仲俣申喜男さんの「夜の鳥」を弾きに、昨日から北軽井沢に来ています。


今日録音するのですが、昨日初めて、仲俣さんが生前愛用していたアンティークのエラールを試弾させてもらいました。


ピアノの方から心を開いてくるようなピアノでした。

アンティークのピアノはタッチにもそれぞれ個性があるので、弾きにくいことを覚悟していたのに、想像と違って素直でクセがない。

明るく伸びやかな音。

粒立って飛び上がってくる音。


仲俣さんが無念な感じで亡くなってしまっていることや、ピアノも長く放置されていたことや、残された曲は「夜の鳥」という難解な現代音楽ということなどから、

わたしの曲に対するイメージは、暗く不気味な深夜の森、死の気配だったのです。


でも、ピアノを弾いて気付いた!


この曲の夜の暗闇は、生命が誕生する前の生命力みなぎる暗闇だ。


このアンティークのエラールは85鍵盤、現代のピアノの88鍵盤より高音の数が3つ少ない。

「夜の鳥」の曲の中の最高音は、このエラールの一番高い音ぎりぎりまで使い切ってる。

「夜の鳥」をこのピアノで作曲したことは間違いないだろう。

ピアノはこの曲を知リ尽くしてる。


夜ホテルに戻って、もう一度楽譜の後ろの仲俣さんのメッセージを見てみました。


その中の一文。

「夜は、依然として太古からの神秘の力を保ちつづけているのを、ひしひしと感ぜずにはいられない。」


仲俣さんが曲に込めたのは「太古からの神秘の力」。

彼のメッセージは、彼の息のかかったエラールに宿っていました。


ピアノは知っていた。



★本日の即興演奏★

(一日一即興819日目2019年3月7日)
一日ひとつ即興演奏をしています。
なにも考えず、その時その空中に漂っているものをピアノに渡す実験です。


★このブログのいきさつ★


ようこそ!ピアニーノ


ピアニーノ目覚める


秘密のサイン


★即興演奏について★


なぜ即興?① ー 満月と即興


なぜ即興?② ー キャッチ・アンド・リリース


なぜ即興?③ ー 音即是空 空即是音