極真空手の基本稽古には「肘上げ」があります。
基本稽古で行う肘打ち全般は腰を落とした騎馬立ちで行うことが大半です。
その理由は前回、組い合の中で行うからだと解説しました。
しかし騎馬立ちからの肘上げは
組む→肘上げ
の流れで行うと、返って崩されやすい形になります。
その理由は、腕が内側に絞られる事で、相手は四つに組みやすい形になるからです。
確実に肘上げがクリーンヒットすればよいのですが、外したり、効かなかった場合は「死に体」となってしまいます。
五十四歩の用法
組手の中で蹴りを外してしまうと大きな隙が生まれます。
相手が組んでくる場合もあれば、打撃でくる場合もあります。
その際、肘上げが効果的です。
五十四歩の型では、
横蹴り→突き→肘上げ
があります。
左横蹴りからの突きで相手の右脇腹を狙います。
相手が反応した際、左に払いやすいよう仕向けます。
次に相手が仕掛けてくる事を想定して、すかさず肘上げをします。
組んできた場合はカウンターとして当たりやすい形となります。
打撃で来た場合は、エルボーブロックの形となり、打撃を防ぐ事ができます。
またこの際、斜め45度の騎馬立ちから正面に向かって肘上げを行う形は、
体重が乗った肘上げ
になりやす形と動きになります。
ちなみに蹴りを右に払われた場合は「裏拳左右打ち」に繋げます。
この動きは平安その3の用法の一部です。
撃砕大の用法
組み合いの中で下腹部に蹴りをします。
相手は腰を引きます。
そこで、腰が引かれる事で下がった顔に肘上げをします。
その後、裏拳打ちから下段に崩して突きます。
この動きは撃砕大の用法の一部です。
このように空手の型は
「空手の技がどのように使われるのか?」
を研究する上での大きなヒントになります。
是非、参考にしてください。
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