千葉県鎌ケ谷市で特許事務所を経営している弁理士かめやまです。
最近、弊所においてよく考える経営のテーマは10年ビジョンです。
「10年後、弊所はどうなっていたいのか?」
これ、簡単そうで、結構難しいです。
- 売上を○億円にしたい。
- 社員を○人にしたい。
- 新しい事業を立ち上げたい。
もちろん、これらも大切です。
ただ、よく考えてみると、これらは全部「自社がどうなりたいか?」なんですよね。
一方で、その会社が10年後に実現したい、お客様の姿は何なのか?と聞かれると、一段難しくなります。
しかし、特許事務所の10年ビジョンを考えるときにも、実はこちらの問いのほうが大切なのではないかと思っています。
たとえば、新商品を開発した社長さんから相談を受けたとします。
すると、
「特許を取れますか?」
「商標を取ったほうがいいですか?」
「デザインも意匠登録したほうがいいですか?」
という話になります。
もちろん、弁理士なので、そこは考えます(笑)
ただ、その前に知りたいのは、
クライアント企業は、その新商品を通して、お客様の生活をどう変えたいのか?
ということです。
- お客様が困っていることを解決する。
- 今まで面倒だったことを楽にする。
- ちょっと楽しい気持ちになってもらう。
- その商品を選ぶことで、地域や社会にも良いことが起こる。
そう考えていくと、守るべきものも変わってきます。
技術そのものが重要なら、特許。
商品の見た目が価値を生んでいるなら、意匠。
名前を覚えてもらうことが大切なら、商標。
さらには、営業方法、製造ノウハウ、顧客データなど、「特許として開示しないほうがよいもの」だってあります。
つまり、知財戦略は、「何が登録できるか?」から考えるものではなく、「会社はどんな未来をつくりたいのか?」から逆算するものなのだと思います。
これは経営計画にも似ています。
10年後を考える。
そこから5年後、3年後、1年後へ戻ってくる。
そして、「では、今週何を一つやめて、何を一つ始める?」まで落とし込む。
知財も同じで、10年後にこういう会社になっていたい。
そのためには、この技術が必要。
このブランドも育てたい。
このノウハウは社内に残したい。
だから、今、この特許を取っておこう。
この商標を押さえておこう。
このノウハウはあえて出願せず、社内で管理しておこう。
という順番になるわけです。
弁理士に相談すると、すぐに「出願しましょう!」と言われそうなイメージがあるかもしれません。
でも、本当は、「社長は、この事業をどうしたいんですか?」というところから、一緒に考えるほうが面白いと思います。
そして、その話を聞いた結果、「今回は特許を取らなくてもよいのでは?」という結論になることだってあります。
知財は経営の目的ではありません。
経営者が描いた未来を実現するための、ひとつの道具です。
だからこそ、「何を取れるか?」だけではなく、「何を実現したいのか?」から知財の話を始めたいな~と思います。
そんなことを最近考えています。
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