役割
世の中って、つくづく思うけど、右手社会なんだな~ 右手が使えなくなって、初めて感じた。 これまで、思いもしなかったけど。 私も利き手は右手だから、右手が使えないって、日常生活で凄く不便! 朝起きて、ベッドから起き上がる時、手が付けない。 起きて寒いから何か羽織ろうと、手を伸ばすのは左手を使用。 服を着る時も、いつもより手間取る。 毎朝起床時の排泄の為にトイレに行っても、用を足した後… これが本当に大変。 いつものようにできないじゃん! 手を洗う、顔を洗う、頭を洗う、体を洗う、自分を綺麗にする為の行為なのに、全然できない。 誰かの世話になるのは嫌だから、左手で全部頑張るけど、とても不十分よ。 それからメイクね。 いつもより不細工な私でごめんなさい。 で、食事でしょ? 箸も持てず、蓋を取ることもできない。 朝のトースト、バター塗れないし、ジャムの瓶、蓋、誰か開けて~ お昼は華桔梗のランチがあるけど、スプーンやフォークが必要だし、食べこぼしも多いし。 何より人前で食事するのが嫌だった。 普通に食事する事もできないと、外食はできない。 人の目が気になる。 誰も見てないとは思うけど、格好悪い食事姿はさらしたくなかった。 家事? 洗濯は洗濯機が頑張ってくれるけど、洗剤の蓋、開けられないよ? 洗濯物、誰が干す? 誰が取り込む? 誰が畳んで配るの? 今日は何のごみの日? 燃えるゴミ、誰か集めて! 買い物? お財布からお金出せないから! あとは運転! これが何よりつらかった! 右手は常に痛くて、薬がお門違いの頃は、痛みが増すばかりで、車の中で痛い痛いと呻きながら運転していたっけ… 神経障害性疼痛の薬を飲み始めても、すぐには痛みが取れなくて、できれば運転をしたくなかったけど、立場上そういう訳にもいかなくて、悶絶しながら運転していたわ。 仕事? 1週間はまるでできなかった。 携帯電話すら重たくて、左手でも持てなかったし、ウェブ面談でも、痛みが酷すぎて、集中できず、話が全然入ってこなかった~(笑) 本当は家でずっと寝ていたかったし、そうするほうが良かったんだろうけど、それも立場上出来ません。 毎日欠かさず職場に行って、様々指示や判断はして、自室の中では、痛みを紛らわす為にただ歩いたり、痛みの少ないポジショニングを探したりしてた。 期日のある書類作成も私の仕事。 遅れたら100万円の損失! 左手でポチポチパソコンのキーをたたいて頑張りました! 五体満足って、本当に幸せなこと。 当たり前に身体がある人には、無い人の気持ちはわからない。 わかろうとしてもそれは想像に過ぎない。 要介護者はもっと辛いかも。 もともとあったものが失われて… 私と同じように、こんな姿をさらしたくない、こんな自分は自分じゃないって、きっと思った時期もあるんだろうな… こうして、タイピングしても手が痛まなくなった私にできることは、なお一層仕事に励み、介護の世界を変えるべく、華桔梗の発展に尽力すること。 華桔梗の異質さは、介護の世界に看護の視点を持っていること。 知ってた? この春ついに訪問看護が立ち上がるの! これで在宅支援の武器はそろった。 さあ、6年目の春! 右手の痛みを克服して、再始動、頑張りますよ♪