「アルカリ性だから肌に良い」は根拠無し | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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とあるメーカーのQ&Aで

せっけんはアルカリ性です。アルカリ性のせっけんで顔を洗うと、一時的にお肌はアルカリ性になります。お肌は本来の弱酸性に戻ろうと自身の力で中和を始めます。このアルカリ性から弱酸性に戻そうとするお肌の働きが、お肌をきれいにしていきますので、せっけんはアルカリ性がおすすめです。

とあったのですが本当ですか?



本日頂いた質問です。


これはもういろんなメーカーや美容家、お医者さんが口をそろえて言いますね。

『石けんはアルカリだから肌に良い!』

という主張です。


「アルカリ石けん美肌論」とでも名づけましょうか(^_^;)


このアルカリ美肌論を簡単に説明しますと、


・皮膚の汚れ(皮脂類)は弱酸性。だから石けんで洗わないと落ちない。

・肌は弱酸性で健康。石けんで洗うと一時はアルカリになるが、それを中和するために肌が弱酸性物質を作るようになる。弱酸性の洗剤ではこのシステムが働かなくなる。

・アルカリ性の石けんは肌に残っても皮脂などで中和できるから安全。(合成洗剤は中和できないから危険)



と、こんなところでしょうか?


なんだか話を聞く限りだとなんとなく信ぴょう性ありそうな気がしますし

そう主張する人が本当に多いので「そうなのかも~」と思ってしまう気持ちも分かります(^_^;)




ただかずのすけはこの主張は間違っていると考えています。


そもそもアルカリ石けん美肌論には科学的な根拠がありません。



何を隠そう僕は大学に入る直前くらいまでずっと石けんを使っていました。


上記の理論で言えば石けんを使えば肌はキレイになるということですが、

石けんの時は僕はずっとアトピーに悩んでいましたし、

肌の状態はむしろ最悪で常に乾燥との戦いでした。



それを弱酸性の低刺激洗剤に変更して4~5年(洗顔は1年半くらい)というところですが、

肌の状態は年々正常化していき今ではアトピーを疑われるほどに回復しています。



確かに市販のやっすいラウレス硫酸Naとかオレフィンスルホン酸Naとかの洗顔料よりは石けんの方が良かったのは事実です。

だから「まだマシ」な石けんで長年洗ってたわけですけど、

ただ洗剤のことをしっかり勉強すると

石けんは肌に良いとは絶対に言えません。




まず皮脂類は弱酸性です。

それは間違いありませんね。

そしてだから石けんはまずいのです。


石けんはアルカリ性の洗剤なので弱酸性の皮脂類をよく落とします。

こういう油脂系の汚れを落とすのにはある意味非常に相性の良い洗剤なのです。


しかし健康な肌には必要量の皮脂が残っていなければなりません。

毎回洗浄のたびに全部取っ払う必要なんてありませんし、

わざわざ必要な皮脂を奪って高い化粧品で油分を補うって…

それってすごく無駄が多いし燃費が悪い気がしませんか?



もちろん皮脂汚れも残しすぎは問題なので、

その人にあった適切な洗浄力がやっぱり求められるわけですが

やっぱり石けんじゃ強すぎるっていう人は結構多いと思います。


要らないのは表面の酸化脂質だけですから、

そこだけ上手く洗ってくれるくらいの穏やかな洗浄力の洗剤の方が肌には良いはずです。



また、確かに肌にはアルカリ性を中和する機能が備わってます。

なぜだと思います?

それは肌にとって「アルカリ」という環境が好ましくないからです。


雑菌やウイルス類はアルカリ性で繁殖しやすいですし、

肌を守る「セラミド」というバリア物質はアルカリ状態では生成されません。

だから肌は肌の緊急セキュリティとして皮膚表面がアルカリになるとできるだけ早く肌の状態を弱酸性に整えようとするわけです。

弱酸性の「皮脂」というものを過剰分泌させて。


脂が出すぎてテカるとか、脂漏性湿疹の原因は皮脂の過剰分泌です。

ニキビも脂が出すぎて毛穴が詰まるからですし、角栓だって同じです。

脂がたくさん出る状態になっているのを「肌がキレイになってる」とは僕は言えません。


30分や1時間でアルカリが弱酸性に戻る、

といっても、

別にわざわざ石けんで洗って肌にとって危険な状態を作る必要なんてさらさら無いと思います。


弱酸性が健康なら常に弱酸性で居させてあげれば良くないですか?(^_^;)





最近ではアミノ酸系界面活性剤とかカルボキシレート(酢酸)系洗剤とか、

皮膚洗浄に長けた弱酸性の界面活性剤が実用化されてきています。


これらの洗剤は皮膚への刺激性がかなり低く、その低刺激性は世界的に認められています。

肌に残ってもほとんど刺激になりませんし

石けん同様自然界に存在する物質でできているので生分解も受けやすいです。




最近ではこれらの洗浄剤を使うとアトピーや敏感肌の改善効果が見込める、

という臨床試験の研究論文も出てきています。


A new formula for a mild body cleanser: sodium laureth sulphate supplemented with sodium laureth carboxylate and lauryl glucoside

International Journal of Cosmetic Science Volume 36, Issue 4, pages 305–311, August 2014



Effects of washing of the face with a mild facial cleanser formulated with sodium laureth carboxylate and alkyl carboxylates on acne in Japanese adult males.
Skin Res Technol. 2015 May;21




まさにオフスキンケアそのものなんですけどね…。。

僕と同じ考えを抱いている研究者は少なくないようです。





というわけで

アルカリ石けん美肌論は

全く根拠の無い空想論ということになると思います。

実際に昔からの文献でも石けんは皮膚への刺激が強くて乾燥肌や炎症を誘引する性質が強い、というのは常識的に書かれています。



単に製造コストが低くナチュラル嗜好の人たちに受けやすいという理由で昔からメーカーがこぞってポジティブキャンペーンをしてきただけで、

本当は特に肌に良い洗剤というわけではありません。



肌の強さには人それぞれ開きがあり、

健全な肌を持っている人にとっては過不足なしの洗剤になるかもしれませんが

生まれつき肌の機能が常人に比べて劣っている人にとっては、

石けんはかなり刺激的な洗剤ということになるでしょうね。






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