスケープゴートにして

逮捕して事件を解決したように見せるため。

しかしもう喉切り隊長の正体がわかったと

アランとイダを本営に連れて行き、

そこでフーシェは

喉切り隊長はナポレオン皇帝自身だと言う。

 

最後の殺人の書き付けに

自分の名前を出された怒りから

この事実を本人に

直接問い詰めようとするフーシェに、

その書き付けは

シュナイダーが私怨で勝手にやったことだ、

むしろ皇帝は喉切り隊長逮捕でフーシェに

手柄を立てさせようとしているのだと

アランが説得する。

そこにナポレオンが戻ってきた。

アランとイダは万事休すと思ったが

フーシェは秘密を沈黙することに決め、

「喉切り隊長の捜索に失敗しました」

と報告するのだった。

 

究極のフーダニット

この作品のどんでん返しは

「喉切り隊長」の正体。

 

喉切り隊長の手下として

実際に歩哨を殺していた人物は

シュナイダー中尉だということが

中盤で明らかになる。

誰がシュナイダーを使って殺させていたか?

その黒幕は……、

ナポレオン皇帝だった。

 

国のトップがなぜ戦争の最中に

国内に波風を立てる必要があるのか?

とうてい理解が難しいこの動機。

ナポレオンは自身が信じる正義のために

この喉切り隊長の事件を起こした。

 

皇帝が行った正義とは

「結果が善とでるなら

どこまでの悪事を正当化できるか?

国民全体のためなら

何人の人間を殺してもいいか?」

 

実は殺された歩哨たちは

素行に問題がある者たちで

軍の空気を良くするために消したかったのと、

内部で事件が起きてそれを解決すれば

団結力が高まると期待していた。

事件を解決したフーシェには

手柄を讃えて公爵に列するつもりだった。

 

喉切り隊長の正体が

ナポレオンだと当てることは究極に難しい。

なんせ登場すらしていないのだから。

「ボニー」とか「おやじ」や「陛下」とか

名前だけは何度も登場するが

姿を見せるのは本当にラスト1ページだけ。

「出ていない奴が犯人とは卑怯だ」と

普通なら許されないところですが、

誰もが知っているナポレオンだからこそ

姿こそ出ていないが

出てるのと同じくらい存在感があるので

納得させられてしまうのが巧妙だ。

 

 

それと喉切り隊長の正体を

アランの元妻マドレーヌへ向ける

ミスリードが多く見られる。

実際には全然関係ないのだが

マドレーヌの言動は

あからさまにあやしいので

ミステリを読み慣れた者ならかなり臭う。

 

例えばアランとの会話で

ブーローニュへ行くことを尋ねた後、

①「喉切り隊長も見つけるつもりなのね」

と発言するマドレーヌ。

「とおっしゃると――とおっしゃると、あの喉切り隊長も?あなた、あのも見つけるおつもりなのね?」

興奮のあまり、マドレーヌはうっかり「も」という危険な言葉をもらしてしまった。運よく、壁のむこうにいる二人は気づかなかったようだ。(P.155)

「も」というのは、

アランの真の目的は

メデューサ号と通信するためで

ついでに喉切り隊長も見つけるという意味。

壁のむこうでフランスの軍人たちに

話を聞かれているから危険な発言だった。

しかしこの会話の中で

もう1つ違和感があって

マドレーヌが喉切り隊長を

「男」と認識していること。

別に女が黒幕でも不思議は無いのに

男だと思わせたほうが都合がいいので

女犯人がよく使うミスリードです。

 

アランが喉切り隊長では?

と他の人が思っていて

マドレーヌがアランに直接尋ねると

アランは「もちろん、ちがうよ」と答える。

それに対してマドレーヌは

「あなたが喉切り隊長であるはずないじゃありませんか」

とやけに力強く断言したり(P.270)、

他にも憲兵たちがアランに発砲しても

「じっと落ち着きはらっていた」(P.332)というし

途中でマドレーヌは味方なのか敵なのか

よくわからない印象があった。

 

それに④フーシェがマドレーヌをテストして

スパイ活動をしていることを確信していた。(P.94)

どんなテストで確信したのかはわからないが

フーシェがつまらない嘘をつくと思えない。

その直後に銃声で会話が中断されて

結局その内容が明かされずに進むのも

カー先生が重要な手掛かりを隠す時の

お得意の伏線の張り方なので

「きっとこれは重要。マドレーヌあやしい」

と思い込んでしまう。

 

実際マドレーヌはか弱いふりを装って

裏で暗躍していても不思議はない。

アランも喉切り隊長は女性かもしれない(P.200)

「マドレーヌはまだ救える」(P.248)とか

意味深なことを言っていた。

イダがメルシエの鞄から

阿片チンキを盗んでいるのも見逃さなかったし、

逆にカップをすりかえて

イダを眠らせるという早業も使っている。

 

「マリー・マドレーヌ」という名前が

歴史上有名な毒殺魔

ド・ブランヴィリエ公爵夫人を連想させるのも

ミスリードだろうか。

ド・ブランヴィリエ公爵夫人は

「マリー・マドレーヌ・ドルー・ドブレー」

カーのお気に入りの犯罪者で

『火刑法廷』でも重要な役割で登場してくる。

 

章題にあるとおりマドレーヌは

「誤解されすぎた女」だったようだ。

 

 

ちなみに喉切り隊長の正体を

ナポレオンだと見抜く伏線はほぼない。

喉切り隊長がイギリスのスパイであるという

報告書をパリからブーローニュへ送ったが、

急使がまだ到着していないタイミングで

皇帝は喉切り隊長がイギリス人で

喉切り隊長の首に懸賞金を懸けたから

皇帝はすべて知っている=喉切り隊長と

フーシェは気づいたようだが

いつ急使を出していつ届くかなんて

読者にはわからないし……。

 

 

 

実行犯シュナイダーと殺害トリック

 

喉切り隊長の命令で歩哨を殺していた犯人は

シュナイダー中尉だった。

彼がどうやって群衆の中で

姿を見られずに歩哨を殺したか?という

殺害トリックはカーらしい解決がある。

 

黒ずくめの服装をしたシュナイダーが

反射ランプの死角をついて歩哨に近づき、

歩哨が背を向けている時に

柵越しにサーベルで刺し殺すというもの。

これは短剣が消えた4・5番目の殺人の時の方法で

短剣と喉切り隊長の挨拶状が残っていた

最初の1・2・3番目の殺人は

そもそも誰も見てないし警戒が薄いので

もっと簡単に殺していると思われる。

 

そのためシュナイダーのサーベルは

普通の兵が使うカーブしたサーベルではなく

まっすぐの刃をした

黒塗りのサーベルを使っている。

柵をまっすぐ貫通して刺すには

曲がっていてはいけないし、

刃が反射で光ってもバレてしまうから

黒塗りの刃になっているのだ。

 

【シュナイダーのサーベル】

シュナイダーのサーベルに関する説明。

この殺害トリックができる人物は

まっすぐなサーベルを持った人物しかありえない。

アランはそれを見ると、またシュナイダーに視線をもどした。ベルシー軽騎兵はエジプトであげた戦功により、軽騎兵連隊の中でもこの連隊だけはまっすぐなサーベルをさげていた。メルシエのサーベルはそりのはいったふつうの型だが、長さと重さは同じだった。(P.105)

 ↓

アランの挑発でその剣をもう少しで

シュナイダーが抜こうとする場面。

アランは微笑を浮かべた。

罪深い喜びでその顔は輝いていた。その微笑の背後から、わずかにくぼんだほおと、冷笑的な眉の下できらめいている切れ長の緑の目の背後から、長い間抑圧されていた本能と心の高ぶりが燃えたぎってあふれでていた。

「やってみたらどうだ?このいばりくさった豚め」彼は静かにいった。「さあ、なぜ、やらんのかね?」

ハンス・シュナイダーは顔をなぐられでもしたように、声をあげた。右手が素早くサーベルの柄にかかる。同時にアランの手がのびた。双方の刃がさやから三インチと出ないうちに、二人はまるで手に鞭の一撃をくらい、その鞭にまきつかれたように手をおさえられてしまった。

「それまで」入り口から、ジョゼフ・フーシェがいった。「それで十分だろう。もうけっこう。やめるんだ、二人とも」(P.105~106)

  • 実はアランはこの時すでに殺人犯がシュナイダーだと推理していて、確信を得ようとわざと煽って剣を抜かせて黒塗りの刃を見ようとしていたのだ。黒塗りの刃を見られたくないシュナイダーはなかなか剣を抜こうとしなかったが、アランの挑発にはさすがにキレてうっかり抜きそうになっていた。フーシェが止めると喜んで争いをやめたのもこの男らしくないという違和感を与え、アランが剣術も知略も度胸もすごいことがわかる良い描写。

 

【フーシェへの怒り】

アランとシュナイダーの剣を止めたフーシェは

自分の部下に手をあげたシュナイダーに

「今度やったら一兵卒に降等させてやる」

釘を刺すと大人しく剣を納める。

シュナイダーは自分がクビになったら

何人かの人間と

カタをつけてやると捨て台詞を吐いた。

  • この一件でフーシェに怒りを持ったシュナイダーは気球繋留場の殺人で「わたしの正体が知りたければフーシェに聞け」という書き付けを残してフーシェを事件に巻き込んだ。一方、犯人でもないのに巻き込まれたフーシェは激怒し、それを喉切り隊長(ナポレオン)がやらせたと勘違いして陛下への反発となり、最後ゴチャゴチャしたことになる。

 

そんなシュナイダーの最期。

【デュポンへの銃弾】

冒頭のジュール・デュポンとのやりとりで

すぐカッとなってデュポンの左肩を撃つ

好戦的なところを見せているが、

それがアダとなって最後はデュポンの弟に

敵討ちで殺されてしまうのはなんとも皮肉だ。

砂塵をあげながら、馬蹄の音がわら屋根の並んだ通りを遠ざかっていくと、三人の近衛兵の日焼けしたのどから、怒りの声があがった。いま一人の近衛兵が装填済みのマスケット銃を持って、ものもいわずに家からとびだしてきた。銃床を肩にあてる。もしほかのものたちがあわてて通りにとびだして邪魔さえしなかったら、その男は去っていく騎兵に弾丸をぶち込んだにちがいない。(P.18)

  • この近衛兵がデュポンの弟だったのだろう。

 

 

暗号の通信トリック

 

アランがブーローニュへ行った目的は

フランス軍内部の動きをつかんで

イギリスのメデューサ号に知らせるため。

どうやって通信するかというと

ブレイドウッド博士の「聾唖者用手話」

耳が聞こえず言葉が話せない人のための手話を

通信手段に使っている。

 

【聾唖者用手話】

アランはフランスの軍人たちが監視する

鏡の部屋でマドレーヌと会話しながら

別のメッセージを伝えるため

聾唖者用手話で通信していた。(P.144)

  • これがメデューサ号との通信でも使われた。

 ↓

【艦長の顔のしわまで見える距離】

そのメデューサ号は

いつもかなり近くまで接近するので

望遠鏡でのぞくと艦長の顔のしわまで

見えそうだという描写がある。

元帥は真鍮の望遠鏡を目にあてた。軍服の金の柏葉章がキラキラときらめき、大きな三角帽子が燃えるような空に黒くくっきりと浮かびでていた。あの望遠鏡で見れば、船の後甲板に立って、まだ望遠鏡を目にあてようともしないでいるメデューサ号の艦長の顔のしわまで見えるだろう。(P.27)

  • それぐらい近くまで来ているという描写なのだが、比喩ではなくそれくらい顔がはっきり見えるから、手話もはっきり見えますよという伏線。

 

欠点や疑問など

  • とにかく読みづらい。英仏の歴史に興味がないときつい。
  • 敵国のスパイを脅して言うことを聞かせるのは無理では?
  • 喉切り隊長なのに喉を切らない。正体を予想するのが難しいし、はっきりとした伏線が見つけられなかった。動機も説得力に欠ける。
  • 目の届きにくい端に移動して聾唖者用手話をさりげなくやっても、長文になるとどこかで不自然な動きになって気づかれると思う。3文字くらいなら通るが、50文字以上送ったらさすがにバレるよ。
  • 馬車に追いつこうとする理由がよくわからない。アランはナポレオンが乗っていると思ったらしいが……。
  • 姿を見られずに刺し殺すトリックの鍵である「反射ランプ」がどんなものか想像できない。一方には明るいが背後は見えにくいってことですよね?
  • ナポレオンが手下に歩哨を殺させていたが、シュナイダーのような輩を重用するのは考えにくいのだが。血気盛んですぐ攻撃してくるし逆恨みするし。
  • マドレーヌをあやしく思わせるミスリードが多いのに、結局なにも関わってない。ただの足手まとい役だった。
  • 剣の名手アランが剣抜かないのはもったいない。剣戟のない歴史ミステリなんて――。

 

裏旋探偵の推理

これさぁ、

マドレーヌがあやしすぎて

逆にマドレーヌ黒幕はないなと思った。

カー先生のやり方なら

愛し合う2人は最後は結ばれるようにするはず。

 

そこで俺が疑ったのは

フーシェの秘書ラウール・ルヴァスール。

こいつ序盤に出てきて銃を撃った発作で倒れて

以降まったく出て来ないという超脇役で

ほとんどの人の記憶から忘れられた人物。

 

カーの他作品に序盤少しだけ登場して

中盤以降完全に消えていた奴が犯人という

パターンがいくつかあるため、

ラウールが喉切り隊長だろうと推理していた。

しかし真相はその上をいく

皇帝ナポレオンとは……。

 

ナポレオンが喉切り隊長なんて

誰も当てられないと思うっす。

でも主要人物が黒幕じゃなくて

誰も意識していない人物という

近いところは突いていたので良かった。

 

 

あと印象に残ったのは

芦毛のファンシー・ガール。

メルシエの愛馬なんだけど

気球繋留場や三十彫像苑前での逃走劇で

脚を火傷で負傷しながらも

アランを無事に逃がしてくれる活躍。

かっこよかったです。

 

メルシエ……、

お前いいところ全然なかったな。

 

好事家のためのトリックノートトリック分類表

1-E、人間「意外な有名人トリック」

●犯人が有名人

【ナポレオン】

殺人鬼・喉切り隊長の正体はナポレオン・ボナパルトだった。

 

2-A、痕跡「密室トリック」

『犯行時犯人が室内にいなかったもの』

●窓、または隙間を通しての室外からの殺人

【柵の隙間】

反射ランプで見えにくい被害者の背後の死角に黒ずくめの服で近づき、柵越しに黒塗りのまっすぐなサーベルで刺し殺す。

 

7-B、言語「未知の言葉トリック」

●通信語④その他(手話など)

【聾唖者用手話】

通常の会話の最中に、指で聾唖者用手話を使って1文字ずつ別のメッセージを送る。

 

 

 

裏旋の読書レビュー倉庫へ

自分が何冊くらい
推理小説を読んだのか?
その備忘録のようなもの。

ブログを始めてから
読んだ作品は
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外国人作家

 

●コナン・ドイル
「シャーロック・ホームズの冒険」
「シャーロック・ホームズの思い出」
「シャーロック・ホームズの帰還」
「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」
「シャーロック・ホームズの事件簿」
「シャーロック・ホームズの叡智」
「緋色の研究」
「四つの署名」
「バスカヴィル家の犬」
「恐怖の谷」
「ドイル傑作集1」

●エドガー・アラン・ポー
「モルグ街の殺人事件」
「黒猫・黄金虫」
「ポオ短編集」

●ジョン・ディクスン・カー
「カー短編集1」
「カー短編集2」
「カー短編集3」
「幽霊射手 カー短編集4」
「黒い塔の恐怖 カー短編集5」
「ビロードの悪魔」 10点
「猫と鼠の殺人」
「夜歩く」
「帽子収集狂事件」
「魔女の隠れ家」
「青銅ランプの呪」
「絞首台の謎」
「髑髏城」
「弓弦城殺人事件」
「死時計」
「テニスコートの謎」
「仮面荘の怪事件」
「魔女が笑う夜」
「囁く影」
「震えない男」
「青ひげの花嫁」
「恐怖は同じ」
「時計の中の骸骨」
「眠れるスフィンクス」
「騎士の盃」
「ハイチムニー荘の醜聞」
「墓場貸します」
「赤い鎧戸のかげで」
「死の館の謎」
「亡霊たちの真昼」
「蝋人形館の殺人」
「毒のたわむれ」
「剣の八」
「盲目の理髪師」
「プレーグ・コートの殺人」
「白い僧院の殺人」
「三つの棺」
「火刑法廷」 8点
「皇帝のかぎ煙草入れ」 9点
「ユダの窓」 9.5点
「死が二人をわかつまで」 8.5点
「貴婦人として死す」 8.5点
「緑のカプセルの謎」 7.5点
「喉切り隊長」 7.5点

●エラリー・クイーン
「クイーン検察局」
「エラリー・クイーンの冒険」
「Xの悲劇」
「Yの悲劇」
「Zの悲劇」
「レーン最後の事件」
「ローマ帽子の謎」
「フランス白粉の謎」
「オランダ靴の謎」
「ギリシア棺の謎」
「エジプト十字架の謎」

●G・K・チェスタトン
「ブラウン神父の童心」
「ブラウン神父の知恵」
「ブラウン神父の不信」
「ブラウン神父の秘密」
「ブラウン神父の醜聞」
「木曜の男」

●ガストン・ルルー
「黄色い部屋の謎」
「黒衣婦人の香り」
「黄色い部屋の秘密」 9点

●イズレイル・ザングウィル
「ビッグ・ボウの殺人」

●E・ガボリオ
「ルコック探偵」

●ジャック・フットレル
「思考機械」
「思考機械の事件簿」
「思考機械の事件簿2」

●R・オースチン・フリーマン
「ソーンダイク博士の事件簿」
「ソーンダイク博士の事件簿2」
「赤い拇指紋」

●アガサ・クリスティー
「ポアロ登場」
「ミス・マープルと十三の謎」
「パーカー・パインの事件簿」
「アクロイド殺害事件」
「スタイルズ荘の怪事件」
「そして誰もいなくなった」 8.5点
「秘密機関」
「ゴルフ場殺人事件」
「茶色の服の男」
「チムニーズ館の秘密」
「ビッグ4」
「ポアロのクリスマス」 8点

●バロネス・オルツィ
「隅の老人」
「隅の老人の事件簿」

●S・S・ヴァン・ダイン
「ベンスン殺人事件」
「カナリヤ殺人事件」
「グリーン家殺人事件」
「僧正殺人事件」
「カブト虫殺人事件」
「ケンネル殺人事件」

●F・W・クロフツ
「フレンチ警部最大の事件」
「海の秘密」
「ヴォスパー号の遭難」
「樽」
「ポンスン事件」
「製材所の秘密」
「スターヴェルの悲劇」
「殺人者はへまをする」
「ギルフォードの犯罪」
「蜘蛛と蠅」
「列車の死」
「関税品はありませんか?」
「フローテ公園の殺人」
「フレンチ警部とチェインの謎」
「フレンチ警部と紫色の鎌」
「マギル卿最後の旅」
「英仏海峡の謎」

●リチャード・ニーリィ
「殺人症候群」
「オイディプスの報酬」
「心ひき裂かれて」

●ロナルド・A・ノックス
「陸橋殺人事件」

●A・A・ミルン
「赤い館の秘密」

●E・C・ベントリー
「トレント最後の事件」

●フィリップ・マクドナルド
「鑢 ー名探偵ゲスリン登場ー」
「ゲスリン最後の事件」

●ドロシー・L・セイヤーズ
「毒」
「ピーター卿の事件簿」

●クリストファ・ブッシュ
「完全殺人事件」

●クリストファー・ランドン
「日時計」

●ジェームズ・ヒルトン
「学校の殺人」
「心の旅路」

●M・R・ラインハート
「螺旋階段」

●S・A・ステーマン
「六死人」
「マネキン人形殺害事件」

●ランドル・ギャレット
「魔術師が多すぎる」

●ニコラス・ブレイク
「野獣死すべし」

●イーデン・フィルポッツ
「溺死人」
「赤毛のレドメイン家」
「灰色の部屋」

●フレッド・カサック
「殺人交差点」

●ビル・S・バリンジャー
「歯と爪」

●スタンリィ・エリン
「鏡よ、鏡」

●パトリシア・モイーズ
「死人はスキーをしない」

●ハーバート・レズニコウ
「ゴールド1/密室」

●ブリス・ペルマン
「顔のない告発者」

●メルヴィル・D・ポースト
「アンクル・アブナーの叡知」
「アブナー伯父の事件簿」

●オーガスト・ダーレス
「ソーラー・ポンズの事件簿」

●アーサー・モリスン
「マーチン・ヒューイットの事件簿」

●アーネスト・ブラマ
「マックス・カラドスの事件簿」

●モーリス・ルブラン
「強盗紳士」

●レックス・スタウト
「毒蛇」
「腰ぬけ連盟」

●ジョルジュ・シムノン
「男の首」

●ミッシェル・ルブラン
「殺人四重奏」

●ロイ・ヴィカーズ
「迷宮課事件簿1」

●ジューン・トムスン
「ホームズの秘密ファイル」

●エドワード・D・ホック
「密室への招待」
「怪盗ニック登場」

●ロアルド・ダール
「あなたに似た人」

●ジェームズ・アンダースン
「血のついたエッグ・コージィ」

●アンソニー・ホープ
「ゼンダ城の虜」

●ジョンストン・マッカレー
「怪傑ゾロ」

●ウイリアム・アイリッシュ
「幻の女」

●アントニイ・バークリー
「毒入りチョコレート事件」
「ピカデリーの殺人」

●フランシス・アイルズ
「殺意」

●リチャード・ハル
「伯母殺人事件」

●A・E・W・メースン
「矢の家」

●ウイルキー・コリンズ
「月長石」

●ジョン・バカン
「三十九階段」

●ウンベルト・エーコ
「薔薇の名前」

●ジョセフィン・テイ
「時の娘」

●ハリィ・ケメルマン
「九マイルは遠すぎる」

●パット・マガー
「被害者を捜せ!」

●パトリック・クェンティン
「二人の妻を持つ男」

●ヘイク・タルボット
「魔の淵」

●ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ
「赤い右手」 7.5点

●キャロル・オコンネル
「クリスマスに少女は還る」 8点

●ピエール・ルメートル
「その女アレックス」 7点
「悲しみのイレーヌ」 7.5点

●セバスチアン・ジャプリゾ
「シンデレラの罠」 7点

●ジェフリー・アーチャー
「百万ドルをとり返せ!」 8点

●セオドア・ロスコー
「死の相続」 9点

●ロバート・A・ハインライン
「夏への扉」 7.5点

●ブリジット・オベール

「マーチ博士の四人の息子」 8点

 

■短編集
「世界短編傑作集1」
「世界短編傑作集2」
「世界短編傑作集3」
「世界短編傑作集4」
「世界短編傑作集5」
「毒薬ミステリ傑作選」
「暗号ミステリ傑作選」
「密室大集合」
「探偵小説の世紀(上)」
「探偵小説の世紀(下)」
「シャーロック・ホームズのライヴァルたち①」
「シャーロック・ホームズのライヴァルたち②」

 

 

 

日本人作家


●江戸川乱歩
「日本探偵小説全集2」

●筒井康隆
「ロートレック荘事件」 8点

●中町信
「模倣の殺意」 9点

●乾くるみ
「イニシエーション・ラブ」 8点
「セカンド・ラブ」 8.5点
「リピート」 7.5点

●綾辻行人
「十角館の殺人」 9点
「水車館の殺人」 7.5点
「迷路館の殺人」 7.5点
「人形館の殺人」 7点

●歌野晶午
「葉桜の季節に君を想うということ」 9.5点

●道尾秀介
「向日葵の咲かない夏」 7点
「透明カメレオン」 8.5点
「カラスの親指」 7.5点
「いけない」 8点

●高野和明
「13階段」 8.5点

●殊能将之
「ハサミ男」 7点

●麻耶雄嵩
「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」 9点
「隻眼の少女」 8.5点
「夏と冬の奏鳴曲」 8点
「痾(あ)」 7.5点
「鴉」 7.5点
「螢」 8.5点

●西澤保彦
七回死んだ男」 9.5点

●岡嶋二人
焦茶色のパステル」 8点

●森博嗣
すべてがFになる」 8.5点
冷たい密室と博士たち」 7点
「封印再度」 6.5点
「数奇にして模型」 7.5点
「有限と微小のパン」 8点

●我孫子武丸
「殺戮にいたる病」 8.5点

●入間人間
「昨日は彼女も恋してた」
「明日も彼女は恋をする」
 8点

●深水黎一郎
「最後のトリック」 6.5点
「美人薄命」 6.5点

●早坂吝
「〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件」 8点

●小泉喜美子
「弁護側の証人」 7.5点

●飛鳥部勝則
「堕天使拷問刑」 10点
「殉教カテリナ車輪」 8.5点
「ラミア虐殺」 7.5点
「黒と愛」 7.5点

●倉知淳
「星降り山荘の殺人」 8.5点

●島田荘司
「占星術殺人事件」 8.5点
「斜め屋敷の犯罪」 9点

●門前典之
「屍の命題」 9点
「首なし男と踊る生首」 8点

●七月隆文
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」 8点
「天使は奇跡を希う」 7点

●越谷オサム
「陽だまりの彼女」 5点

●連城三紀彦
「戻り川心中」 8.5点
「変調二人羽織」 8.5点

●朝井リョウ
「武道館」 7点

●堂場瞬一
「ラストダンス」 7点

●梶龍雄
「龍神池の小さな死体」 9点

●住野よる
「君の膵臓をたべたい」 6点

●乙一
「夏と花火と私の死体」 8点
「GOTH 夜の章」 8点
「GOTH 僕の章」 8.5点
「暗いところで待ち合わせ」 8点

●多島斗志之
「黒百合」 9.5点
「離愁」 7点

●秋吉理香子
「聖母」 8.5点

●城平京
「名探偵に薔薇を」 7点

●山田正紀
「人喰いの時代」 7点
「ブラックスワン」 8点

●久米康之
「猫の尻尾も借りてきて」 8.5点

●服部まゆみ
「この闇と光」 7.5点

●長沢樹
「消失グラデーション」 6.5点

●天樹征丸
「電脳山荘殺人事件」 8.5点

●横溝正史
「本陣殺人事件」 8点
「獄門島」 9点
「犬神家の一族」 9.5点

●友井羊
「ボランティアバスで行こう!」 8点

●中山七里
「連続殺人鬼カエル男」 7.5点
「さよならドビュッシー」 6.5点

●中西智明
「消失!」 9点

●天藤真
「大誘拐」 8.5点

●鯨統一郎
「冷たい太陽」 7点

●新海誠
「小説 君の名は。」 8.5点

●高畑京一郎
「タイム・リープ あしたはきのう」 9.5点

●嶽本野ばら
「エミリー」 6点

●伊坂幸太郎
「アヒルと鴨のコインロッカー」 9点

●山田悠介

 

 

 

「僕はロボットごしの君に恋をする」 7点

 

●志駕晃

「スマホを落としただけなのに」 7点

●相沢沙呼

「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」 8.5点

「invert 城塚翡翠倒叙集」 7点


●今村昌弘

「屍人荘の殺人」 9点

「魔眼の匣の殺人」 7.5点

「兇人邸の殺人」 7.5点

 

●東野圭吾

「仮面山荘殺人事件」 7.5点

「ある閉ざされた雪の山荘で」 8.5点

「容疑者Xの献身」 8点

 

●藤崎翔

「逆転美人」 7.5点

 

●杉井光

「世界でいちばん透きとおった物語」 7点