極真空手の基本稽古には「手刀脾臓打ち」と呼ばれる技があります。

手刀脾臓打ちの使い方を名前の通りに捉えると、手刀で脾臓を打つ技になります。

しかし組手で手刀脾臓打ちが使われる事は殆どありません。

果たして使えるのでしょうか?

 

脾臓の位置

脾臓は人体の左上腹部にあります。

そして肝臓より奥側にあります。

つまり、胴体正面から打つよりも、背中側から打った方が衝撃が届きやすいのです。

 

何故背中は反則なのか?

ほぼ全ての格闘技では背中への強打は反則です。

背骨を損傷をする事は半身不随に繋がる事もあり、大変危険だからです。

他、腹部に比べ、内臓を守る形や動きがとりづらい事も理由です。

腹部に打撃を受ける際は、やや前傾する形で筋肉を固め、衝撃に備える事が可能です。

しかし背中の場合、筋肉を固めようとすると、後ろに反るような形になり、戦いの中で咄嗟に行う事は困難です。

また受け流す場合も、腹部への打撃は前傾する形で行えますが、背中の場合、同じ形は作れません。

 

その為背中への攻撃は危険なのです。

手刀脾臓打ちは、その背中側から打つ技です。

その為、格闘技の試合では反則になりますが、武術的にはそれだけ効果的だと言えます。


サイドポジションから打つ

相手のサイドポジションを取った際、格闘技ではパンチや膝蹴り、ハイキック等が効果的です。

あるいは、組んで倒す事もあります。

しかし打撃の場合、反応が良い相手には防がれる事があります。

組みに対しても、瞬時に対応される事があります。

 

しかし背中側から手刀脾臓打ちを放つと、相手が仮に反応できても、対処が困難です。

 

またこの時、

 

・手刀の逆側の手で崩す

→夫婦手

 

・足を掛ける

→三戦立ち

 

・相手を据えものにする

→引き手

 

つまり基本稽古で行っている動きを使う事で、より防ぎずらい技となるのです。

手刀脾臓打ちに限らず、基本稽古や型稽古で行う技は、格闘技では使いずらい技が多いのですが、護身術の観点では効果的です。

その事を知ると、基本稽古や型稽古が面白くなります。

是非参考にしてください。

 

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