最近年齢からか、あまり深く眠れなくなってきた気がします。

今日もこうして夜中に目覚め、チマチマPCをいじっているわけですが、仕事にも影響が出るし、なんだかなという感じ。

でも眠くないのだから仕方がない。

 

とまあ、昨日は休みでしたが、ここのところビートルズ・リボルバー祭り一色だったけれど、久々にふと、意味もなく、ローリング・ストーンズが聴きたくなってきました。

そこでチョイスしたアルバムが、1973年の『山羊の頭のスープ/Goats Head Soup』という作品です。

わたしの中でのストーンズ全盛期、ミック・テイラーがいた時代の作品ですが、昔かなり聴いていたため、この時代のストーンズをチョイスしたのは凄く久しぶり。

 

 

このアルバムに入っている曲で、多分一番有名なのはこの「アンジー」でしょう。

ジーンと感動する、非常に悲し気でせつないバラードですよね。

 

わたしはこの曲、高校生時代(80年代)に、ギターを始めて最初にコピーした曲の一つで、ストーンズでコピーしたのはこれと、ジャンピン・ジャック・フラッシュ、ワイルド・ホーセズの3曲だけです。

ウケ狙いでアルフィーをコピーしたりしたこともありましたが、ジャパメタ全盛期にずいぶん渋い高校生だったなって我ながら思います。

 

ちなみに、一応「活動してないギタリスト」なので、珍しくギタリスト的な話をすると、この「アンジー」という曲を聴くたびにわたしが思うのは、「ああ、ギブソンのアコギの音だなぁ~」ということです。

アコギの2大ブランドは私の中では、マーチンかギブソンで、一時どちらを買おうか迷って、結局どちらも今に至るまで買っていないんですが、わたしはその前後に、人からマーチンのD18と、ギブソンのハミングバードというアコースティック・ギターを借りていたことがあるんですよ。

 

マーチンは、柔らかくて箱が全体で鳴っている感じがするんですが、ギブソンはモロに弦の金属的な音がするというのか、板が鳴っている硬い音みたいな雰囲気がありました。

ソロで弾くなら深みのあるマーチン一択ですが、バンドサウンドに入れるなら、ジャリジャリしたギブソンの音の方がいいのかもしれない。

このアンジーでキースが弾くサウンドはまさにわたしが一時借りていた、ハミングバードの音そのもので、ギブソンのアコギの音が知りたいと思う時は、この曲を聴けばいいと思う。

 

 

 

このアルバムで、わたしが個人的に一番好きな曲、Coming Down Again

70年代後半以降、ストーンズはあまりこういう曲をやらなくなった気がしますが、アンジーの暗い感じとはまた違う、サッパリしつつもせつない感じがする、冬が似合うバラードです。

 

わたしがこの時代のストーンズ作品が好きなのは、ミック・テイラーのギターの他に、この曲がホント典型的ですが、ゲスト参加している華麗なニッキー・ホプキンスのピアノの存在感が大きいのかもしれない。

彼のピアノが入っている曲は、ストーンズに限らず大抵好きになります。

あまり有名な人ではないかもしれませんが、わたしの一番大好きなロック、ピアニストです。

 

とまあ、こうしてこの作品を聴いていると、ストーンズの、良く言われる、ブラックミュージックからの影響の濃さが良くわかるような気がします。

ストーンズは白人のイギリス人で、ロックバンド形態でやっているから、結構独自感が凄いですが、でもオーティス・レディングとか、サム・クックとか、モータウンなんかを聴いていると、ホント、ストーンズがモロに彼らを参考にしていて、結構影響そのまんまみたいなサウンドだなと思ったりします。

特にこの作品から、ブラック・アンド・ブルーにかけての3枚は、そうした60年代、70年代ソウル・ミュージックの影響が特に濃厚な感じがします。

 

これがもし日本のバンドだったら、わたしなんかも多分、「あのバンドは、日本人はオリジナリティー溢れるとか思ってるかもしれないけれど、〇〇をパクっている!」と、口泡飛ばして猛抗議することだと思いますが(笑)、ストーンズはOK!!凄くいい!!・・・なんですよね。

 

 

この映像ではミック・テイラーではなく、後任のロン・ウッドがギターを弾いていますが、アルバムラストのスター・スター。

ストーンズのルーツ的な、チャックベリー由来な感じのロックンロールですが、基本3コードの古き良きロックンロールなのに、非常に新しさを感じるわたしの好きなナンバーです。

でもこういうイキのいいのは、このアルバムでは少数派です。

 

ちなみにこの「ヤギ頭のスープ」という作品は、捨て曲無しで、個人的に全部が名盤なミック・テイラー時代のアルバムの中では、イマイチ影が薄いと感じるアルバムです。

アンジーという代表曲が入っているのに、前後のアルバムと比べると、強烈な印象があまり残らないというか・・・。

 

多分、後半の曲たちがなんとなくダラッとしているというか、グチャっとしているというか、どこかインパクトに欠ける感じがするのが、そういう印象になってしまう原因かなと思いますが、今回「メインストリートのならずもの」「イッツ・オンリー・ロックンロール」「ブラック・アンド・ブルー」と続けて聴いてみて、やはり同じ印象を持ちました。

でも、上で紹介したような、絶対自分的には外せない名曲も多く入っていて、ストーンズの歴史的には外せない一枚であることには間違いないと思います。

特に寒くなるこれからの季節にはピッタリな、ガキくさくない、ストーンズの一枚ではないでしょうか。