私、トランプのスペード♠は農具のspade(鋤)だと勘違いしていました… | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

私、トランプのスペード♠は農具のspade(鋤)だと勘違いしていました…

常々思っていたのですが・・・

 

トランプカードのスペード♠

 

これ

なぜ「スペード」なの?

 

実は私、ずっと

スペードは

「鋤」の英語であるSpadeのことだと思っていました

 

英語で

農耕の道具(または工具)の「鋤」(すき)のことを

spade

と呼びます

 

By SSgt. Kali Gradishar - http://www.defense.gov/PhotoEssays/PhotoEssaySS.aspx?ID=1878, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=11587075

 

こういう道具が

spade

です

 

土を掘る道具ですね

 

今日の記事は

そもそも

トランプの4つのマークのうち

なぜ「スペード」だけが「工具」「農具」なのか?

その理由を探ろうと思ったのです

 

他のマークは

ハート、ダイヤ、クローバーと

すべて「ほのぼのとした」マークなのに

(※「ほのぼの」と思うのは、完全に主観ですww)

スペードだけ

労働の工具・・・

 

土臭いマーク・・・

 

この記事を書くにあたって

最初は

「スペードが仲間外れになった理由」

みたいなタイトルで記事を書いてやろう

と思いついたのです

 

それで

トランプカードのスペードの起源を調べ始めたら・・・

 

なんと!

 

事実は小説よりも奇なり

 

Truth is stranger than fiction.

 

スペードは

「鋤のスペードとは関係なかった!」

という

衝撃の事実に

行き当たったのです

 

みなさん

ご存じでした?

 

私はすっかり

「スペード」はシャベルのspadeのことだと

思っていましたww

 

ハチハチハチ

 

そもそも

日本では「トランプ」として親しまれている

ハート、ダイヤ、クラブ、スペードで構成されるカードは

フランス式のカード

 

英語では

単にplaying cardsと呼ばれますが

もちろん

このような呼び方をすれば

他のゲームのカードも差す可能性があるわけです

 

ですから

特にあのトランプのことを言いたい場合は

Franch-suited playing cards

と呼ばれます

 

suitとは

スペードとかハートとかの

マークのこと

 

つまり

トランプは

言い換えると

「フランス式マークのゲーム用カード」

ということになります

 

「フランスかるた」とも言えるかもしれません

 

実際に

16世紀に日本へ伝えられた当時

ポルトガルから伝わったそうで

「かるた」と呼ばれていたようです


「西洋かるた」という言葉は

今でも残っているそうです

 

日本語の「トランプ」という言葉は

trump

(あの、有名な元大統領の名前も)

 

これは

「切り札」という意味です

 

日本語では

「切り札」という言葉が

カード全体のことを指すようになったんですね

 

ともかく

話をフランスのトランプカードに戻すと・・・

 

フランスでは

♠のことを「piques」(ピック)

と呼びます

 

英語でいえば「pike」

 

Pikeとは「槍」のような長い武器で

先端に葉のような形の刃がついているもの

 

中世ヨーロッパの武器だそうです

 

♠の形は

その刃の形のことだったんですね

 

ちなみに

フランス語で土木用の「鋤」spadeのことは

Une bêche (ベッシュ)

と呼びます

 

じゃあ

「鋤」は

その武器が由来ではないのか?

と思ったのですが

どうやら

語源としては

別なようです

 

農具である「鋤」のspadeという言葉は

もともと古英語の

 

spadu

spædu

spada

 

古英語といえば

450年ごろから1150年ごろまでのイングランドで使われた言葉

 

つまり

中世の武器「pike」が登場する前から存在した言葉

ということになります

 

で、

トランプカードの本家である

フランスで使われている♠のpikeは

中世の武器

 

つまり

トランプのマークが誕生する前から

「鋤」(spade)はあったのです

 

そして

フランスでは

♠のマークは「pique」(槍)と呼ばれていたのです

 

bêche(鋤)ではなく

 

じゃあ

フランスでpiqueとして描かれたスペードは

英語ではなぜ「spade」なのか・・・

 

どうやら

スペイン版やイタリア版で使われていた

「剣」のマークから転用されたのではないか・・・

とのことです

 

これらの国々のカードでは

フランスの♠♥♦♣と異なり

「剣」「金貨」「杯」「棍棒」の4つが

マーク(suit)として使われているカードがあります

 

フランス式カードの

イタリア版とかですね

 

でも

枚数は異なっているようです

 

たとえば

イタリアのは40枚(1~10まで)

 

枚数は

国や文化圏によって

異なるようですね

 

フランスのは

これに、J, Q, Kの 3セットが追加され

52枚

 

でも

4つのスートがあるというのは

どこも変わらないようです

 

そして

イタリア版の「剣」が

トランプのpikeの名称の代用とされた

という説が濃厚のようです

 

あくまでも一説のようですが

恐らく、pikeがspadeと呼ばれるようになった経緯は

こういうことのようです

 

イタリア語で「剣」は

spada (スパーダ)

 

この呼び方が英語圏に入ってきて

♠を「剣」のカードの代わりとして用い

「spade」の呼び名が定着した

ということのようです

 

デザインはpikeのままに

呼び方だけ「剣」というのが定着したというわけです

 

ですから

トランプのスペードの柄は「鋤」ではなく

槍のpikeなのです

 

宝石緑宝石緑宝石緑

 

ちなみに

イタリア語で

フランスカードの「スペード♠」のことは

picca

と呼ばれています

 

あくまでも

♠はpikeなんですね

 

イタリアカードのspadaとは

区別されるのです

 

イタリアでは

今でも

「剣」「金貨」「杯」「棍棒」の4つをスートとするカードが

普通に使われています

 

20年くらい前、

私はイタリアにいたのですが

そのとき

現地のカードを教えてもらいました

 

当時は

ナポリのカードだと思ってしましたが

イタリアならどこでも売っているカードのようです

 

それは

「剣」「金貨」「杯」「棍棒」のスートでした

 

そのカードを使って教わったゲームが

スコーパ(scopa)

 

もう

15年以上プレイしていないので

すっかりルールを忘れてしまいましたが・・・

 

当時は

ナポリで友達と毎日やっていたし

その後

(当時住んでいた)アメリカに戻ったときも

カードを持ち帰り

友達に教えて

毎日遊んでいました

 

それだけハマりました

 

スコーパのカードは

今でもうちにありますが

去年の引っ越しのときに

荷物に入れたままになっています

 

でもカード自体

絵柄が素敵で

とても気に入っています

 

飾っておいてもいいかもしれません

 

Di Florixc - Opera propria, Pubblico dominio, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7743533

 

こんなカードです

 

つまり

この「剣」が spada → spade(スペード)

という言葉の起源ということ

 

フランスのカードで言えば 

pike ♠ に相当する

というわけですね

 

ちなみに

 

「金貨」→ダイヤ♦

「杯」(カップ)→ハート♥

「棍棒」→クローバー♣

 

に当たります

 

かたつむりかたつむりかたつむり

 

そういえば

 

♣ のマークは

クローバーとも呼ばれますが

実はこれ

英語では「クラブ」なんですよね

 

私、

この「♣」の名称についても

大きな勘違いをしていたんです

 

この記事の最初に

♠は労働の工具・・・

土臭いマーク・・・

 

他の三つのスート(♦ ♥ ♣)が

ほのぼの系のマークなのに

♠は仲間外れ・・・

 

という勘違いをしていた

と思っていたのですが

 

実は実は

♣ も

それほど"ほのぼのしたもの"ではなかった

ということが分かったのです

 

もうお分かりの方も多いと思いますが・・・

 

♣ が何を示すかが分かると

べつにスペードだけが異色のマーク

ということでもないことが分かります

 

この話をすると長くなりますので

続きは明日にでも書きたいと思います

 

まさかに2回またぎになり

すいませんがww

 

今日も最後までお読みくださり

ありがとうございました

 

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