連勤が続いて今日は休みです。

 

この時期普段は仕事がヒマなんですが、先週はなぜか出物が多く、週末にはクタクタでした。

週初め、ちょいと怒り心頭なことがあり、いつもよりなんだか嫌な感じの疲労が積もっている気分です。

とまあ、その怒りの原因の、他の趣味はしばらく止めることにして、いつもの裏切らない好きな音楽鑑賞の休日。

 

バンドをやると他人にムカつきますが、音楽を聴いていてムカムカすることはまずありませんし、やはり音楽を聴くというのは素晴らしいことです。

洋楽、外国人ばかりを好むのは、ここ日本で日本人に嫌な事をされてきたので、同じ日本人がどうも信用できないというのもあるのかもしれません。

まあ、実際は外人の方がもっと酷いのかもしれませんが、でもわたし海外で白人の家で長期間生活した経験があるけれど、人種差別とか嫌がらせされた経験はほぼないし、西洋社会にはいい思い出しかありません!

 

というわけで、日本人ミュージシャンは追悼しませんが、わたしを幸せな気分にしてくれた、西洋ミュージシャンは追悼したい・・・、なんて訳ではないのですが、今日最初にチョイスした1枚は、先日亡くなられた、トム・ヴァーラインさんがメインヴォーカルを務めるテレヴィジョンの名盤で、1977年に出たファーストの、「マーキー・ムーン」です。

 

 

オープニングを飾るSee No Evil

 

テレヴィジョンはご存じ、70年代中盤過ぎ頃、ニューヨーク・パンクシーンから出てきたバンドです。

ただ、上のサウンドでもおわかりかと思いますが、パンクシーンから出てきたというだけで、その音楽スタイルや、精神がパンクなバンドだったかというと、わたしは全くそうは感じません。

 

ねじれたPOP、ニューウェーヴのハシリ? インテリな文学ロックという感じで、パンクロックという言葉から、かなり縁の遠い音楽を奏でるバンドなのではないかと思う。

そういえばこれ、以前も書いた気がしますが、昔パンクロック特集の雑誌を買ったら、ある評論家が「テレヴィジョンはプログレに聴こえる・・・」みたいなことを書いていました。

これはわたし、「なるほど、分かる気がする!」と思いましたね。

スピリッチュアルというか、スペイシーな感じがする、エコーがかった雰囲気はまさに、文学青年のギターが奏でるプログレという感じがします。

 

 

ねじれギターサウンドが魅力的なVenus

 

このテレヴィジョン、わたしは20代初頭、90年代前半の頃、ものすごくハマっていまして、ホント大好きなバンドで、このマーキームーンは当時No1の、個人的名盤でした。

その思いは今回、久々に聴いた印象でもやはり変わりません。

非常に魅力的で、かつ個性的で独特というか、素っ頓狂なところのあるギターPOPはまさに唯一無二。

 

 

やはりギターが印象的なMarquee Moon

 

上の2曲や、このマーキー・ムーンという8分過ぎの長い曲に代表される、彼ら独特のサウンドですが、フェンダー系のクリアーな金属的サウンドのギター2本が絡みあう、その後80年代へと続く、それ以前のブルース系とは全く異なった、ニューウェーヴ系のギターサウンドのハシリな音ですよね。

 

このイントロとか、彼らの非常に頭に残る、印象深い単音弾きのねじれたフレーズは、テクニック的には全く大したことはやっていませんけれど、でもこういうサウンドを思い付き、カチッとキメられるバンドは他にあまりありません。

ギターの凄技だ~、高速フレーズの嵐だ~、ということより、人の頭に否が応でも焼き付ける、あまり他人がやらない簡単なフレーズを奏でる方が、実は凄い事なんじゃないか?と思います。

 

ギターはテクニックが全てじゃないんだよ!

わたしとか、ヘタなパンクバンドがそう言っても、まるで説得力はありませんが、彼らが言ったら、うん、確かにそうだよねってうなづいてしまうと思います。

・・・というか、良く聞くとこのバンド、ドラムもうまいし、ベースもグルーヴィーでいいし、バンドとしてはかなりウマい、いい演奏をするバンドですよね、彼ら。

 

ということで、トム・ヴァーレインの死は惜しいですが、彼や、同じニューヨークパンクから出たトーキング・ヘッズなどは、パワフルでもない、ワイルドでもない、陽気でもない、ロック魂あふれてもいない、そんなネクラ寄りな文学やさ男でも最強のロックが出来る!

そう証明し、そうしたサウンドを作り出した功績は大きいと思います。