今朝、目覚める瞬間に、耳の奥に余韻が残っていて、
うわー起きたくない!
聴いていたい!
と思いながら目覚めました。
夢をどんどん忘れていくように、さーっと薄れてしまった音の記憶は、深い夜の森の中にいるような空気感になって、今も、わたしの体にまとわりついています。
今年に入ってすぐの話。
意識不明のまま何年も経つ仲俣申喜男さんという作曲家の残した難解な現代音楽を、彼のピアノ、エラールを売却する前に、そのピアノで弾いて録音してほしいという依頼を受けました。
わたしが今朝目覚める前までいた場所は、その『夜の鳥』という曲の世界だと思うのです。
仲俣さんが譜面に残したキーワードは、
「太古からの神秘の力」
「沈黙の暗闇」
「密やかなしかし無数のざわめき」
「何者かの気配に満ちた夜のしじま」
今朝の感覚と照らし合わせてみる。
あれ?そういえば…
そこに気配はあるものの、何もなかった…
無。
あーこれかー!
仲俣さんが『夜の鳥』で音を通して表現したかったことは、見えない聞こえない形のないものだ!
無の方なんだ。
★本日の即興演奏★
(一日一即興794日目2019年2月10日)
一日ひとつ即興演奏をしています。
なにも考えず、その時その空中に漂っているものをピアノに渡す実験です。
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