パリで学んだ良い加減 - パリ症候群にならないために | ミカリュス ブルガリスの心の薬箱

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辛い恋とはさようなら。自分らしく幸せに生きる処方箋をフランス・パリから綴っています。

在仏日本大使館の顧問医をしていらっしゃる太田博昭医師が書かれた書籍『パリ症候群』。

 

もう長い間絶版になっており、太田先生自身も手元に1冊しかお持ちでないとのことでしたが、お会いする機会があり先生からその貴重な1冊をお借りして読んだことがあります。

 

 

日本のアマゾンでは、中古が販売されているようです。

パリ症候群

 

 

 

 

ご存じない方のために、ウィキペディアから少し抜粋してみますね。

 
パリ症候群syndrome de Paris)とは、異文化における適応障害の一種であり、カルチャーショックの一種。「流行の発信地」などといったイメージに憧れてパリで暮らし始めた外国人が、現地の習慣や文化などにうまく適応できずに精神的なバランスを崩し、鬱病に近い症状を訴える状態を指す。
 
現代では「パリにやってきてほどなく生気を失った顔で帰国する日本人女性」はパリにおける一種の名物ともなっており、近年では、増加した中国人観光客の中にも、パリ症候群を発症する人が増えているという。
 
 
 
発症しやすい人物像
 
発症者の多くは、裕福な家庭に育った20 - 30代の日本人女性である。この中の多くの者は、小説や映画などによってつくられたイメージに影響を受け、パリでファッション・旅行・メディアなどの仕事に就くことを希望したり「留学」「ワーキング・ホリデー」のため渡仏した場合が多い。
 
そのイメージとは具体的には下記のようなもので、現実のパリとは程遠いこうした虚飾を煽り立てているのが、雑誌などのマスメディアであるという。
 
 
・街中をファッションモデルのような人たちが歩いている。
・みんなルイ・ヴィトンを身に着けている。
 
 
 

原因と症状

 

 

内的な要因としては、前出の様に胸に描いてきた理想のパリと現実のそれとのあまりの落差(好例は「絵画のような美しい街並」とのイメージに対する現実の薄汚れた街並など)に対する当惑や、求める職が見つからない、語学(フランス語)も上達しない、などが重なることである。外的な要因としては、「場の空気」と表現されるような、感情を敏感に察して思いやってくれる日本の文化でのコミュニケーションと異なる、自分の主張を明確に伝えることが要求されるフランスの文化に適応できなくなっていることがある。

 

典型的な症状としては「フランス人が自分たちを差別している」などの妄想や幻覚を抱く、パリに受け入れられない自分を責める、などである。

 
 
 
 
 
皆さま
 
これを読んでどう思われましたか?
 
この本が書かれたのは1991年のことですので、今のようにインターネットが発達していない時代だったので、マスメディアが発信する『素敵なパリエッフェル塔凱旋門フランスパントリコ☆ハート』のイメージだけが先走っていたのでしょうね。
 
今は、パリ在住の皆さまが、ブログを通じて、『今日もこんなとんでもないことがありました』とフランス社会と戦っている様子をアップしてくださっているので、キラキラしたパリだけを妄想して移住してくる方はいないですよね。
 
 
 
 
 
 
 
実は私は、パリに住み始めたときには、『パリ症候群』という現象があることは全く知りませんでした。
 
 
 
 
初めてこの言葉を知ったのは、パリに住み始めて1年ほど経った頃、友人宅で出会った年配の日本人女性との会話の中でした。
 
その女性は、私が子供と一緒にパリで暮らしていることを知ると、
 
 
『あなたみたいなタイプがパリ症候群になるのよ。』
 
 
と怖い顔で忠告してくれたのです。
 
 
 
そのとき、パリ症候群の意味はよくわからなかったけれど、
 
 
パリに長く住んでいる年配の女性ってなんだか怖いなあ。大泣きうさぎ
 
関わらないようにしよう。ショックなうさぎ
 
 
と思ったことを覚えています。
 
 
 
 
その方以外にも、ちょっと上から目線で、パリでの生活はそんなに甘くないみたいな親切な忠告をしてくれる年上の女性が何人かいらっしゃいました。
 
 
 
 
でも、反対に、
 
 
 
まあそれは素敵ねえ。
お子さんは幸せね。
 
 
 
と、肯定的に捉えてくださり、優しい笑顔で接してくれる年上の女性もいたのです。
 
 
 
 
 
それらの年上の女性の雰囲気は、明らかに違っていました。
 
怖い顔をして忠告してくださるタイプの方は、今思うと、その方自身が「パリ症候群」に陥っていたのにもかかわらず、良いタイミングで日本に帰ることをせず、結婚もせず、定職も持たず、日本人相手のアルバイトなどで生活をつなぎながら、日本から来る夢を持ってやってきた若い女性を批判することで、精神のバランスを保っていらっしゃるような印象でした。
 
 
 
反対に、肯定的に捉えて応援してくださるタイプの方は、幾多の苦労があったにせよ、それを表に出すことなく、それゆえに苦労が顔に出ず、柔和で上品な雰囲気を醸し出されている素敵な女性たちでした。
 
 
 
 
 
 
ということで今日は、同じようにパリに長く暮らしている女性の中でも、パリの暮らしに馴染んで幸せに暮らしているか、不満を抱えながら暮らしているかを分けるポイントはどこなのかについて考察してみたいと思います。
 
 
 
 
ポイント1
 
・ライフワークとも言える職業がある。
(アーティスト、デザイナー、イラストレーター、作家、料理人、パティシエ、ソムリエなど)
 
稼いでる額はそれほど関係ありません。
たとえ趣味でも熱中できることがあることが大切なようです。
 
 
 
・もしくは、正社員としてそこそこ福利厚生の整った優良企業で働いている。
 
 
・もしくは、長期(一生)のバカンスと割り切って、好きなことだけして暮らしている。(お金がある。)
 
 
 
 
ポイント2
 
・男運が良い。
 
これを言っては身も蓋もないのですが、実際のところ、異国の地で悪い男にひっかかると落ちるとこまで落ちる危険性があります。
 
また離別・死別などの事情で、現在パートナーがいらっしゃらなくても、男性から大切に扱ってもらった経験のある女性は、年を重ねてもギスギスしたところがなく、おっとりしていらっしゃる方が多いように感じています。
 
 
 
 
・フランス語が堪能
 
もしくは、英語がネイティブ並みでパリの外国人社会、及び外国人と交流を持ちたいフランス人たちとのネットワークの中で居心地よく暮らせている。
 
 
 
 
 
 
反対に「パリ症候群」になってしまう方は、上記の反対で、特にパリでライフワークにするほどのやりたいこともなく、真面目で完璧主義なことから、フランス的な良い加減に馴染めず、すべて杓子定規でないと気が済まない方が多いようです。

 
 
 
いやいや私も『イラッ』とすることはありましたよ。
もちろん今でもあります。
 
でも、もう織り込み済みというか、そんなものだとわかっているので、基準がフランス基準になってしまい、多少のことは笑い話にできるようになりました。
 
 
 
 
 
 
またポイント2(男運)に関連しますが、パリに着いて間もないフランス語もまだ拙い頃に、道端などで声をかけてきた男性とすぐに深い関係になってしまったり、反対に警戒しすぎて、真面目な男性からの誘いまでも逃げるように断ってしまうなど、恋愛に不器用な方にとっても、アムールの国のフランスは馴染みにくいかもしれません。
 
 
 
 
 
 
 
このブログを読んでくださっている方の中で、これからフランスに住んでみたいと思われている方がいらしたら、フランスが合わなくて日本に戻ってきた人の話を聞くだけでなく、フランスに馴染んで暮らされている人の話も聞いた方がいいのではないかなと思います。
 
その上で、自分がどちらのタイプなのかを見極められるのが良いのではないでしょうか。
 
 
 
そして、私の個人的意見を最後に書いてみますね。
 
 
パリは、一筋縄ではいかない街です。
 
結婚や仕事の都合でなく自主的に住むには、本気でパリに恋してないとやってられないというのが正直なところです。
 
美人で魅力的だけど気が強くて扱いにくい女性に惚れ抜いてしまい、じゃじゃ馬ならしをするような感じでしょうか。
 
たくさんの欠点もある街ですが、本当に恋をしてると『あばたもえくぼ』と言いますように、ちょっと見下したような意地悪な対応をされても、荷物が正確に届かなくても、出来の悪い子供ほど可愛いみたいな境地になれれば、生粋のパリジェンヌになれる日も遠くないと思います。
 
 
 
 
 
ミラボー橋から見た今日のエッフェル塔です。
左手に小さな自由の女神像が見えます。
 
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