あけましておめでとうございます!
・・・って、新年あけてどれくらい過ぎてるんだかまったく。
とまあ、いつもと変わらぬ日常を過ごしていたわけですが、そんな中新年早々の昨日、突然飛び込んできた訃報。
一応「底辺のギタリストもどき」としてはやはり触れられずにはいられない、ジェフ・ベックさんがお亡くなりになられたというニュース。
わたしは過去に幾つか記事にしたくらい、勿論好きなギタリストですから、やはりショックであります。
今朝、ロッキン・オンの渋谷陽一さんの記事を読んで、全く同感だと思ったことがありまして、それは
いわゆる3大ギタリストと言われる、クラプトン、ベック、ペイジのなかで、なんの根拠もないが一番長生きをしてくれるのはジェフ・ベックだと思っていた
という記述です。
「ホント、それな!」と相槌を打ちたくなるほど、わたしも、なんの根拠もなくそう思っていたので、まさかベックが最初にいなくなるとは夢にも思いませんでした。
渋谷陽一さんの記事↓
それと、その渋谷さんの記事を読んでいて、やはり音楽を書くことで食べてきたプロライターはさすが違うなと思ったのが、ベックの音楽性に関する表現のうまさですね。
(略)残した仕事は多い。ただ、その仕事に連続した物語性はなく、印象的な短編がたくさんある感じだ。
という、ベックが残してきた作品たちに対する評ですが、わたしは最新作は聴いてないんですが、80年代の作品あたりまで聴いていると、確かにジェフ・ベックに関してはまさにそんな感じ。
ヤードバーズという、60年代アイドル風グループサウンズ(ただし泥臭いワイルドなブルース色は濃厚)からスタートし、ハードロックをロックバンドとして最初にやった一つと言っていい「第一次ジェフベックグループ」に進み、70年代に入るとソウルミュージックとハードロックギターの融合みたいな、意外とオシャレ路線をやった「第二次ジェフベックグループ」や「ベック・ボガード&アピス」へ。
そして70年代中盤以降は、完全なフュージョンと言っていいインスト路線。
これら全てにおいて、最先端のサウンドを世に提示したジェフ・ベックの功績は大きい。
ただ、渋谷陽一さんが言うように、そこに連続性、一貫性がなく感じるのは、あんまり曲作りに関わらず自作曲が少ないということ(作詞作曲ジェフベックという曲が、あんまりない)と、やはりアーティストというより、終始一ギタリストとして活動したところからではないかと思う。
クラプトンは自作して自分が歌ったし、ペイジはツェッペリンという、かけがえのないパートナーを得て、音楽活動の最盛期にそこで大きな業績を残した。
二人は名刺代わりというか、看板があるのに対し、ベックは一つのおんなじメンバーでという活動に満足せず、あれこれ変えました。
やる時期時期によって違うボーカルに歌わせ、それでも思い通りに運ばなければ、歌はやめてインストを突き詰めてゆくという、ギター主体な活動ゆえに、あれやって、やめてはまた別のあれ・・・、みたいな、連続性の無さになっちゃうのは仕方がないかなと。
ベックは良く職人肌で飽きっぽいとか言われていましたし、悪く言えばわがままとか言われていました。
ギターばかりでなく、クルマいじりとかも好きだったというし、本人はどう思っていたのか知りませんが、3大ギタリストの中で一番技術的に上手く、ギター至上主義みたいに思われていますが(そんなことない?)、実は3大ギタリストの中で一番芸能というか、音楽活動にこだわりがなかった人なのかもしれないと思う。
そこがまた、孤高のヒーローというか、ペイジ、クラプトンにはないカッコ良さだったんですよね。
そんな孤高のギターヒーロー、ジェフ・ベックが、実はメインボーカルも務めた、数少ないベックが主役の歌モノがあります。
以前、ミュージック・ライフという70,80年代の洋楽専門雑誌で、その歌の酷さをからかった記事を沢山見たので、どんなもんかと思っていましたが、初めて聴いたとき、「あれ?言うほど酷くないじゃん!」と思った。
ベックの歌う60年代のソロ、Hi Ho Silver Lining↓
自分のギターについて語るベックの動画。
ジェフ・ベックって勝手に無口でニヒルな孤高のギタリストのイメージでしたが、結構サービス精神旺盛で話す人なんだと、意外に思いました。
↓
これを見ると、ベックはやはり、後に出てきたハードロックなどの凄腕ギタリストと大きく違って、カントリーやロカビリー奏法と言ったルーツミュージックの基本テクニックが身に付いている人なんだなってわかります。
そんなジェフ・ベックのギターが1960年代の段階で別格だったのを知らしめる曲が、ヤードバーズの有名なジェフズ・ブギーでしょう。
わたしは、彼のプレイするブルースのカヴァー、 Smokestack Lightnin'のプレイの凄さの方が衝撃的でしたが、代表的なのはやはりこちらかな。
でもわたし、この曲は、ベックより、日本のチャーがやっているイメージがなんか強いんですよね?なんでだろ??
ジェフ・ベックのギターヒーローとしてのカッコよさを表している、ヤードバーズで映画「欲望」に出演したワンシーン↓
しかし、若い頃夢中になった自分のスターたちがどんどんと亡くなってゆきますね。