これは今現在私が抱えている問題です。

 

 まあ、予想はしていたのですが、やはり来たかという感じでした。

 

 労使間の紛争です。

 

 事の次第をご説明しましょう。

 

 今から遡る事、6年、彼女は他事業所を辞めたかったけど、なかなか辞められず、やっとの思いでうちに来ました。

 

 その当時はシングルマザーで、二人の子育てに奮闘中で、子供の病気や行事等でお休みする事も当然ありましたが、華桔梗ですから勿論希望通りのお休みを与えてきました。

 

 思いやりのあるとてもいい子です。

 

 彼女から再婚する事になったという知らせを聞いた時は、心の底から祝福し、妊娠が無事に出産までこぎつける事が出来るよう、願いました。

 

 体調が優れず、絶対安静の時期もありました。

 

 とても介護職が務まる状態ではなく、私は傷病手当の支給について説明し、対応する事としました。

 

 結局彼女は産前休暇に入る直前まで傷病手当が支給され、そのまま産前産後休暇、育児休暇へと突入しました。

 

 休暇に入る前の意向確認では、育児休暇は1年との希望でしたので、その予定で人員配置を考えました。

 

 ところが、他のスタッフの経験上、年度途中では保育所に入りにくいとの情報を得た彼女は、復帰時期を半年間延長した希望に変更しました。

 

 勿論私はそれにも対応し、再び人員配置を考えました。

 

 ところがです。

 

 保育所申請に通ってしまったと連絡がきたのです。

 

 ここで、育児休業について簡単にご説明いたしますね。

 

 労働者で既定の就業時間、就業日数がある人は育児休業が1年間認められています。

 

 そこから更に保育所が見つからないという理由があれば、半年毎に2回まで延長が可能です。

 

 つまり育児休暇は最長2年取得が可能という事です。

 

 しかしこれには希望した保育所に入れなかったという通知書が必要です。

 

 希望は3か所まで出せます。

 

 彼女は第3希望での保育所受け入れが決まってしまったのです。

 

 私としても予定外の事ではありましたが、勿論受け入れると本人にも伝えました。

 

 彼女からは、

 

 休憩時間を毎日30分にするから毎日5時に退勤させて欲しい、

 慣らし保育の期間はお休みさせて欲しい、

 その間は全て有給休暇を使わせて欲しい

 

 という希望がありました。

 

 華桔梗では本人が希望する場合において、お昼の休憩60分の内、30分を終業時にまわして早く退勤する事を許可していました。これは忙しい時や人手不足の場合、休憩カットして働いてもらうこともあるのだから、労働者が希望する場合はこれを認めようという、私の善意からの制度でした。

 

 労働基準法に照らし合わせると、実はこれは指導の対象となり得る行為です。

 

 何故なら、8時間働かせる労働者には昼休憩として60分の休憩時間を与えなければならないからです。

 

 顧問社労士からそのような話を聞いていましたが、例え労働基準局から指導されたとしても、労働者の為になる事だからと、私はこれを良しとしました。

 

 これまで何人かのスタッフはその対応を希望してきました。

 

 だいたいは自分の病院受診や、家族の病院受診等が理由です。

 

 月に何度もあるわけではありません。

 

 皆真っ当なモラルの持ち主ですから、年に数回のレベルです。

 

 それなのに、何があったのか彼女はあろうことに毎日希望してきたのです。

 

 私は対応に困惑し、即答は避け、社労士と相談した上で連絡すると伝えました。

 

 有給休暇についても、これまで二人の育休明けスタッフは慣らし保育期間のお休みを希望しましたが、有給休暇の希望はなかったので前例のない希望という事になります。

 

 通常は働き始めての子供の急病での欠勤に利用しており、そのような使い方を提案しました。

 

 本当に華桔梗で働き続ける気があれば、そうするはずです。

 

 私は長く働く気が無いのかもしれないと感じました。

 

 しかし、有給休暇の取得は出来ないとは答えず、前例がないので公平性という面では厳しいが、社労士と相談してみると答えたのです。

 

 そうして彼女からの電話を切り、その数分後、見知らぬ番号から携帯に電話が来ました。

 

 誰?と思いながら電話に出ると、そのスタッフの旦那であるという男性からでした。

 

 

                       つづく

 

 ご拝読ありがとうございます。

 次回は10月7日です。

 お楽しみに…