今日のこの1枚 レッド・ツェッペリン/イン・スルー・ジ・アウトドア
花粉症が辛い毎日です。今日は仕事が早く終わったので、帰ってから少しの時間、個人的至福の時間な,、いつもの音楽鑑賞三昧をしました。今日最初にチョイスしたのは、またもや昨日にひき続き、 「偉大なアーティストの出さなければ良かった、汚点アルバム」 という、先日見た、とある音楽ニュース記事に挙げられていた中からの1枚で、汚点アルバムなんか存在するのか?と思われる、かのレジェンドもレジェンドな、レッド・ツェッペリンの、エントリー作品です。その作品は、彼等の実質ラストになった、1979年の イン・スルー・ジ・アウト・ドアというアルバム。Led Zeppelin / レッド・ツェッペリン「In Through The Out Door / イン・スルー・ジ・アウト・ドア【リマスター/スタンダード・エディション】」 | Warner Music JapanLed Zeppelin / レッド・ツェッペリン「In Through The Out Door / イン・スルー・ジ・アウト・ドア【リマスター/スタンダード・エディション】」に関する詳細ページです。wmg.jpちなみにわたしは、この作品のジャケットデザインがホントに好きで・・・って、それはどうでもいいとして、アルバムの内容というか、聴いた感じの雰囲気も昔から割と好きなんです。そんなこのアルバムが何故にそうした、失敗作的評価になっているのか?実はそれも、なんとなく分かるような気がするんですよね。というのは、この一つ前の、特にツェッペリンファンには評価が高い、プレゼンスというアルバムがありますが、そちらはクレジットを見ると、やはりというか、ジミー・ペイジ作品がほとんどを占めているんですね。反面このインスルージ~はジミー・ペイジメインの作品が一つくらいしかなく、ベース兼キーボードのジョン・ポール・ジョーンズが大活躍している。このことから何となくわかるのは、多分ZEPファンをはじめロックファンや評論家がツェッペリンに期待するものは、ギターリフが唸り、ボンゾのドラムが爆発する、いわゆるパワフルで非コマーシャルなギターハードロックなんだということ。そういう要素が薄いアルバムは、ツェッペリンらしくない作品として、曲そのものの良し悪しは置いておいて、あまり歓迎されないんだと思う。その意味では、このインスルージ~は確かにツェッペリンとしては異質な作品で、彼らのキャリアの中では一番ギターハードロック色が薄い作品だと思います。なのでツェッペリンを知りたいと思われた方が間違っても最初に選ぶのに相応しくないアルバムではありますが、でも固定観念なしに一アルバムとして聴けば、ハードロック好きじゃない人でもまあまあ聴きやすい、いい作品だと思うんですよね。それに、ツェッペリンの作品を聴き終えた時特有の肉体の疲れといいましょうか、全てがパワフルなだけに聴くと起こる、あの一種の疲労が(わたしだけ?)あんまりない稀有な作品です。とてもツェッペリンらしくない、南国風カントリーPOPという感じの Fool In The Rainわたしはこれ、非常にいい曲だなぁ~、って思うんですが、まあZepファンにはウケそうもない曲ですよね。でも、これを聴いてもわかると思いますが、ギターの存在感がまるでない・・・というわけでもないですし、ジミー・ペイジらしくないというわけでもない。でも、今までなら主役はオレのギターだと言わんばかりに、派手なギターリフでギャインとやっていたのが、曲のバッキングなギターになっているという感じはします。そして、ドラムはなんとなく派手なことを抑えてるイメージがあるし、だから全体的にギターリフサウンドというより、曲主体になっている感じがします。シンセサイザーの音が耳につく、ケラウスランブラ。非常に長い曲で、上の曲に比べたらまだZep風味が多少は感じられる曲とは言え、やはりこれまでのサウンドとは何となく違う。でもわたしはかなり大好きな曲です。ちなみにこの曲、ジョン・ポール・ジョーンズのシンセが主役で、彼の作品な部分が大きいんでしょうけれど、ジミーペイジのクレジットもあり、多分途中でいきなりシンセの音が消え、スローで少し重けだるくなる、中間パートがジミーペイジのアイディアなんじゃないかという気がします。何かのインタビューで、ジミー・ペイジ自身が、好きになれない曲に挙げていた、All My Love非常にせつないPOPな、ツェッペリンのイメージとは正反対の繊細なラブソングで、実はわたしはツェッペリンの曲としては1,2を争うくらい好きな曲だったりします。後にも先にも、ツェッペリンがPOPな歌モノをやったのは、この曲だけじゃないだろうか?と思うくらい、ハードロックともブルースとも、ブリティッシュ・トラッドともかけ離れていますが、今回久々に聴いたけれど、やはり感動しました。いゃ~、いい曲じゃないか!!というわけで、あんまりヘヴィな、ギターがギンギンのハードロックみたいなのは好きじゃない…という人が唯一まあ、聴けなくもないだろうレッド・ツェッペリンのアルバムが、この「イン・スルー・ジ・アウトドア」ではないのだろうか?という気がします。ハードロックより、プログレ好きにウケそうなアルバムという感じですね。ということで、わたしは結構平凡というか、一般的な感性だと思うのですが、どうにもロック通が推すアルバムと好みが結構ズレるな。