コロナ陽性の方が療養する施設に父を移動させた私。
どんな感染対策をするのか、陽性者に接するスタッフを限定的とするのか等々、私は父の感染を心配して、聞きたい事は沢山あった。
しかしながら、この年末年始、どこもコロナ感染者急増で、人手不足、感染対策での繁忙、加えて、父が移動した時間帯を考えれば、あれこれ聞くことも憚られた。
なので、後ろ髪を引かれる思いはあれど、父を託して、すごすご帰るしかなかった。
私には翌日のデイヘルプもあり、過去最高人数を、過去最低人数でどう介護するのかを考えなければならず、ただひたすらに施設からの連絡が来ない事を祈った。
予定していた期間、幸いにも施設からの連絡はなく、私は延長した予定通りに父を迎えに行った。
その際施設スタッフに、急な延長利用にも対応してもらったこと、父を感染から守ってもらったことに感謝を述べ、陽性者の方の容体を聞いた。
無事に軽快され、隔離期間も終了しました。
始めの頃はスタッフの感染が相次ぎ、大変でしたけど…
そう聞いて、陽性者の方の軽快に安堵し、また、スタッフの感染については、お察ししますと、感染対策の難易度に同情した。
新型コロナウィルス、オミクロン株の感染力はとにかく強い。
ワクチンをして、換気をして、マスクをして、手洗いをして、消毒をしても、感染する時は感染する。
目に見えないウィルスは私達の対策の目を掻い潜り、音もなく進入して、クラスターを起こすのだ。
感染しても、以前のデルタ株ほどの致死率はないが、それでも感染して亡くなってしまう方は一定数存在する。
新聞の報告でも、亡くなった方が重症者ではないという記事が多い。
感染してもコロナで亡くなる事は少ないから大丈夫?
そう感じている人も多いかも知れない。
でも私が危惧する事は、高齢者の死者数だ。
感染者の死亡人数は毎日発表されている。
重症者ではなかったかも知れないが、その大半は高齢者であるという事実。
これは、コロナ感染がなかったとしても、亡くなる運命だった人と言えるのか?
いいや違う。
私はそうは思わない。
高齢者は入院がきっかけで様態が悪くなることが日常茶飯事だ。
コロナ感染がきっかけとなり、感染がなければ生き長らえた人も、無情にも命を落としているのではないか?
それに、コロナ感染者が増えた事で、通常の医療体制が崩壊し、検査や手術の遅延が発生している。
それによる影響は?
政府は今年5月、コロナを5類にと言っているが、それによる感染急拡大のその後は…
高齢者への介護サービスを主体とする事業者である身としては、今後の行く末は非常に危惧する事ばかりである。
既に高齢社会となった日本において、政府は、コロナで高齢者が亡くなれば、膨大な医療費や介護費の削減が出来ると思っているのか?
恐ろしい思想だと感じながら、今はコロナ影響の行く末を慎重に見極めねばと、一時的に大きく方向転換した華桔梗であった。