空手には下段払いと呼ばれる技があります。
下段払いは名前の通り、相手の攻撃を下段に向かって払う技です。
下段払いは、現代の動きと大山倍達総裁とでは動きが異なります。
現代の下段払いは主に、最短軌道で顔の横に手を置き、下段に払います。
大山総裁の下段払いは顔の前を通過してから払います。
なぜ動きが異なるのでしょうか?
極真空手と円運動
大山総裁が遺された言葉に
武の道においては点を起とし、円を終とす 線はこれに付随するものなり
があります。
その為か、極真空手は他の空手に比べ、円の動きを強調した特徴があります。
・回し受け(伝統系はコンパクト、極真は大きく回す)
・後屈立ち手刀回し受け(伝統系直線的、極真は回す)
・平安の裏(極真オリジナル)
・円形逆突き(極真オリジナル)
・大山総裁式ナイハンチ(背刀打ち:主流派直線的、総裁は上から回す)
これら動きに円の特徴が見られますが、大山総裁が亡くなられ約30年…
細部の円の動きが失われつつあります。
円の下段払いの合理性
通常の下段払いは中段や下段に対する攻撃に対応できます。
〈例〉
中段前蹴り、武器の中段突き、金的蹴り
しかし顔の前を通過する円の下段払いは上段攻撃にも対応できます。
〈例〉
上段突き、上段蹴り各種
実際、上段蹴りに対する下段払いは、極真ルールの中では使われています。
崩しの下段払い
下段払いは崩し技にも応用できます。
〈例〉
入り身投げ、後方崩し(平安その一:3挙動目)、横崩し(平安その一:5挙動目)
これら崩し技の際、下段払いの腕を肘を支点とした直線的な動きで行うと、力の差がある場合は掛かりません。
しかし、前方経由の円を描くような動きで行うと崩しやすくなります。
直線運動は力が掛かる箇所が一定に留まる為、耐えやすい状態となります。
しかし円運動は力が掛かる箇所が一定に留まらないため、耐えずらい状態となります。
極意は細部に宿る
下段払い一つとっても、直線運動と円運動とでは大きな違いがあることがご理解ただけたと思います。
先人の動きを、現代の価値観で見た際、意味不明に映る事があります。
しかしその意味不明な動きが、大切な極意に繋がる可能性があるのです。
幸いなことに大山総裁の動きは現代でも動画で確認できます。
現代の動きと大山総裁の動きが異なる際、
「なぜ異なるのか?」
を深く掘り下げて研究する事が極意の理解に繋がるかもしれません。
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