ピアノの正面の飾り棚の中にガラス細工のカワセミがいて、いつもわたしの方を見ています。
昨日は、なんとも謎に満ちた目覚めでした。
起きた瞬間、一番最初に脳裏に浮かんだのが、そのガラス細工のカワセミ。
次に、図形のような模様がくるくる回る楽譜。
そこに「螺旋の軌道で無から生じよ!」という声。
なに?
ヒント?
このところ『夜の鳥』という現代音楽を解読&練習中ですが、そのヒントのようです。
起きぬけに、そのアドバイスをもとに弾いてみたら、いくつかの難解で弾ける気がしないモチーフが、見方を変えると螺旋の軌道になっていることがわかりました。
大きな手がかりになりそう。
『夜の鳥』は不思議なご縁で私のところにやってきた曲で、作曲者の仲俣申喜男さんは突然倒れてから意識不明のまま回復の見込みなく何年も経ち、録音音源もなく、楽譜以外の手がかりがない曲です。
実は昨日、アンティークピアノ修復師の和田さんから、仲俣さんがご逝去されていたとの知らせがありました。
和田さんは、仲俣さんがパリから持ち帰り愛用していたエラールのグランドピアノを修復され、
「このピアノが売れてしまう前に、最後に、仲俣さんの曲を演奏してあげたい」
と、わたしに演奏を依頼して下さった方です。
仲俣さんは、倒れたあと放置され気がかりだったであろうピアノが和田さんの手に渡ったことを知り、ホッとして逝かれたのではないでしょうか。
その知らせを聞いたとき、ふと思ってしまったんです。
「仲俣さん、レッスンしに来てくれるかも?」
なんの根拠もないけれど、たくさんの見えないものに、守られ導かれ助けられてることは確かです。
わたしがわかってることなんて何一つない。
鳥だって、どこから来てどこに帰るのか、わたしが自分で見て確かめたわけじゃない。
すべてはふっと現れて、ふっと消える。
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