私の手元にとても古い岩波少年文庫があります。
昭和28年に初版が発行された内藤擢氏が翻訳の古い本です。
この本はパリの伝統ある日仏文化交流会のバザーで出品されていたものでした。
子供たちの日本語図書館の本の入れ替えのためのバザーだったと思います。
実はこの本を手に入れるまで、サン・テグジュペリの星の王子さまを日本語でちゃんと通して読んだことがなかったのです。
仏文科だった私は、大昔の学生時代にフランス語の原書を辞書を引きながら読んだ記憶はありますが、ちゃんと最後まで通して読んだのはその後パリで暮らし始めてから、初めて住んだアパルトマンの大家さんのマダムから息子へのプレゼントとして美しい装丁の『Le Petit Prince』とその朗読CDをいただいてからでした。
夜眠る前など息子と一緒に何度も何度もフランス語の朗読を聞いていた日々も、今ではもうずっと昔のことのようです。
この古い日本語版の『星の王子さま』を訳された内藤 濯 (ないとう あろう)氏は1883年(19世紀)生まれで、『Le Petit Prince』を初の翻訳者でもあります。
彼のちょっと昔風の日本語訳は、とても情緒があり、なんだかレトロな香りがして私は好きなのですが、今日は、本文ではなくて、この古い本の最後に書かれた訳者のあとがきの一節をご紹介しようと思います。
あとがき ー父兄の方へー
前略
そしてまた一方、作者は、高いところから、この地球を見おろしているうちに、つまらない事にひっかかって、ほんとうの事のよさを知らずにいる ー あるいは、まちがった事を、ほんとうの事と思っている ー 人間のばからしさを、つくづくなさけなく思ったのでしょう。
「かつて子どもだったことを忘れずにいるおとなはいくらもない」と作者はいっています。
まったくそのとおりでして、今の世の中のわるさは、子どもでいながら、子どもごころの純真さをじっくりと味(あじわ)わないうちに、一足とびにおとなになった ー あるいは、おとなにならされた ー たぐいのひとが、思いのほか多すぎるところにあるのではないでしょうか。
むやみにおとなぶる事、そのことにわずらわされて、多くの人が、知らずしらずのうちに、物事をひちまげて見ているところにあるのではないでしょうか。
おとなになっても、子どもごころのあどけなさを失わずにいる人は、それだけ、物事を見る目にこだわりがないはずです。
そして、こだわりが持たれないだけそれだけ、今の世の中のわるさも、いきおい薄らぐことが考えらえるわけです。
この童話を書いたサン=テグジュペリのねらいは、つまるところ、おとなというおとなに、かつての子どもごころを取りもどさせて、この世のなかをもっと息苦しくないものにしようとしたところにあるのでしょう。
あるいは、いつまでも子どもごころを失わずにいるおとなこそ、ほんとうのおとなであることを、子どもにも、おとなにも知らせようとしたところにあるのでしょう。
という意味で、この童話は、世にいう童話とはちがって、子どもとおとなとが、肩をならべて読むべき童話だと言いたいのです。
後略
心で見なくちゃ、
ものごとはよく見えないってことさ。
かんじんなことは、
目に見えないんだよ。
サン=テグジュペリ
サン=テグジュペリの生誕100年を記念し作られた内藤擢氏翻訳の復刻版です。挿絵は著者自身が描いたオリジナル版そのままの絵が載せられています。
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