平成28年度は、3月30日で終了と思われていた衆議院本会議でありましたが、30日夕方の議院運営委員会理事会で佐藤勉委員長の職権で急きょ31日に開会が決定されました。
与党は席上、自衛隊の中古装備品を他国に無償や低価格で供与できるようにする自衛隊法改正案などの趣旨説明と質疑を行うことを提案。
民進党は、南スーダンPKOの日報問題に関する防衛省の情報提供が不十分だと反発し、審議入りに反対しました。
野党の意見を聞かずに強引に議会運営をすることは、民主主義の手続きに反する面もありますが、審議すべき国会で審議入りを反対する野党もまたおかしなことをしております。
政府案の審議に入れば必ずその法案は必ず成立するからでしょうが、それを言ったら野党の議論などというものは最初から無価値であると示しているようなものです。また、野党に歩み寄りをみせない与党にも問題があろうかと思います。
国会も国民も分断された社会がまさに形成されているといった感じです。
保守は、分断されない一つの国家が必要であると唱えながら、己と意見を画するものを徹底的に排除し、左派は平和と協調をうたいながら、平和のために闘争をしてやはり同じく国民を分断しようとするのですから、前に進むものではありません。
まして、ネット上では、もはや感情論としかいいようがない罵り合いをお互いにやっている。これは憂慮すべき課題です。
【平成28年度中の衆議院本会議】
3月28日●介護保険法改正案の説明・質疑/ 種子法廃止が可決
以上がこれまでの衆議院本会議での審議。
●現在提出中の議案で、本会議において趣旨説明がなされた法案は以下の通り。
●現在提出中の議案で委員会において趣旨説明がされ、質疑している法案は以下の通り。
●現在提出中の議案で委員会で可決、本会議での採決がまだなされていない法案は以下の通り。
●今後の流れ
自民党国会対策委員長は、4月6日から
の審議に入りたい模様ですが、公明党国対委員長は、国民生活に密着する
の審議を優先したい考えです。
民進党においては、
を是正させ、
を成立させたい考えですが、勝算はありません。
については、民進・共産・自由・社民が廃案に追い込む姿勢。
自民党は五月連休前までに採決に持ち込むものと考えられます。
その他、まだ提出されていない法案としては、衆議院小選挙区の区割りを見直して定数を減らす選挙法改正があります。
さらに、天皇陛下の退位に関する法案もあります。
193-閣49 水道法改正案【水道民営化】については、種子法廃止と同じく、知られざるところでこっそりと成立することも予想されます。
国土交通関連では民泊、訪日客呼び込みに関するものがありますが、
これは難なく通過するでしょうが、これらに反対する党派がないことは民意を反映しておりません。
193-閣53 医療ビッグデータ法案(次世代医療基盤法案)については、賛否両論がありますが、おそらくは民進党は賛成するものと思われます。
決算については、前年度までに早めようという申し合わせがあるので、平成24年度から27年度までの決算についての審議もあります。
条約については、日印原子力協定で対立する場合もあります。
⇒ 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
しかしなんといっても会期末は、テロ等準備罪に関する法案審議で、野党がいつもの芝居を打って、最後に内閣不信任案、法務大臣不信任案、法務委員長不信任案が否決・廃案されるというシナリオで終了するかと考えられます。
前回の内閣不信任案 192-決議08 安倍内閣不信任決議案
6月18日が会期末であり、7月2日が都議選の投票日となっているため告示日が6月23日となるでしょう。告示まで4日間の空きしかないため延長は困難と思われます。
そこで強行採決のオンパレードが予想されます。
●都議選以降の共産党
先日の東京都議会では、日本共産党都議団が予算案に賛成。つねに予算案には反対してきましたが、小池百合子都知事のブームに乗ってか、賛成に転じております。しかし、国政においては反対野党としての力を継続するものと思われます。
●森友学園問題と維新の会
維新の会が森友学園問題についてどれだけ関与があるのかについてが究明されることが考えられます。代表の松井一郎大阪府知事に注目が集まります。維新は法案においては、水道民営化や農業改革について与党に対して協力的な姿勢を見せることが考えられますが、それと憲法改正の問題以外では、自民と維新の対決もはらんでいます。
●天皇退位に関する問題での自由党
各党各派の審議において、自由党のみが反対。反対する理由は、当初に民進党がいっていた内容を持続させているものであり、民進党が与党案に歩み寄りを見せたことから生じています。この歩み寄りに共産・社民も歩調を合わせたため、自由党のみが
「天皇陛下のお言葉を忖度していない」として反対していますが、それでも大島理森議長は「立法府の総意」であるとごり押しする模様。
●共謀罪と社民党
社民党は共謀罪で反対の立場を明確にしていますが、民進・共産・自由とそれほど理由に違いがないために、今後も存在感は薄れていくであろうと考えられます。沖縄基地問題についても、共産党とそれほど変わりなくあり、独自色がないために、存続している意義についてはあまりありません。