最近ふと、ザ・ローリング・ストーンズのアルバム評を、熱く書いている人のブログ記事を見てしまいまして・・・。

そこに書いてあった意見が、わたしとはあんまり一致しない、あんまり同意できないというか、・・・まあいろいろ思うことがありました。

なので、再確認の意味も込めて、先日久々にストーンズの、それも初期をチョイスして聴いてみました。

チョイスした作品は、ストーンズ初期の集大成ともいえるシングル集3枚組「ロンドン・イヤーズ」というアルバムです。

 

で、何気なくそれを聴いていて、今更ふと衝撃を受けたナンバーがありましたので、それらの曲が入っているアルバムを、今日改めて聴いてみることにしました。

そのアルバムとは、もう30年くらい所持しているけれど、過去に聴いたのは多分4,5回程度とか、それくらい?

 

ストーンズ作品でそんなに聴いていないのは、ファンなら多分想像がつくであろう、そう、あの問題作、1967年発表の、

「ゼアー・サタニーズ・マジェスティーズ・リクエスト」です。

 

ビートルズの二番煎じのモノマネ、ストーンズらしくない悲劇的な失敗作、偉大なるストーンズのただ一つの汚点・・・いろんな言われようで、全く評判の悪い、サイケ全盛期に、ビートルズの「サージェントペパー」に影響を受けて出したと言われる作品です。

 

 

このアルバムを代表する、割と有名な「シーズ・ア・レインボウ」

ベスト盤にはほぼ収録され、CMなどにも使用され、世間的にも認知度が高い曲だと思う。

 

この曲だけは正直、昔から名曲、大傑作だとわたしは思っていました。

一時の気の迷いとか言われますが、一時の流行りに流され気が迷ったにしても、その土俵でこんな素晴らしい曲が書けたなんて、やっぱり凄い才能なんだなと改めて思い知らされます。

 

 

オープニングを飾る、Sing This All Together

「魔王讃歌 」なるおどろおどろしい邦題が付けられていますが、ラブ&ピースの「みんなで歌おう!」という、邦題のイメージとは違う内容なんじゃないかな?と感じます。

とはいえ、邦題のイメージがピタッとくる、どこかおどろおどろしくも、幻想的な雰囲気がするナンバーです。

 

これ、イントロの頓狂なラッパとか、最近わたしはフリージャズを良く聴くんですが、フリージャズを聴いていると、それほど突飛には聴こえない、なじみ深い感じがします。

彼らはジャズを参考にしたんでは?と思えるようなアレンジです。

 

とまあ、この曲にしても、アルバムの他の作品にしても、ラブ&ピース、サイケデリックにどっぷり浸かった、ヘンで一見突飛なアレンジ、奇をてらった性急な楽曲展開に惑わされてしまいますが、良く聴くと、実はメロディーがしっかりしていて、根本はいい曲が多いんじゃないか!と。

 

先日「ロンドンイヤーズ」を聴いていてそう思ったのが、このアルバムをわたし的に再評価したいと思ったきっかけです。(再評価なんて、我ながらエラソウで申し訳ないですが・・・)

 

 

ストーンズ唯一? ビル・ワイマンが作詞作曲歌なナンバー、 In Another Land

これなんかも、歌にヘンなエフェクトがかかったりして、サイケ独特な雰囲気を醸し出していますが、普通のストーンズらしい、ストレートなアレンジにしたら、サビの盛り上がる感じにせよ、かなり聴けるいい曲なんじゃないかと思います。

 

他のバンドでは、普段曲を書かないメンバーがポツンと書いたりすると、大したことのない曲だったりしますが、ストーンズではどこか「雑魚」扱いのビルも、これだけの大した曲が書ける才能があるんだなと、改めて感じ入りますね。

 

 

わたしの大好きなピアニスト、ニッキーホプキンスが参加してるらしいThe Lantern

 

この曲なんか、渋い後のベガーズバンケットとかを彷彿させるというか、ストーンズが最も輝いていたとわたしが思う70年前後にあってもおかしくないナンバーです。

アレンジがちょっとサイケにひねくれすぎたというだけで、良く聴くと、基本はカントリーブルース的な、実にストーンズらしい曲じゃないかと思う。

 

ということで、こうして聴くと、この作品はストーンズの一時の気の迷いでもなんでもなく、この後来る最盛期への通らなくてはならなかった道だと感じます。

ありきたりなストーンズのモノマネではなく、ストーンズのこのアルバムの作品を、70年代ストーンズみたいなカッコいいアレンジで、コピーしたいな、なんて思いました!

我ながらいいアイディアじゃないかね!