紛争2
彼女との電話の後、すぐにかかってきた電話は彼女の旦那だと名乗る男性でした。 彼は有給休暇が使えないとは本当か?有給休暇は使いたい時に使えるはずだと言いました。 私は使えないとは断言していない事、社労士と相談した上でまた連絡するという話になっていると伝えました。 彼はそういう話になっていることは知らなかったと言いましたが、既に彼から発せられていた労働基準局に確認しても良いか?という言葉をとても不愉に感じていました。 彼の言動が脅迫ともとれるものだったからです。 自分たちの希望通りにしないなら労働基準局へ連絡する。 そういう意図があると私は感じました。 労働基準局というフレーズを出した彼に、私は、それならと貴方達が求めている30分休憩すら、労働基準法には違反しているのだと伝えました。 それから育児休業というものがどのような制度であるか知っているのかとも問いました。 彼は、4割ですよねと言いました。 4割? 違います。 4割という数字はどこにも絡んできません。 私は制度の内容については何も知らないんだなと感じました。 大丈夫、想定内です。 制度の概要を知っている者であれば、このような言動をとるはずはないと思うからです。 育児休業明けの復帰時期が二転三転しても全て対応してきた私に、このような脅迫めいた言動をとるとは、何ともなめられたものだと私は思いました。 そもそも、何故彼と話さなければならないのかも疑問でした。 それに彼が電話してきたのも、華桔梗が小さな会社で、社長が女であるからだとも感じました。 情けない話です。 もしも私が厳つい顔したごっつい身体つきの男性だったら、彼は電話しなかったかもしれない。 華桔梗が何千人も社員が居るような大企業だったら、電話しなかったかもしれない。 私は人間のこういうところが大嫌いです。 だからという訳ではなありませんが、私は素直な感情として、これから迎え入れようとしている最中にこのようなお電話を頂くと、復帰する当人への感情も変わりますねと話しました。 私だって人間です。 心や感情があるのです。 働いてくれてありがとうという感情が、脅迫されてもなお継続されるはずはありません。 結局、社労士と相談した結果、有給休暇は認めましたが、保育時間中の就労は依頼しました。 また、希望通り、5時の退勤は認めましたが、休憩は毎日60分とし、毎日30分の不就労とする旨を本人に伝えました。 すると彼女は、では退職しますと即答したのです。 彼女が復帰しない事に異論はありませんでした。 周囲との公平性も考えず、無理難題を平然と求める彼女は最早トラブルメーカーだと感じていたからです。 しかし驚いたのは、更にその後の彼らの行動でした。 育児休業中の給付は職場復帰が前提ですから、退職すると決めた以上、以後の給付は停止されます。 おそらくその事を知らなかったのであろう彼らは、あろうことか私に損害賠償を求めてきたのです。 つづく。 ご拝読ありがとうございます。 次回は11月4日です。 宜しくお願い致します。