仲俣申喜男さんの『夜の鳥』。

楽譜を解読中に見えてきたことがあります。


この曲なにしろ楽譜が読みにくい。

電卓とメトロノームを駆使して、複雑極まりないリズムを少しずつ音にしていく。

神経質なまでに細かい指示を反映していく。


すると、そこに、夜の森が立ち現れてきました。


光のない世界のの圧倒的な存在感。

息をひそめたような深夜の森の静寂の音。

なにか命が息づいている気配。

沈黙を破る、水の音、鳥の声、葉ずれの音。


仲俣申喜男さんは、夜の森そのものを楽譜に生き写しにしたのかもしれません。


自然が脈動するゆらぎを、正確な数値や記号として楽譜に残そうとすると、こうも複雑になるのだな。


そして、気付きました。

この曲の中に仲俣さんがいないことに。

作った本人の主義主張どころか、人間の痕跡がない。

彼が最後に達した境地なのかしら?



[夜の鳥① ー 真っ暗闇から時空を超えて]


[夜の鳥② ー 夜明けの鳥のエクスタシー]


[夜の鳥③ ー 太古からの神秘の力]


[夜の鳥④ ー 軽井沢が怪しい]


[夜の鳥⑤ ー夜の森]


[夜の鳥⑥ー思い出せ!]


[夜の鳥⑦ー無]


[夜の鳥⑧ー喝!]


[夜の鳥⑨ ー 鳥はどこから来てどこへ帰る? ]


[夜の鳥⑩ ー ピアノは知っている]


[夜の鳥 11 ー この世にいない人と出会う]


[夜の鳥 12(最終回-演奏あり)ー 魔法の仕掛け]


★本日の即興演奏★

(一日一即興779日目2019年1月26日)
一日ひとつ即興演奏をしています。
なにも考えず、その時その空中に漂っているものをピアノに渡す実験です。


★このブログのいきさつ★


ようこそ!ピアニーノ


ピアニーノ目覚める


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★即興演奏について★


なぜ即興?① ー 満月と即興


なぜ即興?② ー キャッチ・アンド・リリース


なぜ即興?③ ー 音即是空 空即是音