フランスキッチン事情 -　キュイジーヌ・アメリケンヌとキュイジーヌ・ディナトワール

息子からのフォトレターです。

ブログに載せると言ったらたくさん撮って送ってくれました。

春になって、断捨離熱が再発しています。

我が家のキッチンは、フランス流でいうとキュイジーヌ・アメンリケンヌ（アメリカンキッチン）で、リビングとキッチンの間がカウンターで仕切られているタイプです。

ちなみにパリのオスマン建築の高級アパルトマンの多くは、昔、お手伝いさんがお料理をしていたということもあり、キッチンがサロンから離れて独立している場合がほとんどなのです。

なので、若いカップルがアパートを買うとき、キッチンがリビングと隣接していて、その間の壁を壊せるかどうかがポイントになります。

フランスのニューファミリーは、お友達と談笑しながらおつまみを用意したり、子供を遊ばせながらお料理をしたりというライフスタイルを好むので、パリのように古い時代に建てられたアパルトマンは、入居者が変わるたびに改装されて、外側は昔のままですが、中はモダンな感じになっているところも多いのです。

我が家のアパルトマンは、前の持ち主がモダンに改装してくれていたので、工事をすることなくすぐに入居することができたのですが、住んでみると、まだまだ変えたいところがあって、大掛かりにリノベーションをしたい気持ちと、もっと郊外に移ってお庭のある一軒家に住みたい気持ちの間に揺れ動いています。

夫が会社帰りに買ってきたチューリップが開いてきたので、二つに分けて飾ってみました。

ここ数日、お天気が良くで気持ちが良かったので、冷たく冷やしてたブルゴーニュのシャルドネでアペリティフをしました。

我が家には、大きなダイニングテーブルがあるのですが、実はそのテーブルはほとんど飾り（笑）で、来客の時しか使いません。

夫と二人や息子も入れて３人のときは、キッチンの小さな白いテーブルにくっついて座って、頭を寄せ合って食事をしています。

なぜなら、作ったお料理を運ぶのが面倒だからです。

アメリカンキッチンなので、カウンター越しにお料理を出せばいいのでしょうが、狭いキッチンで肩を寄せ合って食べているのは、キッチンで食べるというのが、私の憧れだったからなのです。

なぜそんなことが憧れかというと、パリでシングル生活（正確に言うとシングルマザー生活）を送っていた頃、何軒かの賃貸アパートに住んだのですが、どのアパルトマンも暖炉があったり、床が味わいのある木の床だったりで、とっても素敵だったのですがキッチンが狭かったのです。

仲良くなったフランス人家庭にお呼ばれするたびに、アパルトマンの中を案内してもらうのですが、どんなに立派なダイニングがあっても、彼らはキッチンで食事をするのが好きなようで、たとえ狭くても朝食用のミニテーブルを置いたり、ちょっと高さのあるカウンターを設置したりしていて、ここでプチ・デジュネを食べるんだよって嬉しそうに教えてくれるのでした。

少し広めのキッチンの場合は、テーブルを置いて、キュイジーヌ・ディナトワール（ディナーが食べれるキッチン）と言って、不動産広告などに、誘い文句として書けるくらい、フランス人はキッチンで食事をするのが好きな人が多いのです。

キュイジーヌ・ディナトワール（Cuisine dinatoire）の例です。

（写真はお借りしました。）

というわけで、夫と一緒に購入した新居のキッチンは、キュイジーヌ・アメリケンヌではありますが、キュイジーヌ・ディナトワールと言えるほどの広さはありません。

それでも、シングル時代のパリ暮らしの頃からの夢を実現して、ちょっと狭いですが、キッチンにテーブルを置いて食事をしたりアペリティフをしたりするのを楽しんでいます。

断捨離のことを書こうと思ったのに、フランスのキッチン事情の話になってしまいました。

我が家は、東側にキッチンがあり西側がサロンなのですが、アメリカンキッチンなので、全体が繋がっていて、春になって暖かくなって東と西の窓を開け放していると、風が流れてとても気持ちがいいのですが、埃が舞うのです。

なので、今まで断捨離熱が沈静化していたのですが、もっと物を減らして掃除を楽にしたいという気持ちが芽生えてきたのです。

そうしたら渡りに船で、テレビが壊れたのです。

実は私はサロンにテレビがあるのがあまり好きでなくて、でも夫がテレビっ子なので、移動できないでいたのですが、これを機会にテレビの断捨離をすることにしました。

今のところ、夫には言っていませんが、とりあえず壊れたテレビを捨てて、新しいのを買わないように、うまく持っていこうと画策中です。

テレビがないと埃のたまるところが少なくなってすごく快適です。

いつか田舎に農家の一軒家みたいなのを買うことができたら、夫のためにシアタールームという名のテレビ部屋を作って、そこにこもっていてもらえば、私はサロンを独り占めして、ゆったりと自分時間を楽しめるといる算段までしている私です。

我が家の近くです。

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