9月になりました。

 

 今回は私の身に起こった出来事について、お話させて頂きます。

 

 ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、今年、2月、私は父の介護で頚椎を傷めてしまいました。

 

 頚椎椎間板ヘルニアとの診断で、当時は右手が痛みの為、全く使えなくなり、日常生活にも大きな影響が出ていたのです。

 

 しかし、神経障害性疼痛に効くという薬を継続的に服用することで、痛みは徐々に減少し、薬の量も減らしながら、日常生活を取り戻していました。

 

 痛みの強さ故、ピーク時は限界量まで薬を増やしていましたが、症状の軽快を診ながら徐々に減量していたのです。

 

 そんな頃、内服を始めて、半年を経過する頃です。

 

 私は排尿時の痛みを感じるようになりました。

 

 その症状から、膀胱炎かな?と思ったので、泌尿器科を受診したのです。

 

 普段から、何かとついつい詰め込む癖があり、いつもスケジュールはパンパン。

 

 トイレも我慢してしまうことも多かったので、膀胱炎との診断を頂いた時は、やっぱりか…と思いました。

 

 治療薬は5日分。

 

 今思えば、少し効きが悪かったように思います。

 

 でも、痛みは消え、普段通りの日常に戻るはずでした。

 

 ところがです。

 

 痛みの消失とともにやって来たのは、尿が出ないという症状でした。

 

 尿意は感じるのです。

 

 でもトイレに行っても出ない。

 

 いえ。正確には出にくいと言うべきでしょうか。

 

 例えば起床時。

 

 私は毎晩良眠するので、朝まで全く起きません。

 

 就寝前にはトイレに行きますが、起床時も毎朝トイレに行きます。

 

 一晩中に作られた分を排尿する訳ですから、この起床時の排尿は一番量が多い。

 

 だから、必ず、膀胱には尿があるはずなのです。

 

 でも、あの時はトイレに行ってもなかなか出ませんでした。

 

 膀胱の特性として、尿がたまり過ぎてしまうと、確かに出にくいということはあります。

 

 しかし私の場合は毎朝の事ですから、ある日突然出ないというのは明らかにおかしい。

 

 起床時のみでなく、日中、どのタイミングでトイレに行っても、尿はあるはずなのに、とにかく出ない。

 

 出すのに、大変苦労するという感じでした。

 

 排泄の援助で、水が流れる音を聞かすとか、陰部に水をかける、下腹部を圧迫する等、看護学で学んでいましたが、それ等全部を試し、全てを駆使して、やっと絞り出すという感じです。

 

 このままでは、また膀胱炎を再発する可能性もあると感じて、私はまた泌尿器科を受診しました。

 

 エコー検査等もしましたが、医師も頭を抱えて、原因がわからないと言っていました。

 

 とりあえず、副交感神経を優位に保つ薬が処方され、2週間、様子を観ることになったのです。

 

 エコー検査をしても排尿に関わる臓器に異常が見つからないとなると、原因は?

 

 ますます謎に思いました。

 

 泌尿器科での薬を飲み始めても、何ら改善せず、むしろ悪化している感じすらしたのです。

 

 トイレの中で、なかなか出ない尿を出す為に、悪戦苦闘しながら、私は考えました。

 

 この感じ、出ない尿を出すために、神経統一しているこの感じ、尿を出すための神経回路はどれ?と自分で探っているような感覚でした。

 

 そこで気が付いたのです。

 

 神経障害性疼痛の薬!

 

 あれだけ酷い痛みを抑制するのですから、きつい薬のはずです。

 

 副作用で、他の神経に影響を及ぼす事もあるのかも知れない。

 

 そう思って、今度は整形外科を受診して、神経障害性疼痛の薬を処方した医師に、現状の報告と副作用の可能性について、相談してみました。

 

 ビンゴ!

 

 少数ではありますが、過去にそのような症例もあったとのことです。

 

 医師からは内服を辞めて、排尿障害が消えるなら、原因はそれだったということになると言われ、すぐに辞めて良い薬かどうかを聞きました。

 

 右手の痛みが無いのなら、もう1段階薬を減らしてから、フェードアウトするように薬を切ることを提案されましたが、私としては、排尿障害が、日増しに悪化している感じがありましたので、即日内服を辞めました。

 

 結果、徐々に症状は改善され、今では何の問題もなく排尿できるようになりました。

 

 今回の事は、広く皆様にもお伝えすべきことだと思いました。

 

 私は泌尿器科の医師に、頚椎椎間板ヘルニアで神経障害性疼痛の薬を飲んでいることも告げていたのです。

 

 しかし、医師はその薬による可能性は視野に入れず、排尿障害に対して、処方薬を出して対応したのです。

 

 責めている訳でありません。

 

 そこに落とし穴があると言いたいのです。

 

 医師は自己の担当する疾患を診ます。

 

 治す為に疾患ばかりに意識が集中してしまい、全体像が見えなくなることもある。

 

 沢山の薬を飲んでいる事が多い高齢者を思うと、案外、薬の副作用を抑える為に薬を出して、またその副作用で薬が増えて…なんてことが起こっていないのかな?と心配になりました。

 

 何事も広い視野で考えるということは大切なことですね。

 

 常用薬がなくなって、清々しさいっぱいの今日この頃です。

 

 右手をかばいながらの生活ですが。

 

 

 

 

 次回は10月2日です。

 宜しくお願い致します。