感情が体験の意味を決めるのだとして、

「なぜ意味を決める必要があるのだろう?」と深堀りしてみました。

 

 

 

それは感情の性質を考えるとよくわかるのですが、

 

感情はとても賞味期限が短いものである

 

というところが大きな要因だろうと考えています。

 

 

 

感情の移ろいやすさについては、

感情の満ち引きを観察するトレーニングを続けているとわかってくると思います。

 

 

 

 

 

 

例えばぼくの場合、

 

映画をみて感動した時、

その感動がうちに帰る頃まで同じ強さで胸をうち続けることはありません。

(個人差はあると思います。)

 

 

 

なので、その映画の感動を無限に味わい続けることはできず、

一定の賞味期限をもって感情は薄れていくということになります。

 

 

 

ただここで例えば、

 

・「映画館で見る映画は感動が深い

・「あの監督の映画は面白い

 

という、”意味”をつけるとどうなるでしょう。

 

 

 

もしかするとまた同じ感情を味わえる様に、

あの監督の映画を、映画館で見るために再度足を運ぶかもしれません。

 

 

 

 

 

 

”意味”化したものは言葉です。

言葉の最大の特徴はその保存性です。

 

映画を見たその日の感情は翌日には薄れていますが、

 

「あの監督の映画は面白い」と言葉にしたらそれは翌日も同じ、

「あの監督の映画は面白い」のままです。

 

 

 

こうして人は感情を意味というジップロックに詰めて保存しようとする傾向がある、

なんてことを思いました。

 

 

 

その一つの目的は、またあの感情を味わえる様に、ですが、

逆にもう2度とあの感情を味わいたくないから、

という場合もあります。

 

 

 

 

 

例えば昨日は東京でも雪が降り、

今朝は道路が雪や氷で滑りやすかったので、幼稚園に息子くんを歩いて送って行きました。

(普段は自転車です)

 

 

 

それはぼくがこれまでの人生の中で、

 

・雪の中ノーマルタイヤで突っ込んで動けなくなったときの気持ち

・氷の上で思いっきり転んで怪我をした時の痛み

・実家の母親が滑って骨折し、人工骨盤になったときの気持ち

 

を、

 

「雪や氷は危険なものである」

 

という意味のジップロックに保存してきたからだろうと思います。

 

 

 

 

 

 

ところが息子くんにはその”体験”も”意味のジップロック”もないので、

 

グラサン「今日は雪もあるしジャンバー着てきな!」

イヒ「絶対やだ!」

 

と、いつもはきるジャンバーをなぜか着ない。笑

 

 

 

そして登園中は自分が雪かきマシーンだといって足を滑らせながら歩き、

見事に何度も転んでいました。

 

 

 

同じ感情を伴った体験をしていないのに、

意味だけを伝えるということは本来難しいことなんだと思います。

だからこそ言葉は通じても分かり合えないことがあるのも当然なのだと思います。

 

 

 

 

 

「感情」の賞味期限を「意味」のジップロックで保存してきたとしたなら、

今自分が握りしめている意味の一つ一つをゆっくり開封してみると、

そこにはきっと、

 

・もう一度味わいたかったあの感情

・もう二度と味わいたくないあの感情

 

が、あるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

だとすると「意味」のジップロックはただの無色透明なジップロックで、

それは他のものでも良かったのかもしれない、と考えることもできます。

 

 

 

そう考えることで、

いま握りしめて放せない自分の前提や思い込みについても、

もしかすると薄めていくことができるのかもと、

感情の賞味期限と意味の保存性を考えながら思いました。

 

 

 

自分がこれまでノートに書いた言葉を見返して、

もとの感情を辿ってみると面白いかもしれませんね。

 

 

 

 

 

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