我が家に古い小さなピアノが来ました。
1838年パリ生まれ180歳のプレイエルのピアニーノ(アップライトピアノ)。
今、私の部屋で、ずっと前からここにいたような顔をしています。
遠い昔の友達に再会したような懐かしさ。
「時空を超えてようこそ!」



出会いは昨年8月の北軽井沢。
たまたま訪れたアンティークピアノ工房に、痛々しく分解されたアップライトのピアノがありました。

修復師の和田さん曰く、まだ修復作業に取り掛かったばかりのそのピアニーノは、パリから送られてきて蓋を外すと中はネズミの糞だらけ、鍵盤を押しても音はほぼ鳴らず、長いこと忘れ去られ放置されていたんでしょう、とのこと。

そんな話を聞きながらも、私の目に映ったピアニーノは、没落貴族みたいな気品と威厳をまとい、
大きな猫足で鎮座してる様子には、傷ついたライオンがうずくまって回復を待っているような、力強い生命力を感じました。

あ!出会ってしまった!
と思った瞬間です。