最近、なんだかロックのわたしが影響を受けたミュージシャンが相次いで亡くなられています。

ジェフ・ベックは言うまでもなく、デヴィッド・クロスビー、そしてテレヴィジョンのトム・ヴァーレインも亡くなってしまいました。

 

まあ当然惜しい、残念なんですが、でもみなさん、若めの年齢とは言え、愛され惜しまれて亡くなって、幸せなんではないか?って気もしますよ。

鮎川さんなんて、最高の伴侶にも恵まれ、みんなに愛された人生、幸せ以外のなにものでもないじゃないか・・・という、ネガティヴ卑屈残念人間のいかにもわたし的な感想がもたげてきてしまう。

 

わたしは、やはりあまり顧みられることなく、人知れず孤独に衝撃の終わりを告げた人の方に、どうしてもロック魂というか、シンパシーを感じてしまうんですよね。

 

とまあ、最近相変わらず愉快なことがないせいか、くだらん感想しか話せないんですが、昨日は休み。

最近他の趣味で不愉快極まりない出来事があったので、久々におとなしく一日音楽三昧しました。

そこで最初にチョイスしたのが、CDラックを見て、たまたま目に入った、「ブラインド・フェイス」というバンドの「スーパージャイアンツ」なんて邦題がついた、彼ら唯一のアルバムです。

 

これ、昔から持っていましたが、考えてみたら実に20年くらいの長い間、全くチョイスしてなかったかもしれないと思う。

実際かつて20代の頃も、持ってはいたけれど、それほど好んで聴いてはいなかった作品でした。

 

ちなみに、このブラインド・フェイス、古いロック好きには説明無用でしょうが、エリック・クラプトンと、スティーヴィー・ウィンウッドがタッグを組んだ、いわゆるスーパーバンドで、先ほども言った通り、わたしが生まれて間もない1969年に出したこの作品が唯一の作品です。

この前後のクラプトンの作品がいいので、これの影が私の中でどうも薄く、あまりいい印象がなかった。

 

しかし今回20年ぶりに聞いてみて、「あれ?こんないい作品だったか?」と逆に衝撃を受けてしまいました。

昔は蒐集に夢中で、「うん、まあまあかな?はい次の作品!!」みたいな感じで、その時パッと入ってきた作品以外、いかにきちんと聴いてなかったかと痛感しました。

 


オープニングのHad To cry Today

ブラインド・フェイス公式が無かったので、クラプトン・ウィンウッドのライヴから。

これ、雰囲気はスタジオアルバムと、びっくりするほど、ほぼ一緒です。

 
このオープニング曲、クラプトンの印象的なギターリフの繰り返しみたいな、8分もの長さがある、やや原始的ハードロックっぽいナンバーですよね。
でも時代が時代なので、ブルージーでソウルフルながら、全体的にサイケをひきづっているような雰囲気も感じます。
途中リフから展開が変わる、アルペジオのところなんかが典型的で、少し幻想的な雰囲気になり、60年代後半~70年代初頭のロック特有の、こういうサイケの余韻的な雰囲気がわたしはたまらなく好きなんです。
 

 

Cant Find My Way Home

この曲も、ブルージーだけれど、やはりどこか幻想的なところが素晴らしい。

 

こうして聴けば、ああ、こんな曲入ってたな・・・なんてうっすら思い出しはするんですよね。

しかしこんなに良かったとは迂闊だった。

 

 

Well All Right

この曲は少し楽し気な、クラプトンが後にどっぷりとハマる、サザンロックテイストあふれている曲です。

ただ、あまりカラッと陽気な感じがしない、イギリス出身のクラプトンとウィンウッドですから、デラニー&ボニーやレオンラッセルみたいな感じにはならず、どこか突き抜け切れないところが、わたしはかえって良いと思う。

と、それより、やはりこの曲はイントロが神だと思います。

メインの部分と雰囲気が違うこの怪しげなイントロの旋律、ウィンウッドかクラプトンかわからないけれど、これを考え出したアイディア力はさすが、レジェンドになるだけあって、やはり尋常ではない才能なんだなと思います。

 

 

Presence Of The Lord

このアルバム唯一のエリック・クラプトン作品で、クラプトンの定番曲の一つ?

染みる、歌い上げるようなブルージーなバラードで、やはりクラプトンはムード歌謡的な素質がある人だなってつくづく感じます。

 

ということで、ブラインド・フェイス、わたしの耳と印象がいかにアテにならないか、痛感するような、気持ちを新たにするような発掘でした。

まあ、クラプトンとウィンウッドですから、日本人の感性に合わないわけがないんですけどね。

でもやはり、年齢を重ね、渋いロックがいいよね・・・という人向きではあります。