父は2カ所のショートステイを利用している。
2カ所と言っても法人自体は同じで、2店舗を行き来しているといった感じだ。
今週どちらの施設を利用するかは、ショートステイ側が設定し、私はそれに従う形になっている。
どういう訳か、嫌、恐らくは想像するに、父の介護が大変で、毎週末利用となると週末勤務を避けたいスタッフが出るのかな、指示される利用先は必ず週末ごとに交互になっていて、連続して週末同じ施設を利用するという事はない。
さて、正月早々、そこからの電話。
内容は施設利用者からコロナ陽性者が出てしまったが、利用をどうするかという問いであった。
利用をどうするか?
いやいや、利用しないなんて選択肢はこちらには無くて…
でも出来れば、感染リスクは減らしたいし…
ていうか、こちらは寧ろ利用延長希望があって…
私はコロナ陽性者が出た施設がその週末利用予定の施設であり、父の滞在先ではなかったことにひとまず安どしたが、その連絡で延長利用について打診してみた。
願わくば、コロナ陽性者が出ていない父の滞在先での利用延長を行い、その週末利用する予定だった施設を避けての利用を希望した。
しかし、週末はどこも利用者がいっぱいで、私の希望がそのまま通る事はなかった。
とは言え、父を抱えての年始のデイサービスはなかなか危険であるし、自宅でという選択肢はなく、であるならば、例えコロナ陽性患者が居ようとも、気にせずその施設を利用するしかないという事だ。
病院ではなく、介護施設でのコロナ療養…
大丈夫だろうか?
感染対策の手技が未熟で父が感染したらどうしよう…
そんな不安がないと言ったら嘘になる。
しかしだからと言って、予定通り父を退所させ、自分がかかりっきりで介護する事も出来ない。
もはや究極の選択だった。
私は、もし、今回の自分の決断で父が不幸にもコロナ感染し、更に不幸に死に至るような事があれば、それはそれで、それもまた人生だと腹をくくり、コロナ患者のいる施設利用をする決断をした。
但し、可能な限り父の滞在先に居れる間は居て、満床で出なければならない時に出て、移るという計画。
その方が、コロナ患者のウィルスも少しは沈静化しているかも知れない。
それにだいたい、コロナであるとわかっている方が案外安全という考え方も出来る。
怖いのはコロナではないと思っている人が実はコロナでしたというケース。
今の感染拡大はこうして広がっている。
感染拡大を防ぐ為には、自分もコロナ、この人もコロナ、皆コロナかも知れないという前提で接する事である。
簡単な事なのに、何故か人はやはりこれが出来ないみたい。
自分だけは大丈夫、コロナになってないって思ってるのか、油断している人が多いと私は感じる。
施設は感染者を介護するスタッフと非感染者の介護スタッフをしっかり区分しての運営をしてくれるのだろうか…
父を他の施設に任せ、不安を抱えたままの年始営業が、無情にも幕を開けたのだった。